データベースエンジニアとは

データベースエンジニアとはデータベースのエンジニアです。

データベースとは辞書的には“検索や蓄積が容易にできるよう整理された情報の集まり”のことをいいます。

住所録や電話帳も原義ではデータベースとなりますが、システムの世界でデータベースと言うと、データベース管理システム(DBMS)によって作成・整理された情報群のことを指します。

そして、データベース管理システムに精通した、あるいは特化したシステムエンジニアのことを特にデータベースエンジニアと呼びます。

ちなみに、情報処理技術者試験というITエンジニア向けの国家試験の中に、データベースエンジニアを対象にした「データベーススペシャリスト」という科目があり、その試験の受験者像、つまりデータベースエンジニアの姿は以下のように定義されています。

「データベースに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」

非IT業界の方には少々分かりにくい表現なので、もう少しかみ砕いて説明すると、そもそもとしてシステム開発は①企画・設計、②構築、③保守・運用の3STEPで分かれていますが、データベース管理システムの専門家として、①企画・設計ではどんなデータベースにするか考え、②構築では、実際に考えたデータベースを作り上げ、③保守・運用では使いながらデータベースを改善・改良できることができる人がデータベーススペシャリストだよ、ということをいっています。

「なんとなく、データベースエンジニアという人たちについて分かったけれど、彼らが操る、データベース管理システムって、結局、どういうものなの?」という方も多いと思うので、図書館の書籍検索・貸し出しシステムで具体的なご説明をします。

図書館の書籍検索端末でタイトルや作者の情報を入れたら、ヒットした本の一覧が出てくるわけですが、これは、図書館の全蔵書のタイトルや作者など、“どの本か見分けることができる情報”つまりは“キーワード”が記録された“図書館の蔵書リスト”を作っておく必要があります。

システム的な言い方をすれば“図書館の蔵書リスト”がデータベース(の一部)となり、登録された一冊一冊の本の情報が“レコード”、“どの本か見分けることができる情報”のことを“キー”と言います。

データベース管理システムの一つ目の仕事は、“図書館の蔵書リスト”に“本の情報レコードを追加・削除して、最新の状態に保つこととなります。

二つ目の仕事は、“どの本か見分けることができる情報”つまりは“キー”を使って、検索した利用者に対して、検索結果を返却することになります。

データベース管理システムの三つ目の仕事として、すでにあるリストを組み合わせて新たなリストを作る、という仕事もあります。

図書館の書籍検索・貸し出しシステムで考えると、データベースには“図書館の蔵書リスト”以外にも“利用者リスト”というのも収録されているはずです。

そして、この二つのリストを組み合わせることで、“Aさんの貸し出しリスト”という、新たなリストが生まれるはずです。

ちなみに、システムエンジニアの分類の仕方として、基盤(ハードウェアなど周辺環境)を端とするエンジニアとアプリケーション(ソフトウェア)を担当するエンジニアに分けて、前者をインフラ系エンジニア、後者をアプリ系エンジニアに分類する方法がありますが、データベースエンジニアは、インフラ系エンジニアになります。

データベースはそれ自体がソフトウェアではありませんが、ネットワークのようにソフトウェアが動くためには非常に大切なインフラの一つとなります。

平均年収はどのくらい?

データベースエンジニアという呼び方は、システムエンジニアの中でもある役割を持つ方々に付けた通称のようなものであって、統計上の正式な肩書ではないので、公的機関の資料などから平均年収を割り出すのは不可能です。

また、なにを持ってデータベースエンジニアと名乗らせるかは、雇用企業の匙加減でもあるので、間違いなくデータベースエンジニアと言える「データベーススペシャリスト」の有資格者の年収を調べてみると、500~1000万円のレンジに収まっているようです。

ちなみに「データベーススペシャリスト」合格者の平均年収は30代前半です。

有資格者として特別な手当てを受け取っていたり、昇格・昇進で恵まれていることもあると思いますが、高年収を期待できることがわかります。

そもそも需要はあるのか

今更ですが、データベースが必要なシステムってなにがあると思いますか?

図書館

図書館の書籍検索・貸し出しシステム以外にも、ネットバンキングやショッピングサイトなどでもデータベースが重要な役割を果たしています。

例えば、ログイン画面でユーザーIDとパスワードを打ち込むと思いますが、入力された値が正しいかどうか“データベースに問い合わせ”ユーザーIDとパスワードの組み合わせリスト“と突き合わせる、という作業をシステムは行っています。

あるいは、ショッピングサイトの【カートに入れる】はシステム的には、図書館の書籍検索・貸し出しシステムの“Aさんの貸し出しリスト”を作る、と基本的には同じ動きです。

銀行のATMからお金を引き出す際も、ATMが口座情報のデータベースに引き出せるか問い合わせを行うだけでなく、実際にお金が引き出されたら、データベースの更新も行っています。

このように、ありとあらゆるシステムでデータベースが必要であるため、データベースに強いエンジニアの需要はなくならないと言われています。

更に、近年はビックデータ、そしてビックデータを活用して新たな知見を発掘するAI(人工知能)の登場により、データベースの担う役割は重みを増しており、需要は上昇傾向にあるといえるでしょう。

ただし一点注意が必要で、“データベースエンジニア”としての採用は減り、募集職種としては“インフラ系エンジニア”で、特にデータベース周りお任せします、という形での採用が増えているように思います。

システム開発にデータベースを使うのが当たり前となり、インフラ系エンジニア・アプリ系エンジニアを問わず、多くのシステムエンジニアがそれなりにデータベースを扱える時代になったため、データベースしか分からないエンジニアには需要がなくなった、とも言えるかもしれません。

どの業界・業種で活躍できるか

データベースエンジニアが活躍する業界としては、まずはIT業界です。

Webシステムなどの小中規模システムはもちろん、POSシステムなどのエンタープライズ向けの大規模システムでもデータベースが必要なので、それらを構築するシステムインテグレーターやベンダーなどで活躍することも十分に可能です。

また、納品されたPOSシステムなどのエンタープライズシステムを利用する非IT企業においても、保守・運用要員としてデータベースエンジニアが必要になるため、社内システムエンジニアとして活躍する可能性もあります。

また、ビックデータやAI(人工知能)でもデータベースが必要なため、それらの利用や調査研究を行っている企業からも一定の需要があります。

これらデータベースエンジニアの活躍の範囲はIT業界に限られません。

まとめ:非常に可能性のある職種の一つ

今回は、データベースエンジニアについてご紹介いたしました。

近年、ビックデータやAIなどの登場でデータベースを取り巻く環境が変わってきましたが、それに対応するようにNoSQLデータベースがシェアを拡大するなど、データベース自身も変化してきています。

非常に可能性のある職種の一つだと思いますので、習得するべき知識は多いですが、興味を持った方は、ぜひ目指していただきたいと思います。

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