2018(平成30)年度、2019(平成31)年度税制改正とは?

税制改正とは、税金の制度を年度ごとに改正することです。
例年、夏に各省庁から要望が提出され、秋に検討された後、冬に発表されます。税制改正法案は、翌春に提出されます。

2019(平成31)年度税制改正のポイント

2019(平成31)年度の改正では、10月に消費税率を10%へ引き上げることによる駆け込み需要と反動減などの影響を抑制することに焦点が置かれています。
増税の影響が大きいと見込まれる自動車について自動車税の恒久減税、住宅について住宅ローン控除期間の延長などがあります。

自動車税が最大4,500円減税など
自動車所有者が毎年納める自動車税について、消費税率10%引き上げ後に新規登録する新車の自家用車を対象として、排気量に応じて減税(最大で4,500円)されます。また、2019年10月から1年間だけ購入時課税の環境性能割も1%軽減されますが、エコカー減税は縮小されます。

住宅ローン控除の控除期間が3年延長
住宅購入について、2019年10月の消費税増税後から2020年末までに入居した人を対象に、住宅ローン控除の控除期間が、現行の10年間から13年間に、3年延長されます。

個人事業者の事業承継に対する支援
個人事業主が事業用の土地・建物・自動車を引き継ぐ際にかかる贈与税と相続税が、全額猶予されます。2018年度税制改正では、法人の事業承継について納税猶予が拡大されていました。2019年度税制改正では、これが個人事業主にも適用されることになります。

個人が保有する仮想通貨の評価方法
個人が保有する仮想通貨について、その期末価額を、移動平均法または総平均法の方法により算出された取得価額をもって評価します。

ふるさと納税の返礼の見直し
ふるさと納税の返礼品は、地場産品で、返礼割合が3割以下、の2つの基準を満たすものになります。

・一定所得以下の未婚のひとり親に対する住民税が非課税に

・ウイスキー等の酒税の税率の引上げ

2018(平成30)年度税制改正のポイント

2018(平成30)年度税制改正では、たばこ税の増税や出国税や森林環境税の創設などがありますが、やはり各種所得控除の変更のところが大きいです。青色申告特別控除に関しても改正があります。年収850万円超のサラリーマンなど、高収入の方にとっては事実上増税となる見込みです。

基礎控除は増額だが、高所得者は減額
基礎控除額は、現在の38万円から一律で10万円引き上げられて、48万円となります。ただし、所得が2400万円を超える高所得者では、基礎控除額が減額されます。具体的には、所得が2450万円以下では32万円、2500万円以下では16万円になり、2500万円を超えると0になります。

給与所得控除の減額など
会社員などが対象となる給与所得控除が、一律で10万円の引き下げとなります。
また、給与収入が850万円以上の人では、控除額の上限が220万円から195万円に引き下げられます。ただし、家族に介護を必要とする人や22歳以下の子供がいる場合は、増税の対象外となります。

公的年金等控除の減額
2020年から、公的年金等控除が一律で10万円引き下げられます。
また、年金等の収入が1,000万円を超える場合の控除額の上限が195万5千円となり、年金等以外の収入が1,000万円を超える場合には控除額が10万円引き下げ、などとなります。

青色申告特別控除の改正
2020年から、青色申告特別控除が、現行の65万円から55万円へと引き下げられます。ただし、e-TAXによる電子申告か電子帳簿保存を行えば、控除額は引き続き65万円です。つまりこの改正は、e-TAXの利用促進による税務の効率化を目的としています。控除額が10万円の青色申告特別控除には変更はありません。

たばこ税が段階的に3円増税
たばこ税は、1本につき3円増税となります。2018年10月から1円ずつ、段階的に引き上げられます。また、たばこ税法や地方税法上の製造たばこの区分に「加熱式たばこ」が新設され、昨今普及してきた加熱式タバコについても対象となりました。

国際観光旅客税(出国税)の創設
2017年12月までの案では「観光促進税」と呼ばれていました。
年齢や国籍を問わず、日本から出国するすべての人が対象になります。2019年1月7日から導入され、1人につき1,000円が徴収されます。

観光税

森林環境税の創設
市町村の森林を整備するための税金です。
2024年度から、個人住民税に1,000円の上乗せされて徴収されることが予定されています。

フリーランスエンジニアは優遇されるのか

2018年度の税制改正で、フリーランスの個人事業主にも該当する部分が2つありました。

1つ目は、所得控除です。
所得が2400万円以下の全ての人について、基礎控除が10万円増額されます。
一方、給与所得控除の10万円減額は給与所得がなければ、公的年金等控除の10万円減額も年金収入がなければ関係ありません。
結果として、多くの現役フリーランスでは、基礎控除の10万円増額分だけが残ることになるでしょう。

2つ目は、青色申告特別控除です。
青色申告特別控除は、複式簿記に基づく形式で税務申告をすると受けられる65万円の控除ですが、今回の税制改正で55万円に減額されます。
ただし、e-Taxでの申告や電子帳簿保存を行うことで、引き続き65万円の控除を受けられます。e-TAXを使用するには、e-TAXソフトとカードリーダーと電子証明書の用意をしたうえで、管轄の税務署に開始届を提出します。
導入にやや手間がかかりますが、税務署への書類の郵送や持込みの手間が省けるほか、申告期間内なら何度でも修正してインターネット送付可能などのメリットもあります。

以上をまとめますと、フリーランスにとっては控除が10万円増額される可能性があります。


働き方が多様化する時代に対応した税制改正と言えるかもしれません。

今から何を準備すればいいのか

これらの税制改正は、基本的に内容も適用開始時期も決まっています。
自分にとって有利なのは改正前なのか改正後なのかを把握した上で、どのタイミングでどんな行動をするとよいかを予め考えておくとよいでしょう。

物の購入については、たばこやお酒などであれば、事前に買い溜めしておけば多少の節税になります。ただ、消費増税の直前では、駆け込み需要を見込んだ販売側が多少高めの値段をつけることがあるかもしれませんし、売る品物が不足して値段が上がる可能性もあります。

金額が大きくなり、必要性などもふまえて検討しなければいけない自動車や不動産については、購入のタイミングを慎重に考える必要があるでしょう。

また、税制改正にはライフスタイルに関する内容もありました。
結婚の時期や子供をもうける時期や、フリーランスになる時期などの人生計画において、税制改正も考慮点の一つになるかもしれません。

まとめ:制度変更の内容を理解することが重要

税制改正についてご紹介してきました。
「改正」とは、改めて正しくすることですが、正しくなっているのはどうかはさておき、何らかの現状からの変更がなされることになります。

税制度を含めた法律は、日本で生活していく限り、誰にでも一律に強制的に適用されることになります。

制度変更の内容を理解し、自分にとってのメリットやデメリットを考え、必要であれば変化に備えておくことが大切です。

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