働き方の自由 契約について

会社員やアルバイトなどの形で雇われてプログラミングを行うプログラマーに比べて、組織に属さないフリーのプログラマーの方が自由というイメージがあるかと思います。

そこで、今回はフリーのプログラマーの自由さの実態について見ていきたいと思います。

まず、一つ目は働き方です。

フリーのプログラマーには出社すべき会社がなく、クライアントとの打ち合わせなど特別な事情がなければ、どこで働いても良い、と思っている方も多いのでしょうか?

残念ながら実態としては「そういう働き方ができる人もいれば、そういう働き方ができない人もいる」が正解です。

“フリーのプログラマー≠在宅勤務者・ノマドワーク”ではないのです。

ここで考えるべきはクライアントとの契約内容です。

プログラマーに限らずITエンジニアがクライアントと行う契約は二種類に分けられます。

一つが「請負契約」、もう一つが「準委任契約」です。

請負契約とは、その名前の通り“仕事を請け負う”契約です。

定められた期日までに、定められた成果物を提供することを約束するものです。

特別な約束がなければ、請負った方の仕事のやり方、例えば利用機材の制限や仕事の進め方・どこで行うかも、クライアントが口出しすることはできません。

こちらの契約の場合であれば、別に出社する必要がないので、家やコーヒーショップでプログラミングをしていても問題ありません。

逆に準委任契約では、そうした勤務ができない・難しいことが多いです。

準委任契約とは、クライアントから仕事を委任(代行)される契約であり、仕事そのものの完遂を求められていません。

つまり、頑張ったけれどできませんでした、でも問題ないのです。

ただし、準委任契約はその性質上、本当に頑張っているのか確認する意味も含めて、活動報告を行う義務が発生します。

そのため、日々とまではいかなくても、かなりの頻度でクライアントに合う必要があります。

そもそも目に届くところで仕事を進めてほしいため、請負ではなく準委任で契約した、ということも多いので、クライアントから勤務場所を指定されることも多いです。

ちなみにですが、情報サービス産業協会が発行している『情報サービス産業における適正な業務委託契約運用のためのガイドライン』によると、製作フェーズ(プログラミング)は請負契約が一般的ということになっています。

現実を見ても、多くのプログラマーは請負契約ではないでしょうか。

ギャラの交渉が自由 ギャラ交渉のコツ

二つ目のチェックポイントは報酬です。

雇われプログラマーの場合、どうしても決められたテーブルに沿った給与になってしまいますが、フリーのプログラマーの場合、状況次第で大きく増減します。

大事なことなので二度言いますが、フリーのプログラマーの報酬は増減するものです。

増える方にばかり、注目されがちですが、減ることも多々あります。

報酬が減るメカニズムには二つあり、現場の評価が悪く、そのフィードバックによる減額だけでなく、深く考えずに受けた“単価の高い仕事”が、実は“単価に見合っていない重たい仕事”だった、というパターンも多々あります。

できるフリーのプログラマーに聞くと、「紹介書に書いてある“上辺の単価”ではなく、その仕事を終えるまでに必要と思われる作業時間の合計をイメージし、時給に置き換えて考えた方が良い」とおっしゃる方が多いです。

フリーのプログラマーが報酬を増やすために必要なテクニックについてもお教えします。

肝は「価値は変動する」と「ない袖は振れぬ」の二点です。

価値は一定ではないのです。

プログラマーとして持っているスキルに対する社会的なニーズの変動といった大きな枠組みはもちろん、例えば、経歴が煌びやかだとか、有名な推薦人がいるなどの理由でも、その人の価値は通常上がりますよね。

情報戦というと大げさですが、より価値のある人材に見えるための情報を集めて提示し、クライアントから見える自身の価値を高めることは、最初のギャラ交渉はもちろん、報酬値上げ交渉時にも非常に有用です。

結局のところ、報酬交渉とは「要求額は不当なものではなく、自分の価値に見合った報酬ですよ」という主張を納得してもらえるかどうか、だけの話なのですから、理論武装とそのための情報の提示は必須なのです。

そして、この際、気を付けたいのは、クライアントが払える範囲で“適正価格”を提示してください。

クライアントが支払うことができない金額を提示してしまうと、「もっとあなたの能力に見合った案件に行くと良いと思いますよ」と言われるのがオチです。

それで慌てて提示価格を下げると、“先ほどの提示価格はなんだったのか。ただのハッタリなのか”という話になり、信用度を下げた挙句、仕事ももらえない、という事態になりかねません。

納期を自由に設定 納期交渉のコツ

特に請負契約で重要なのが納期です。

結局のところ、請負契約は納期を守れるかどうかだけで仕事を判断されます。

裏を返せば、適切な納期を設定できるかどうかが、フリーのプログラマーの評価に直結するといっても過言ではありません。

納期交渉のコツは、頷かない勇気を持つ、に尽きるかと思います。

「自分がここで納期の見直しを求めると、この仕事は貰えないし、今後の受注にも影響を出すかもしれない」と不安になり、ついついクライアント側の厳しい要求を飲んでしまいがちになる、という気持ちはわかります。

しかし、一度、厳しい要求を認めてしまうと、クライアント側も「これくらいの要求は許容範囲なのだ」と考え、コンスタントに厳しい要求になり、さらに無茶な要求をしてくるかもしれません。

一度、標準になったサービスレベルを落とすのは難しいですから、見直しを求めるのも大変ですよ。

「前はこれくらいでやってくれたのに」と嫌味を言われたり、挙句「あなたがこのレベルでできないなら、できる人を探します」とクライアントに言われることも十分ありえます。

無茶な要求に対しては、素直に単独完遂はできない、あるいは、無茶な要求への対価として割り増し報酬を要求するなど、“無茶な要求を無茶な要求と理解してもらった上で、それに見合った条件を飲んでもらう”という筋書きで交渉を行うことが有効な対策になります。

フリーのプログラマーにもある自由の責任

「自由は、本当は怖い」というフレーズをよく聞きますが、フリーのプログラマーにも、これは当てはまるかと思います。

雇われているプログラマーは、“雇われている人として保護される仕組みや責任を軽減される仕組み”があります。

また組織に属することで受けられるメリット、例えば、部門ごとの分業制や同僚などからの支援が期待できます。

しかし、フリーのプログラマーは、どこまでいっても仕事上の物事についてはすべて自己責任です。

自分の仕事上の功績を誰かと分け合ったり・横取りされることもありませんが、自分が犯したミスを誰かが尻拭いしてくれるわけでもありませんから、結果がすべて自分に返ってきます。

その結果として、高い報酬を受け取るのも、野垂れ死ぬのも自己責任です。

さらに気を付けたいのは、フリーになった時点でその人は経営者の仲間入りです。

雇われプログラマーでは意識することすらない、報酬の税務当局(税務署)への申告、反社会的勢力や犯罪組織との取引謝絶などへの対応も必要です。

うっかり法的・社会的倫理の観点で問題のある振る舞いをしてしまい、警察から「お話を聞きたいのですが」と声をかけられる、なんて事態が起きる可能性も十分あるのです。

まとめ:ギブアンドテイクという自由

今回は、フリーのプログラマーの自由について見てきました。

世の中の多くの物事と同様に、フリーのプログラマーの自由にもギブアンドテイクという考え方が当てはまるのです。

フリーのプログラマーになりたい人、なった人は、自由を手にした瞬間から、義務も手にしているということを忘れないようにしていただきたいと思います。

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