領収書を受け取るメリットは?

領収書やその他の経費としていくら使ったか証明できるドキュメント(レシートなど)を保存しておくメリットは、経費の支払いがあったことを証明できる、という点です。

もっと言うと、領収書がないものを、確定申告で経費計上するのは、本来、あってはならないことです。確定申告の際、確定申告書は税務署に提出しますが、領収書は提出を求められません。ですから、本当は支払っていないお金を経費として計上して、確定申告することも可能です。

しかし、経費として計上した支払いを証明するドキュメントは申告者の責任で7年間保存するように法律で決められています。万が一、税務調査などで税務署から提出を求められた際、「ドキュメントがない。経費の支払いを証明できない」という事態になると、嘘の申告を行ったとして、追徴課税を受けるなどのペナルティを課されるかもしれません。

というわけで、領収書はきちんと受け取り、きちんと管理しましょう。

これだけは押さえたい! 経費として認められるものと認められないもの

ところで経費とは、“業務上必要な支出”です。最終的な利益(純利益)は売上-コストですが、このコストがつまるところ経費という訳です。

そして、ここが重要なポイントですが、経費として計上して良い支出について、明確なルールがあります。このルールのことを知らずに「これも経費として認められると思ったのに、税務署にダメだと言われた」という失敗をするフリーランスの方が後を絶ちません。

そこで経費として認められるもの、認められないものについて簡単にですが、確認しておきましょう。

まず、青色申告決算書で経費として勘定項目は約19種類あります。19種類は以下の通りです。

  • 租税公課:税金に関する支払い費用。
  • 荷造運賃:荷物や商品の配送料費用。
  • 水道光熱費:水道光熱費用。
  • 旅費交通費:出張などの交通費用。
  • 通信費:電話やメール、インターネットなどの通信費用。
  • 広告宣伝費:宣伝費用。
  • 接待交際費:取引先などとの接待などの費用。
  • 損害保険料:損害保険の費用。
  • 修繕費:業務で使う器具や設備の修繕費用。
  • 消耗品費:消耗品(10万円未満、もしくは法定耐用年数が1年未満のもの)の購入費用。
  • 減価償却費:消耗品ではない物品の減価償却費用。
  • 福利厚生費:従業員向けの福利厚生費用。
  • 給料賃金:従業員の給与などの費用。
  • 外注工賃:外部の業者へ委託した際の費用。
  • 利子割引料:金融機関などからの借入金に発生する利子。
  • 地代家賃:事務所の土地や建物の費用。
  • 貸倒金:回収できなくなった売り上げや貸付金。
  • 雑費:①~⑰に含まれないもの。
  • 専従者給与:青色申告書特有の勘定科目で青色専従者への給与費用。

▼気を付けるべきポイント1 事業に必要な支出である

気を付けるべきポイントは、いずれも「事業に必要な支出である」という点です。仕事で車を使わないのに、所有する自動車の自動車税を経費として計上したり、プライベートで使うスマホ代金を通信料として経費計上してはいけません。

ただし、自宅兼事務所といった風に、プライベートでも業務でも使っている施設、設備、サービスもあると思います。その場合は、「事業専用割合(業務で利用している割合をパーセンテージで表したもの)」に応じた金額を経費とすることが可能です。

逆にいえば、自宅で仕事をすることのあるリモートワーク・フリーランサーの場合、自宅を事務所として扱うことで、家賃の何割かを経費として計上することも可能になります。この場合、1か月30日24時間として、業務をしていた時間÷720時間で算出した数字を「事業専用割合」とするのが妥当かと思います。光熱費も同じように、「事業専用割合」を算出して、経費とすることができます。

▼気を付けるべきポイント2 福利厚生費を使うことはできない

二つ目の要注意ポイントは、フリーランスの方が自分で福利厚生費を使うことはできない、という点です。息抜きで始めた習い事や、旅行などの費用を福利厚生費とした結果、税務署に「それは福利厚生費になりません」と指摘される方が少なくないです。

福利厚生とは経営者が従業員に対して提供するものです。企業に所属しないフリーランサーは従業員ではなく、経営者です。つまり、福利厚生を提供することがあっても利用することはできません。よって、福利厚生費という勘定科目自体が利用できないのです。

ただし、詭弁と言われるかもしれませんが、福利厚生費から他の勘定科目にシフトさせることで、経費として通すことは(一応)可能です。

例えば、習い事には取引先の方もいて、業務上の付き合いで通っている、ということであれば、接待交際費として“経費で落とす一定の根拠”があると言えます。あるいは、営業活動を目的とした旅行であれば旅費交通費になるでしょう。

このあたりのテクニックが気になる方はプロの税理士に相談されるのが良いかと思います。

経費として認められる正しい領収書の書き方

経費

さて、経費の支払いを証明してくれる領収書ですが、領収書にも記載のルールがあります。結局、「どこの誰がいつ何円支払ったのか?」がわかる必要があるので、次の5項目が必須となります。

  • 領収書の発行日
  • 受取人の名前
  • 金額(前には「\」などの通貨単位、後ろには「-」で閉められていること。また、三桁づつ「,」で区切られていること)
  • 支払い対象(物品ならば購入物品名、サービスならばサービス名など)
  • 領収書を発行した者の氏名と住所(法人の場合は企業名と事務所の所在地)

ちなみに、税抜き価格で5万円以上の取引の場合、原則、収入印紙の添付が必要になります。さらに補足すると、収入印紙とは、印紙税という税金の支払いを証明するものです。収入印紙の添付が義務付けられている領収書に関わらず、収入印紙が添付されていないことが、うっかり税務調査で発覚すると、過怠税(つまりは滞納金)の支払いが発生する恐れもあります。

領収書が発行されない! その対処方法

経費の支払いを証明する手段として、最も代表的な領収書ですが、実はお店側には発行義務がありません。つまり、「領収書発行してください」とお願いした結果、「嫌です」と言われると、それ以上のお願いはできません。

そこで、領収書以外の方法で経費の支払いを証明しても良いことになっています。主に、次の五つです。

  • レシート
  • クレジットカードの利用明細
  • 出金伝票
  • パーティー等の招待状や案内
  • 購入成立を知らせるメール

いずれのものも、「どこの誰がいつ何円支払ったのか?」がわかるという意味で、領収書とほぼ同じ機能のあるものですよね。

少々、話が逸れますが、フリーランサーの方は、仕事用のクレジットカードを持った方が良いと言われることが多いのは、利用明細が領収書の代わりとして使える点も理由の一つです。

経費の支払いを証明する領収書は7年保存する必要があることをご紹介しましたが、何枚、何十枚にもなる紙の領収書を集計して書類入れに保存するよりも、クレジットカード会社のサイトからCSVやPDFなどの形で利用明細をダウンロードして、パソコン上に保存しておく方が管理・保存が楽ですよね。

まとめ:領収書は7年保存!

何度か触れましたが、経費を支払ったことを証明するための領収書や領収書の代わりとなる書類の保存期間は、7年です。

確定申告が終わるとホッとし、誤って破棄したり紛失させてしまう方も多いようですが、税務調査などの際、領収書という証拠がないと、「これって本当に支払ったの?」ということになってしまいます。くれぐれもなくさないようにご注意ください。

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