「フリーランスエンジニアになると年収アップが目指せます」と謳う人材会社も少なくないですが、実際のところはどうなのでしょうか?

今回は、エンジニアの一人として、そのリアルを見ていきたいと思います。

フリーランスエンジニアの平均年収は?

フリーランスエンジニアの月単価は60万円~80万円が一般的と言われているため、単純に12ヶ月かけた、720万円~960万円が一般的な年収と言えるでしょう。

ただし、この金額はあくまで参考値です。

もっと単価が安い人もいれば、もっと単価が多い人もいます。業界未経験でITスキルも充分とは言えない方だと、50万円も届かないかもしれません。

あるいは、数か月間案件のない期間がある人もいる一方で、複数案件を同時に進めている人もいます。単純に月単価×12か月で計算できるようなものではありません。

しかも、一言でフリーランスエンジニアと言っても、スキルセットは千差万別です。

あるプログラミング言語を学んでプログラマーとして業界デビューした人、百戦錬磨のプロジェクトマネージャーとして活躍している人、あるいはインフラ系エンジニアとして長年、一つの会社で頑張ってきて独立した人、そのほかにも様々な人もいます。当然、それぞれのスキルセットや本人の適正・興味趣向で参加する案件も異なり、ひいては単価も異なります。

このように、フリーランスエンジニアの年収は、多様な要素に左右されるため、世間で紹介されている平均年収はあまり信用できないのが現実です。

人材会社の謳い文句である「フリーランスエンジニアになると年収アップが“目指せます”」というのは、よく考えられた言い回しで、フリーランスエンジニアになった方、全員の年収アップを保証はしていないのです。思っていたより年収アップに繋がらず、再び会社員に戻る選択肢をする方も、実際いらっしゃいます。

年収の高い業界・業種は?

フリーランスエンジニアになれば、高年収になれる訳ではない、ということを理解してもらった上で、どうすれば、高年収を目指せるか、少しヒントをご紹介いたします。

IT業界

それは、“勢いのある”業界や会社で働く方が、フリーランスエンジニアの年収も高くなる可能性がある、という点です。では、フリーランスエンジニアの年収が高くなる業界や業種はどこかというと、ずばりIT業界です。

もちろん、IT業界と言っても色々ありますが、特に自社サービスを展開しているWeb系は高年収が狙いやすいと思います。ただし、小さい会社やスタートアップ過ぎる企業の場合、資金繰りが悪くなって、最悪の場合、納品したのに報酬の振り込みがなく、揉めてしまう、ということも割とあります。

SI業界

一方で、エンタープライズシステムの開発を主とするSI業界は、信用が第一の世界なので、Web系に比べて提示単価は低い傾向があるものの、報酬の支払いを巡って大きく揉めることはあまりないように思います。

非IT業界

非IT業界でも、コンサルタント業界や金融業界、大手製造会社は人工知能エンジニアを中心に高単価な人材を集めている状況があります。

ゲーム業界

そして、ゲーム業界(スマホゲーム含む)も忘れてはいけません。ゲーム自体、一つのシステムですので、開発や保守に多くのエンジニアが必要です。そのため、フリーランスエンジニアのニーズが高く、優秀な方への報酬も高くなっています。

年収を上げるには?

年収を上げるには

結局のところ、どういった契約を行うかで単価が決まります。つまり、契約交渉を優位に進めることができる人ほど高単価になります。

AI開発経験があるなど、「高単価となることが可能なスキルセット」を持っていれば、自動的に高単価で契約できるという訳ではありません。この人は高単価でも契約する価値のある人材である、とクライアント企業が認めて契約を取り交わしてくれることで、初めて高単価なフリーランスエンジニアとなることができるのです。

そうした高単価な契約を勝ち取るには、ITスキルと同じくらい、コミュニケーション能力、もっと言えば交渉術が重要になります。そして、契約という法律業務を進めるにあたって、フリーランスエンジニアの契約には「請負契約」と「委任契約・準委任契約」の二種類があり、それぞれ、どういう義務と責任があるかなど、最低限の法律知識を持っていることも非常に重要です。

もちろん、交渉や法律のプロになる必要はありません。人材エージェントを利用すれば、交渉や契約を人材エージェントが進めてくれるでしょう。ただし、すべて丸投げにして、人材エージェントに言われた通りに契約する人にはなってはいけません。騙されないようにするためにも、やはり最低限は知っておくべきです。

このように言うと、口先がうまいと良い契約を取れるのか?という方が言いますが、もちろん、そんなはずはありません。優れた技術力があることが良い契約の必須条件です。しっかりと技術力を身につけましょう。

稼いでいる人は常駐? ノマド? 働き方

稼いでいる人の働き方を知りたい、というニーズは高いと思いますが、結局、これも契約や職責、クライアント企業の文化など、様々な要素が絡み合うので、一概には言えません。

ただ、比較的、高年収を期待できる「Web系でプログラマー」をされている方は、“どこで働くかは重要ではない”という観点から、割とオフィスに顔を出すのは週何日間だけの、ノマドな働き方をしていることが多いと思います。しかも、このノマドな働き方は、一度に複数の案件に参加することができる点でも年収アップに繋がりやすいです。

ただし、プロジェクトマネージャーやPMOなどのマネジメント系の役割で案件に入った方やインフラエンジニアの場合は、どうしても場所に縛られてしまうので、ノマドになりにくいです。

なお、インフラエンジニアである自分から見えている限りですと、平均単価ベースで言うと、マネジメント系の役割で入った人が一番高単価で、続いてインフラエンジニア、システムエンジニア、プログラマーと低単価になっていくように思います。

もちろん、これは、あくまで私から見た平均単価です。プログラマーでも年収2000万円で、並みのプロジェクトマネージャーよりも高年収という方も実際いらっしゃいます。結局のところ、本人のスキル次第で年収はいくらでも上を目指せるがフリーランスエンジニアなのです。

まとめ:結局、フリーランスエンジニアになれば高収入になるの?

上でも書きましたが、「フリーランスエンジニアになれば高収入を目指せる」のであって、高収入になれると誰も保証していません。

ちなみに、「フリーランスエンジニアになって年収が増える」からと言って「可処分所得(=自由に使えるお金)も増える」かというと、必ずしもそうではありません。正社員のサラリーマンエンジニアは、確かに手取りはフリーランスエンジニアより少ないかもしれませんが、社会保険料(医療保険・介護保険・厚生年金保険など)は会社も負担してくれています。

しかし、フリーランスエンジニアになると、社会保険料の支払いは全額自己負担になります。また、加入義務はありませんが、ビジネスを行う上で入っておくことが推奨される保険(賠償責任保険など)の契約も行った結果、最終的に手元に残るお金は、たいして増えないどころか、むしろサラリーマンエンジニアのときよりも減った、という人すらいます。

もちろん、「フリーランスエンジニアになれば高収入を目指せる」のです。自己負担が増えても、単価を上げて、それ以上に稼げるフリーランスエンジニアになることが可能です。

フリーランスエンジニアになりたい方は、現在の自分のスキルだと、どれくらいの単価になりそうなのか、一度、人材エージェントなどに相談してみても良いかもしれません。

今すぐシェアしよう!
今すぐシェアしよう!