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IT業界でユーザー系SIerになるメリットは? 実態を徹底調査

2021.04.04

フラン健史郎

働き方

目次

    独立系とは?

    IT業界の方が“独立系”と言えば、それは独立系システムインテグレーター(SIer)を指していると考えて、まず間違いありません。

    そして、独立系システムインテグレーターとはなにかというと、ユーザー系システムインテグレーター、メーカー系システムインテグレーターと異なり、資本的に独立性のあるシステムインテグレーターということになります。

    もう少し、具体的に見ていきましょう。

    ユーザー系システムインテグレーターとは非IT企業の子会社・グループ企業のシステムインテグレーターです。

    有名どころでいえば、三菱UFJ銀行の〈三菱総合研究所〉など、メガバンクの〇〇総研や、総合商社である伊藤忠商事の〈伊藤忠テクノソリューションズ〉、住友商事の〈SCSK〉、大阪ガスの〈オージス総研〉などが挙げられます。

    メーカー系システムインテグレーターは、富士通・NEC・キヤノン・日立など機器メーカーのグループに所属するシステムインテグレーターです。

    〈富士通エフサス〉や〈NECソリューションイノベータ〉、〈キヤノンITソリューションズ〉、〈日立システムズ〉などグループ名を社名に冠していることが多いです。

    そして、独立系システムインテグレーターはユーザー系システムインテグレーターでもメーカー系システムインテグレーターでもない“その他”と言えるかもしれません。

    有名どころとしては、東海道新幹線に乗ったことがある方なら一度は目にしたことがあるではあろう藤原竜也さんの広告で有名な〈Sky〉やERPパッケージ大手の〈オービック〉、カタログ通販サービスの“たのめーる”のCMをよく見る〈大塚商会〉などがあります。

    独立系のエンジニアのメリット①【資本関係上の配慮が要らない】

    ユーザー系やベンダー系のシステムインテグレーターで働くよりも、独立系システムインテグレーターでエンジニアとして働くメリットは、縛るものがない、ということでしょう。

    ベンダー系システムインテグレーターのエンジニアたちがシステム構成を考える際、どうしても“グループ企業から調達すること。グループ企業で調達できないものだけ、ライバル企業以外からなら調達しても可”が前提になりがちです。

    もちろん、グループが持つ圧倒的なリソースが活用できる、という意味では、必ずしもデメリットだけではありませんが、エンジニアのできること・行っていいことに一定の枠組みがあるのは間違いありません。

    親会社やグループ企業の意向で制限を受けるという意味では、ユーザー系システムインテグレーターもベンダー系と同じです。

    筆者自身、ユーザー系システムインテグレーターでプロパー社員として勤務したことがあります。

    その時に実際にあったエピソードをご紹介します。

    ある時、システム更改で親会社からA社とB社の同等パッケージ、どちらを選択するべきか比較するように指示されたので、示された方針に従って比較し「A社のパッケージの方を導入すべし」という報告書を作成し、親会社の担当者に提出しました。

    ところが、親会社とB社の“お付き合い上の理由”で、結局、導入されたのはB社製品でした。

    ここまで極端な例は少ないと思いますが、非IT企業の親会社から、IT以外の観点で口出しされていまい、途方に暮れた経験の一つや二つ、ユーザー系システムインテグレーター勤務のエンジニアなら、みなさんあるのではないでしょうか?

    それに対して、独立系システムインテグレーターは親会社がそもそもないので、ベンダー系やユーザー系の抱える“政治的な問題”を気にする必要がありません。

    サーバーやパソコンといったハードウェアはC社、その上で動くパッケージはD社と言った風に、自由に組み合わせを考えられることが多いと思います。

    独立系のエンジニアのメリット②【昇進・給与に天井がない】

    ベンダー系・ユーザー系システムインテグレーターの位置づけは基本的に“子会社”です。

    社長や役員クラスの半分、ひょっとするとほとんど全員が親会社から降ってきている会社も多いのではないでしょうか?

