Q1:確定申告をしないとどうなりますか?(システムエンジニア・25歳 フリーランス歴8ヶ月)

 

A1:期限までに申告と納税をしないと、延滞税や無申告加算税その他のペナルティが課されるおそれがあります。

 

確定申告とは、1月1日から12月31日までの期間の収入と経費をまとめた後、所得とその所得に対する税額を計算、翌年2月16日から3月15日までにそれらの内容を申告し、税金を納付することをいいます。また、納税金額の一部を源泉徴収により前払いした形になっている場合は、確定申告の際に税金額の過不足を精算します。

 

会社員であれば会社が行ってくれますが、フリーランスでは自分で行う必要があります。なお、確定申告には青色申告と白色申告があります。さらに青色申告には特別控除が65万円のものと10万円のものとがあります。

 

確定申告が必要な収入(所得)があるのにしていないと、税務署に指摘されたときに7年前にまで遡って追徴課税されたり、悪質とされれば刑事罰を受けたりすることになります。

 

具体的には、以下のようなペナルティを課されるおそれがあります。

 

ペナルティ1:無申告加算税の支払い

無申告加算税は、3月15日までの期限内に確定申告をしなかったことに対する罰則的税金です。本来納付すべき税金に加え、税額に応じた罰金を支払うことになります。無申告加算税額は、本来納付すべき税金額に対して、50万円以下なら15%、50万円を超えるなら20%を掛けた金額となります。ただし、期限後であっても税務署から指摘される前に自主的に申告をした場合、5%を掛けた金額に軽減されます。正当な理由がある場合などの一定の条件を満たしている場合には、無申告加算税が課されないこともあります。

 

ペナルティ2:延滞税の支払い

確定申告の期限の3月15日は、税金を納める期限にもなっています。延滞税は、この日までに税金を全て納めていなかったことに対する罰則的な意味合いの税金です。延滞税の税額は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数で日割り計算されます。。また、延滞税の税率は、納期限の翌日から2月を経過する日までは年2.6%、2月を超えた日以後は年8.9%など(平成30年分)、段階的に上がっていきます。つまり、納税が遅れれば遅れるほど延滞税額は雪だるま式に多額になってしまいますので、注意が必要です。

 

ペナルティ3:刑事罰

懲罰的税金だけでなく、刑事罰もあります。まず、単純無申告罪として、「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が課せられることがあります。

 

もし、故意に納税を免れる意思ありとされた場合には、故意の申告書未提出による逋税(ほぜい)犯とされ、「5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、又は両者の併科」が課されます。なお、不正な無申告脱税での逋税犯は「10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金、又はこれらの併科」です。このような悪質なケースの場合、納税額の40%にもなる重加算税を課されることもあります。

 

マイナンバーの導入以後は、税務署が個々人の収入状況を把握しやすくなったと言われています。確定申告をしなかった年に何事もなかったとしても、数年経ってから突然税務調査が入ることもあります。無申告加算税と延滞税、さらに重加算税は莫大な金額になっているかもしれません。そんな事態を避けるためにも、フリーランスは毎年きちんと確定申告しておきましょう。

 

参考:
確定申告書の提出が必要な方|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm

No.2024?確定申告を忘れたとき|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm

 

Q2:業務委託で税金が何も引かれていませんでした。確定申告後が不安です。どうすればいいのでしょうか?(ヘルプデスク・23歳 フリーランス歴半年)

 

A2:まず、あなたの仕事内容が源泉徴収の対象業務かどうか確認してください。また、源泉徴収は報酬(または給与)を支払う側の義務であって、受取る側が不安になったり何か対応したりする必要はありません。

 

業務委託契約には、委任と請負という二つの形態があります。委任契約は労務自体の、請負契約は成果物の対価として報酬を受け取る契約です。

 

ここで、業務委託の仕事が指定されたいくつかの職種に該当する場合、その報酬の中から一定の金額が源泉徴収されます。源泉徴収とは、報酬からあらかじめ徴税しておくことです。徴税が確実になる、納税額が分割される、年1回の確定申告の際の手続きの負荷を分散できる、などのメリットがあります。個人やフリーランスへの支払いだからといって、必ずしも常に源泉徴収されなければならないわけではないことに注意してください。

