今回は、株式会社Oxxx(以下、Oxxx)でCTOを務める大友 洋平さんのインタビュー記事をお届けします。CTOである一方で、学生時代から現在にいたるまで経営者としても活躍されている大友さん。起業をした当時から今に至るまでのお話や、ITフリーランスの皆様に向けたメッセージなどを伺いました。

インタビュー概要

お話を伺った企業さま

会社名  :株式会社Oxxx

設立   :2021年3月

資本金  :94,964,735円

代表者  :黒瀬 優作

所在地  :福岡県福岡市

ミッション:人々の生活を豊かにする

事業内容 :ECサイト運営代行

      冷凍幼児食mogumo運営・販売

URL   :https://oxxx.co.jp/

お話を伺ったご担当者さま

部署 / 役職:CTO

氏名   :大友 洋平

東北学院大学卒業。在学中に起業し、地元東北から東京都内へ活動拠点を移す。2019年に東京を中心にLA、ハノイを開発拠点とするクリエイティブチームとして株式会社Growth Force(以下、Growth Force)を起業。オンライン診療やパーソナル診断ツールなどエンターテイメント性が高く、業界のトレンドとなるシステム開発と並行して医療機関向けや様々な店舗事業者向けにシステム開発での課題解決支援ツールを開発。2022年1月にOxxx3人目のメンバーとしてエンジニアとして参画。自社ECシステム開発プロジェクトのテックリードを行いつつ、カスタマーマネジメントや、コーポレートIT/情報領域の強化に従事。同年10月からCTO。

キャリアについて

たまたま勧められた1冊の本から始まったエンジニアとしてのキャリア

大学在学中だった19歳の時に起業し、エンジニアとしてのキャリアをスタートさせました。

小学校高学年の頃から奨学金をもらっていたので、大学入学時点で返済額が非常に大きく、普通にバイトや就職をしても「働く意義」や「お金を稼ぐ意義」が見えなくなってしまうと考えていました。そのため、大学生であっても場所や時間を問わずお金を稼ぐことができる仕事をしようと考え、大学入学後すぐに始めたアルバイトで稼いだ4万円を握りしめ、書店へ向かいました。そこで、店員さんに「大学の授業中やちょっとした合間など、時間と場所を選ばずお金が稼げる資格の本がほしい」と伝えたところ勧められたのがPHPの入門書でした。今思えばHTMLやCSSの本ではなく、いきなりPHPの本を勧めてきたあの店員さんはいったい何者だったのか、気になりますね。(笑)

あの時店員さんに渡されていた本がPhotoshopの本だったらデザイナーになっていたでしょうし、別の本だったら別のキャリアを歩んでいたと思います。

何もわからないからこそ、とにかくやるしかなかった起業初期段階

当時から人とのつながりは多い方だったので、PHPの本を手にした翌日から先輩などに声をかけ、さっそくPHPエンジニアとして仕事の受注をはじめました。PCの操作すら慣れていない状態ではありましたが、受注したからには絶対に納期を守らなければならないと、本を片手にひたすらコーディングしていました。仕事自体は順調だったのですが、仕事をしてお金を稼ぐだけが経営者の役割では有りません。当時は確定申告というものすら知らず、3月になって焦りだすという経験もしました。急いで税理士さんに声をかけ、税理士さんのHPを作る代わりに確定申告について教えてもらうなど、とにかく仕事をしながらつながりを増やし、仕事をしながら知識とスキルを身に着けていったという起業初期段階でした。

会社が軌道に乗り上京。再びゼロからのスタート

大学が東北にあったことから、当初は東北を拠点として仕事をしていましたが、以下の理由から拠点を東京に移すことにしました。

  • 大学3年生になり、卒業が間近になってきた。
  • 会社が軌道に乗り始め、メンバー数も増えてきた。

上京したての頃はエンジニアと企業をつなぐようなサービスが今ほど多くなく、これまで同様つながりから仕事を受注するしかありませんでした。しかし、東京でのつながりは皆無だったので、つながりを増やし、仕事を受注するためにとにかく足を動かしまくっていました。

奨学金をもらっていた会社の社長

以前から奨学金をいただいていた会社の社長に会うため、「お礼がしたい」とほぼ毎日アポ無しで訪問していました。もちろん門前払いされることも多かったのですが、そういう場合には手紙を残すなどし、なんとかして会っていただこうとしていました。結果、お会いすることができ、多くの代理店をご紹介いただくことができました。

タレント事務所の運転手アルバイト

タレントとつながることができれば、多くの方を紹介してもらい、仕事の受注につながるのではないかと考え、タレント事務所の運転手アルバイトをやっていた時期もありました。もちろん、そのアルバイトをしながら、空き時間や待機時間をすべて仕事に費やしていました。