    ちなみに、私がユーザー系システムインテグレーターにいたときの私の部署の担当役員は、親会社でキャリアを積んできた方で、親会社の役員も兼務しており、切れ者との評判でした。

    ところが、システム開発については素人同然で、そんな方がある大規模案件でレビュアーとして参加してしまったのが運の尽き。

    あらぬ方向に話が進んでいって、一向にレビューが前進せず、担当役員の横に座っていた生え抜き出身の部長が苦虫を嚙み潰したような顔をしていて、説明する側が笑いを堪えるのに必死だった思い出もあります。

    また、特にユーザー系システムインテグレーターで起こりがちなのですが、システムエンジニアは割と年収が高い職種とされていますが、親会社に準じた給与テーブルになっているせいで、世間一般のシステムエンジニア職の年収より年収額が低い、というケースもしばしばあります。

    独立系のエンジニアであれば、親会社から人が降ってくるせいで昇進が難しいということもないですし、親会社と同じかそれ以下になるように給与にリミッターがかかる、ということもまずありません。

    独立系のエンジニアのメリット③【様々な現場を経験できる可能性が高い】

    ユーザー系システムインテグレーターの中には取引先は100%グループ企業という会社も多いです。

    ベンダー系のシステムインテグレーターだと、金融関係の案件はE社、官公庁関連の案件はF社、ただし、ネットワークインフラはG社が担当といった風に分業制になっていることも多いです。

    しかし、独立系システムインテグレーターには、そのような仕事の範囲がなく、様々な現場を経験できる可能性が高いです。

    また、特にユーザー系だとどうしても上流工程が中心になり、エンジニアと言いつつ、実際の作業では手を動かさない、もっというとプログラミングをほとんどしない、という事も多いです。

    しかし、独立系システムインテグレーターであれば、会社の規模などにもよりますが、上流工程から下流工程まで様々なポジションにて参画できる可能性がります。

    どんなエンジニアが向いている or 求められている?

    独立系システムインテグレーターに向いているエンジニアは一言で言えば「チャレンジングなエンジニア」でしょう。

    日本を代表するような企業グループに連なるメーカー系・ユーザー系は、その立ち位置だけでも独立系に大きな優位性を持っているのが現実です。

    更にいえば、ユーザー系は営業活動をしなくても親会社や関連会社から優先的に仕事を割り当ててもらいがちです。

    その前提に立ったとき、独立系がどうやれば、メーカー系やユーザー系から仕事を奪えるかと聞かれたら、答えは単純で「メーカー系やユーザー系に勝さる技術力を付けて、彼らができないことをやってのける」だけです。

    個人的な感覚ですが、所属エンジニアの技術力平均は独立系≧ベンダー系>ユーザー系のように感じています(あくまで平均です。上位10%のエンジニア比較だと、ベンダー系の方が圧倒的に上だと思います)。

    また、ベンダー系やユーザー系と違って、親会社などの意向による制限がないということは、「自由の怖さ」も併せ持っているといもいえます。

    “本当に良いものを選ぶ”というのは口で言うのは簡単ですが、比較対象の特性を理解し、クライアント企業の真のニーズを読み取れなければ、まず無理です。

    ベンダー系・ユーザー系システムインテグレーター勤務のエンジニアにも必要ですが、独立系システムインテグレーター勤務のエンジニアには輪をかけて「向上心」が必要だと思います。

    まとめ:現状と今後の展望をよく見定める

    今回は、独立系システムインテグレーターについて見ていきました。

    なにを持ってシステムインテグレーターと呼ぶか、その定義は難しいところがありますが、ユーザー系やベンダー系のシステムインテグレーターはそうポコポコとあるものではなく、システムインテグレーターの大半は独立系であり、独立系同士の競争も厳しくなっているように思います。

    今後、システムインテグレーターへの就職を目指す方は、その会社の強み弱み、そして現状と今後の展望についてもよく見定めるべきでしょう。

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