 

フリーランスの場合の源泉徴収の対象業務としては、「原稿料」「デザイン料」「講演料」等があります。その場合、報酬の支払者が徴収義務者となるため、報酬を支払う際に源泉徴収を行い、遅滞なく国に納付する義務を負います。

 

給与の支払者には、給与所得者に「給与所得の源泉徴収票」を交付する義務があります。一方、報酬の場合は「支払調書」となりますが、交付義務はありません。

 

源泉徴収額の計算方法は、報酬額が100万円以下なら報酬額に10.21%を、100万円を超えるなら100万円を超えた部分に20.42%を掛けて求めます。

 

ただ、源泉徴収によって前払いで徴収された税金額が、実際に払うべきだった税金額と異なることがあります。この過不足を、年末調整もしくは確定申告の際に是正することになります。

 

フリーランスが業務委託によって得た報酬は事業所得となり、自分で確定申告する必要があります。しかし、源泉徴収されているかどうかは、受取り側の申告には無関係です。

 

参考:
報酬・料金などの源泉徴収|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/gensen35.htm

 

Q3:青色申告と白色申告の区別が分かりません。(スマホアプリエンジニア・35歳 フリーランス歴5年)

 

A3:白色申告に比べると青色申告のほうが多少手間がかかりますが、青色申告にはそれを補って余りあるメリットがあります。

 

フリーランスの個人事業主になると、基本的には確定申告が必要となります。

 

確定申告の方法には、青色申告と白色申告の2種類があります。青色申告というのは、2001年まで申告書が青色だったことの名残りです。

 

かんたんに紹介すると、

 

・白色申告は申告の手間が少ないが、控除などのメリットがない
・青色申告は申告の手間がかかるが、控除などのメリットがたくさんある

となります。

 

ただし、2014年(平成26)1月から、白色申告でも記帳が義務付けられるようになり、それなりに手間がかかることになりました。青色申告では最大で65万円もの青色申告特別控除が受けられるため、こちらの方がおすすめです。

 

なお、2018(平成30)年度の税制改正において、2020年分の確定申告から、青色申告特別控除額と基礎控除額が変更されることが決まりました。引き続き65万円の控除を受けるためには、e-Taxによる電子申告か、電子帳簿保存が必要になります。

 

 

相談

 

 

青色申告と白色申告の違いを以下に6つ列挙します。

 

違い1:申請手続き
開業届を提出しただけですと、白色申告となります。
青色申告にしたい場合は、「青色申告承認申請書」を提出します。

 

違い2:簿記の方式
白色申告では簡易簿記(単式簿記)で記帳します。
一方、青色申告は複式簿記か簡易簿記のどちらかで記帳します。どちらを選ぶかで特別控除額が変わります。

 

違い3:特別控除
青色申告には65万円(複式簿記の場合)か10万円(単式簿記の場合)の特別控除を受けられます。
白色申告にはこのような特別控除はありません。

 

違い4:申告書類
白色申告では「収支内訳書」になります。
青色申告では「青色申告決算書」になりますが、会計処理の方法が発生主義か現金主義かで書類が異なります。

 

違い5:欠損金の繰越控除
青色申告では、欠損金(赤字)を最長で3年間、繰越控除できます。赤字を翌年以降の黒字から差し引くことができることになります。
白色申告ではできません。

 

違い6:家族への給与
青色申告では「青色事業専従者給与」として、家族への給与を経費にができます。白色申告では「事業専従者控除」として控除することができます。
経費か控除かの違いだけでなく、上限も異なります。

 

参考:
No.2070?青色申告制度|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

はじめてみませんか?青色申告!|国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kichou01.pdf

 

 

Q4:経費計上ができるものを教えてくだい。(フロントエンドエンジニア・33歳 フリーランス歴8年)

 

A4:経費計上ができるものとできないものの、代表的なものだけでも覚えておきましょう。

 

経費とは、事業を行う上で要した費用のことです。

 

経費計上ができるものは、事業に関連したものに限られます。直接的または間接的に、事業での収入を獲得しようとして支出したものかどうかが判断の基準となります。

 