Oxxxに入社したきっかけ

Growth ForceがOxxxの開発案件を受注したことがきっかけです。Oxxx代表の黒瀬と話しているうちに、お互いに歳が近かったり、私自身も子供が3人いるということもあり、mogmoの事業内容や彼自身に大変共感しました。私個人として「もっとmogmoに力を注ぎたい」と考えるようになり、「お金はいらないので、もっとやらせてください。」と黒瀬にオファーを出しました。すると黒瀬の方から「では、この案件が終わった後にOxxxにジョインするのはどうですか?」と逆にオファーを頂き、入社することとなりました。

今後について

データ領域を伸ばし、キャッチボールの質やスピードを高めていく

データ領域のスキルを伸ばしていきたいです。もともと好きな領域ですし、いまトレンドであるAIにも関わってくる領域であるためです。mogmoでも顧客データはかなり細かく取るようにしており、アップデートのために大切に使わせていただいています。例として、mogmo内のお客様が使う導線は、お客様アンケートでいただいた内容をもとに開発をしています。これからは、さらにお客様の声や行動を細かく取れるようにしていき、お客様とのキャッチボールの質やスピードを高めていきたいと思っています。そうすることにより、mogmoだけでなくOxxxとしてもレベルアップしていけると考えています。

時間あたりの単価を上げていく

起業した時から、「自分の人生は50歳まで」と考えるようにしています。期限を設けることにより、1日24時間という限られた時間をどのように過ごすか考え続けるためです。私は現在32歳で、50歳になるまでの時間は限られています。そのような中で、自分の時間あたりの単価をどのように・どれくらい上げていくかということは常に考えていますし、永遠の課題であると考えています。時間あたりの単価を上げる方法は「言語を学ぶ」や「実績を積む」ということだけでなく、あらゆる視点を持ち、自分の可能性を広げ続けたいと考えています。

プロフィールサイトやコーポレートサイトを公開しない理由

上京後のアグレッシブな行動も起因し、いまでは多くのつながりが生まれ、たくさんの仕事をご紹介いただけるまでになりました。実際に、これまで私がしてきた仕事はすべてつながりによる紹介のみです。実は、私の会社であるGrowth Forceや私自身のことを検索してもほとんど情報が出てきません。というのも、コーポレートサイトやプロフィールサイトを公開していないからです。つながりからたくさんの紹介をいただけているので、公な窓口は設けず仕事を受注しています。これからも、ご縁を大切にしながら仕事をしていければと考えています。

考え方・マインドについて

大切にしている考え

一度諦めることで物事を俯瞰視する

何かに詰まったときは一度諦め、物事を俯瞰視してから動くようにしています。

先程述べたとおり、私達が持っている時間は1日あたり24時間しかありません。私はそれを覆すために、一度その事実を受け入れ、諦めました。そうすることにより「LAに拠点を作れば24時間クライアントとやり取りすることができる」「もう一人雇えば1日の時間が48時間になる」ということに気づくことができました。一度諦めると固定概念などが取り払われ、物事を俯瞰視できるようになります。その上でアクティブに動いてみると、解決できることもあります。もちろん諦めて終わりではなく、その後の行動がとても大事になりますが、一度諦めてみるということは大切にしています。

ドキュメンタリー番組のようなコミュニケーション

コミュニケーションを取る際に気をつけているのは「第三者視点を交えて会話すること」です。メンバーと会話する際も、自分の視点だけでなくお客様や他の人の視点を持って会話するようにしています。例として、「あなたの主張はわかるし、僕個人としても共感できる。ただ、お客様がこのように言ってるのだから、まずはそのようにやってみよう」などです。理由として、昨今は1対1のコミュニケーションにストレスを感じる人が多いためです。例えば、「実際の恋愛をしているときのドキドキ」は辛く苦しい一方で、「恋愛ドキュメンタリーを見ているときのドキドキ」は高揚に近い感情であるイメージです。なので、私はこのように第三者視点を交えることにより、ドキュメンタリー番組のようなコミュニケーションを取るように意識していますし、この方がうまくコミュニケーションが取れると感じています。

自分の可能性を決めきってはいけない

Growth Forceでは、年に4名ほどエンジニアやデザイナーを希望する未経験の方を正社員雇用し、教育・育成・フォローアップした上で、クライアントの案件に参画してもらう、という取り組みをしています。そこで感じることとして、短期間で成長する人は、自分がやりたいと決めたことに対して無我夢中で取り組み、可能性の限界なんて考えていない人である、ということです。なので、私はメンバーに対してよく「あなたはもっと稼げるし、あなたの時給単価は本来これくらいであるべきだよ。でも、それに満たないのは、あなたが自分で時給単価の限界を決めつけてしまっているからだよ。」と伝えています。そういうこともあり、私は自分のもとで育ったメンバーたちに独立することを必ず勧めています。自分の可能性を決めず、時間あたりの単価を上げるために行動し続けることは、とても大切なことだと思います。

