社会人として働いていて、「キャリアアップをしたい」「ワークライフバランスを保ちたい」などといった理由で転職をしたいと考える方は一定数いると思います。

特に女性は結婚・出産・子育てのタイミングで、仕事と家庭のバランスを考えなければならないという方が多いでしょう。40代になると、子育てなどの家庭内での仕事と職場での仕事のバランス、自分自身の体力との兼ね合いでワークライフバランスを重視して仕事をしたいという方が多いと思います。

エンジニアとして働いている方は男性が多いですが、今回はそんな40代女性でも転職ができるのか？　ということを40代女性特有の悩みから紐解いて、様々な観点から見ていきます。

40代女性エンジニアの一般的な転職状況

まず、40代女性エンジニアでも転職ができるのか？ということが気になると思います。エンジニアは比較的若い35歳で転職がしづらくなるというエンジニア35歳定年説が有名であり、皆さんも一度は耳にしたことがあると思います。そのため、35歳を超えると転職が難しいのではないかということを思う方が多いでしょう。

実態はどうなっているのかというと、35歳を超えた40代女性でも転職はできます。40代女性でも転職できる理由と、実際の転職状況がどうなっているかということは「なぜ35歳でエンジニアが定年か」と言われている理由を紐解けば理解できます。

35歳エンジニア定年説の理由

35歳でエンジニアが定年と言われている理由は体力の低下・IT技術進歩の早さ・管理職へのキャリアアップ・スペシャリストの需要が高まっているということが大きな理由として挙げられます。

まず、1つ目の体力の低下を見ていきますが、35歳以上になるとそれ以下のフレッシュな社員に比べて体力的に長時間働くことが困難になってきます。また、若い頃に比べて学習効率や集中力が年齢と共に落ちてきてしまいます。そのため、新しい技術をキャッチアップするということが困難になってしまい、学習が必要となるエンジニアを続けることは厳しいと言われています。

そして2つ目のIT技術進歩の早さですが、ITの世界は新しい技術が次々と出てきます。例えば、人工知能に関してだと最新分野を大学でしっかり学んだ人と、業務や趣味の範囲で勉強している30代とでは知識の差が異なり、大学で勉強している若い人達に太刀打ちすることは難しいです。これは30代以降の体力の低下とも密接に関わる問題です。

また、3つ目の管理職のキャリアアップですが、35歳を超えると管理職として若手のエンジニアをマネージメントする管理職が増えてきます。体力の低下やIT技術進歩の早さからプレイヤーとして続けることが難しいという35歳以上の方は管理職へキャリアアップすることで、働きやすさを継続させ、また待遇も上げながら仕事を続けることができます。よって、管理職に就けない方はエンジニアとして活躍し続けることが厳しいと言われています。

最後に4つ目のスペシャリストの需要が高まっているということです。ある分野でスペシャリストになるにはスキルと経験を長年に渡って働くことで獲得することが必要となってくるので、若手がスペシャリストとして活躍するのは難しいです。一方で、35歳を超えた方は今までの専門知識を活かしてスペシャリストとして活躍しやすいです。よって、スペシャリストとして活躍できないとエンジニアとして活躍し続けることが難しいと言われています。

40代女性の転職状況は？

35歳エンジニア定年説から読み取れる40代女性でも転職ができる状態とは、「管理職としての経験がある」「ある領域のスペシャリストとして活躍できる」という2点です。実際に即戦力にもなるため、この2点を満たす人材を求めている企業は多いです。

ただ、IT専門職は人手不足となっているので、求人倍率は非常に高く、これらの2点を満たしていない40代女性でも、転職できるケースが多くなっています。

2016年4月〜2017年3月に転職サービスDodaを利用した40代女性の転職後の職種のデータを見ると、上位から企画・管理系が25%、事務・アシスタント系が13%、IT系エンジニアが10%となっています。40代女性の10%がIT系エンジニアへと転職しているというデータを見れば、40代女性でも転職は十分できるということがわかるでしょう。

40代女性エンジニアに求められていること

40代女性の転職状況を見てきましたが、ここでは40代女性エンジニアに求められていることを解説します。先程のエンジニア35歳定年説でも少し触れましたが、40代女性は「管理職としての経験がある」「ある領域のスペシャリストとして活躍できる」といった能力が求められています。

エンジニアに限らず社会人として働いていると、キャリアアップを考える瞬間がいつかくるはずです。エンジニアの場合はあるタイミングで管理職になるか、それとも特定の領域のスペシャリストになるのかという選択をする方が多いと思います。特に35歳を超えると管理職とスペシャリストとしての経験を積んだ方が転職市場から評価がされます。

一方で、複数の領域をスペシャリストと言えない範囲でこなしていると、転職市場からはあまり評価されず、未経験でも新しいことを学ぶのに長けている若手を取ろうという風になってしまいます。

よって、40代女性エンジニアに求められていることは「管理職としての経験がある」「ある領域のスペシャリストとして活躍できる」といった2点と言えるででしょう。

40代女性エンジニアが活躍できる業種と職種

続いて40代女性エンジニアが活躍できる業種と職種についてです。IT業界ではインターネット・Web業界、情報処理サービス業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界の4つに分類することができますが、インターネット・Web業界以外であれば活躍はしやすいでしょう。

インターネット・Web業界はIT業界の中でもとりわけ伸びている業界ではあるものの、新しい技術の導入が多いので、日々勉強が必要となってきます。そのため、40代以降の方には体力的に厳しい環境となりますし、平均年齢が低い企業が多いです。

また、職種は今までの経験を一番活かせる職種だと自分自身のスペシャリティを活かしやすいので、個人によって異なります。

40代女性エンジニアが転職を成功させるために必要なこと

40代女性エンジニアが転職を成功させるには、40代女性エンジニアに求められていることで解説した管理職としての経験を積むこと、もしくは、スペシャリストとしての経験を積むことに加えて、転職エージェントを利用することで自分の市場価値を常に確認しておくことです。

転職エージェントに登録していると、企業からオファーが来ることもあり、自分自身がどのような企業に転職できるのかということを確認することができます。

転職するつもりが無くても、年1回転職活動をすることで市場価値を確認するという事を行う方もいるので、転職エージェントを定期的に確認するようにして、自分の市場価値を把握しておきましょう。

まとめ：自分の市場価値を把握

40代女性だから求められる ITエンジニアの転職　というテーマで今回はお伝えしました。いかがだったでしょうか？今回お伝えしたかったことは以下のとおりです。

1. 40代女性でも転職はできる
2. 40代女性が転職を成功させるには管理職としての経験を積むこと、もしくは、スペシャリストとしての経験を積むことが大事
3. 転職エージェントを定期的に確認するようにして、自分の市場価値を把握することが大事

今回は40代女性でもITエンジニアとして転職することに必要なエッセンスをお伝えしました。転職を考えている方は是非今回の記事を参考してみてください。