また、領収書などの支出を証明できる証拠が必要で、これらは取引内容を入力して青色申告をすませた後も7年間の保管しておく義務があります。

 

さらに、無用な税務調査を招かないためには、事業内容や収入などから判断して妥当な範囲内の出費であることが大切です。

 

家事按分という考え方も知っておきましょう。

 

これは、「家賃、電気料金、通信費のような費用を、仕事で使った割合の分だけ経費に計上できる」というものです。例えば1日平均で8時間の仕事をするなら、電気代の3分の1を経費にできます。残り3分の2は家事(生活)に使ったことになります。自宅を仕事場にしているようなケースにおいては、必須となる考え方です。

 

ところで、確定申告において課税所得を求める際、

収入 - 経費 - 控除 = 課税所得

となります。

よって、経費を多く計上できれば課税所得を減らすことができ、所得税額も少なくなります(ただし、課税所得を減らすために経費を無駄遣いするのは本末転倒です)。

 

以上をふまえ、どんな費用が経費になり得るのかについて、具体的に挙げていきます。

 

・租税公課
税金などのことです。必要経費として計上できる税金としては、消費税、個人事業税、固定資産税、印紙税、不動産取得税、登録印紙税などがあります。
また事業用で使用する自動車に関する税金や、商工会議所の会費などもここで計上できます。ただし、所得税や住民税は対象外です。延滞税や加算税、相続税、交通違反の罰金も対象外です。国民健康保険と国民年金については、所得控除に別途記載欄があります。

 

・荷造運賃
封筒や箱やガムテープなどの資材代と、運送料です。

 

・水道光熱費
水道や電気、ガスなどの代金です。自宅兼事務所などの場合は、家事按分します。

 

・旅費交通費
事業に関係する電車やバス、タクシーでの移動代のほか、駐車料金や有料道路の料金、宿泊費などを計上できます。

 

・通信費
事業で使用する電話代、インターネットプロバイダ料金、切手・はがき代などが含まれます。

 

・広告宣伝費
広告や宣伝のための費用や、広告のために配布する品物代などです。

 

・接待交際費
取引先との飲食や贈答の費用、慶弔見舞金などです。

・損害保険料
事業用の店舗の火災保険料、事業用の自動車の自動車保険料などです。

 

・修繕費
事業用の店舗や自動車などの修理代です。

 

・消耗品費
事業で使用する文房具や家具、パソコンなどです。基本的に、10万円未満または使用可能期間が1年未満のものが消耗品となり、10万円以上のものは備品となります。

 

・減価償却費
建物や自動車、機械などの取得価格が高額な備品について、その資産価値の減少を費用として計上します。

 

・福利厚生費
従業員のための福利厚生などの経費です。事業主の福利厚生には適用されません。

 

・給料賃金
従業員に支払われた給与や賞与です。

 

・外注工賃
外部に発注し支払った費用です。

 

・利子割引料
受取手形の割引料や借入金の利息などです。

 

・地代家賃
事務所や倉庫、駐車場の費用です。

 

・貸倒金
回収不能になった売掛金や受取手形の金額です。

 

・雑費
これまで出てきた経費の種類に該当しない場合に使用されます。

 

一方、経費計上できないものもあります。

 

・事業主のための支払い:従業員のための福利厚生は経費になりますが、事業主のためのものは経費になりません。例えば、スポーツクラブの会費や健康診断費などです。

・所得税、住民税
・業務時の交通違反などの罰金
・家庭用の支払い
・生計を一にする家族や親族への支払い
・借入金や住宅ローンの元金

 

参考:
No.2210?やさしい必要経費の知識|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

 

 

まとめ:税金に関する4つの答え

税金に関する4つの疑問にお答えしました。

 

・確定申告しないとぺナルティがある
・源泉徴収されていなくても大丈夫
・青色申告にはメリットが多い
・経費計上できるものとできないものを把握しておこう

 

フリーランスは、税金に関することも基本的には自分で全て処理していかなければなりません。わからないことがあったらその都度調べ、1つずつ覚えていくようにしましょう。

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