CTOではない人がCTOの視点・視野・視座を持つには

技術的な部分は実務経験や努力次第でCTOのレベルを超えることも可能だと思います。一方で、視点・視野・視座に関しては、持ってみるきっかけや意識がないと難しいと思います。mogmoの顧客データ活用に置き換えると、メンバーレベルの視点・視野・視座では「mogmoのアップデートのために顧客データを活用」となりますが、CTOや経営者の視点・視野・視座では、それだけにとどまらず「これから先生み出すプロダクト/サービスへの転用」や「当社と同じターゲット層へのノウハウ提供を通した社会貢献」など、様々な活用方法が見えるようになってきます。ですので、まずは自分が携わっているプロダクト/サービスを好きになり、様々な観点で見てみることが大事だと思います。

ITフリーランスに向けたメッセージ

「基本的に、AIに負けることは無い」ということをお伝えしたいです。理由としては、「AIは僕ら人間が生み出したものだから」です。AIはWebなど様々なところから学習し、進化しています。逆に言えば、AIがまだ学習していない領域をノウハウやスキルとして手に入れ続けることができれば、AIに負けることはありません。例として、私は遊びの一貫で独自のプログラミング言語を作ることがありますが、AIはそれを学習していないため、その言語に関して私はAIに負けることはありません。ですので、これから新しい道を歩み出そうとしている人たちは、歩みを止めずに走り続けてほしいと思います。それがクライアントの評価に繋がりますし、キャリアや自身の時間単価を上げることにもつながると考えます。

Oxxxで働きたい方へ

mogmoについて

mogmoを始めたきっかけ

[Oxxx代表:黒瀬さん(以下、黒瀬さん)]

自身の娘を育てる中で感じた悩みがきっかけです。Oxxxを創業した時、娘はちょうど1歳半くらいで、離乳食から幼児食に切り替わるタイミングでした。そのときに「共働き家庭における、親と子どもの食事を作り分けることの大変さ」に気づき、「なぜ離乳食は流通数が多く、ドラッグストアでも購入できるのに、幼児食は流通数が少なく、作るという選択肢しかないのだろう。」と感じました。また、ちょうどその頃から子どもの自己主張も強くなってくるため、「せっかく作ったのに食べてくれない。」なんてこともあり、妻とともに悩みを抱えていました。このような悩みは私達だけのものではなく、多くのパパやママに共感いただけることかと思います。つまり、これは社会課題であり、それを解決するために生まれたのがmogmoです。

mogmoの今後について

[大友さん]

保育園や幼稚園など、単なる「冷凍食品を販売するD2Cの会社」というだけでは参入が難しい領域への展開を進めることにより、いまより多くの子どもたちの成長を支援したいと考えています。

[黒瀬さん]

CTO列伝ということで、テクニカルな観点で回答させていただきます。

mogmoは決済者(親)と消費者(子)が異なるサービスであり、そこが一般的なD2Cモデルとの違いであると考えています。一般的なD2Cモデル同様、決済者(親)の情報は集まりやすい一方で、実際に商品を口にする消費者(子)の情報を集めるのは非常に大変です。社会全体で見ても、子どもに関するデータというのはインフラ化されていないため、mogmoがそのパイオニアとなるべくデータを集めていきたいと考えています。そうすることにより、mogmoではアレルギー情報などをもとにパーソナライズした商品の提案ができるようになりますし、社会全体としても「子どもに関するデータのインフラ化」が進むことにより、子どもたちにとってよりよい世界が作られていくと考えています。現在は、それを実現するべくデータの収集方法などについて議論や実装を進めている段階です。

Oxxxで働くメリット

[黒瀬さん]

スタートアップなので、心の底から成長したいという方にはとても良い環境なのかなと考えています。良くも悪くも決められている仕事は無い一方で、やらなければならないことは山ほどあります。mogmoは3〜5年でEXITを狙っている事業なのですが、その期間を共にした方はとてつもない成長ができると思います。また、メンバーの8割が子育て真っ最中のメンバーなので、消費者の顔が見えやすく、子どものためにより良くしたいという想いを持って働いているメンバーが多い環境です。

Oxxxの募集ページ

取材を終えて

目的のために行動・思考を辞めないハングリー精神をお持ちな一方で、つながりをとても大切にされるハートフルな一面もお持ちな方でいらっしゃると感じました。特に、「自分の可能性を決めきってはいけない」というお話は大変印象に残っており、大友さんご自身もそのような思考をお持ちだからこそビジネスパーソンとして成長されたのだろうと感じます。大友さんの下で働きたいという方や、資金調達直後の圧倒的成長環境で子どもたちのために働きたいと感じた方は、ぜひOxxxの募集に応募してみてはいかがでしょうか。

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