「これからプログラミング言語を習得したい」「2つ目、3つ目の言語を学びたいが、どれがおすすめなのかわからない」と考えるエンジニアの方は多いでしょう。世の中には大小合わせて200以上のプログラミング言語があるとされていますから、その中から自分のキャリアにあったものを選ぶのは困難です。

そこで参考になるのが、Githubで公開されている各言語のプルリクエストの比率です。つまりGithub上でどれだけ使われているかを参照することで、これから自分が学ぶプログラミング言語選びの参考になるのです。

ここで紹介するのは、2018年は第10位、2019年には第11位に順位を下げた「C」の解説です。

Cとは?

C言語は、高速かつコンパクトなプログラムを実装できるという特徴を持ったプログラミング言語の1つです。その発祥は1972年のAT&T研究所でのこと。ブライアン・カーニハンとデニス・リッチーという2人の人物によって開発されました。

彼らの本職は、コンピュータの土台的存在であるオペレーティングシステム(OS)「UNIX」の開発でした。時代を経てコンピュータが個人にも普及するにともなって、使い勝手の良さが魅力のC言語は圧倒的なシェアを誇るようになります。

今でもC言語はコンピュータを扱う上での標準言語として使われる側面が強く、教育の現場でもC言語を指導するところが珍しくありません。

他の言語と比べるとC言語は習得までの難易度が高く、マスターするまでに大きな時間と労力を必要とします。ただしC#やC++、Objective-C、Go言語といったC言語から派生したプログラミング言語は多く、プログラミングの基礎を学ぶためにはC言語が最適と言われることも多くなっています。

C言語はプログラムの実行スピードの速さに定評がある言語です。プログラムを実行する場合、通常は書かれたソースコードを機械が読み取れるよう、機械語に翻訳する必要がありました。

しかしC言語ではすべてのソースコードを翻訳してから実行する「コンパイル」方式を使っているため、処理スピードが非常に早いという特徴を持っているのです。

プログラムの実行スピードは、あらゆる現場で重視されます。コンピュータ上で動くソフトウェアやゲーム、Webアプリ以外にも、私たちが普段使っている家電・自動車といった電子機器でもC言語は活躍しています。

昨年の順位と比較して考察

2018年1QのGithubプルリクエストを参照すると、C言語のプルリクエスト比率は3.541%で全体の10位に位置していました。2019年1Qにはどうなったかというと、3.560%と若干比率は高まったものの、順位は11位に低下。その代わりに、TypeScriptやGo、C++といった言語の人気が高まっています。

新しい言語の台頭により、C言語の人気は下降トレンドにあります。今ではあえて難易度の高いC言語を学ぼうとするよりも、ランキング上位に位置するRubyやPHP、Javaといった言語を使おうとするエンジニアが多いと考えられます。

ただしC言語の人気が低くなったからといって、その重要性が低下しているというわけではありません。Googleでは車内標準言語に指定されているのがC言語ですし、国内外の大手IT企業でも使われるメジャーな言語の1つです。

国内で言えば、家電メーカーでC言語が多く使われる傾向にあります。C言語を用いた開発はGithubを使用するシーンが少ないことから、ランキングでは低めにランクしてしまうことが多くなります。ですが世の中を見渡してみれば、非常に多くの現場で用いられていることがわかるでしょう。

家電

Cは転職に強いのか

これからC言語を学ぼうと考えている人の場合、「C言語は転職に強いのか」という点が気になることも多いでしょう。歴史のある古い言語のため、今ではあまり需要がないのではないかと考える人もいるかもしれません。

結論としては、C言語はまだまだ転職に強い言語です。今でもC言語をメインに開発を行っている企業は多く、C言語を扱えるエンジニアの需要も高い水準にあります。イメージとは裏腹に、社内で重宝される存在として迎えてもらえる可能性があるのです。

需要が多く貴重な存在とみなされているということは、当然待遇面でも好条件が期待できます。求人検索エンジン「スタンバイ」を運営する株式会社ビズリーチのレポート「プログラミング言語別年収ランキング2018」によれば、C言語の年収は525万円が中央値になっています。最大提示年収額は1000万円。求人数も9000件以上と圧倒的に多くなっています。こちらでもC言語は全言語のうち10位にランクインしています。

シェアランキングでも年収ランキングでも、ベスト3やトップ5に入るほどの熱烈な人気はありませんが、上位10つの言語に確実にランクインしていることからも、根強い人気があることがわかると思います。

C言語を習得していて、かつ要件定義・基本設計といった上流工程も担当できるエンジニアは、中でも非常に重宝されます。年収額も大幅アップを提示されることが多く、スキルレベルによっては年収1000万円を目指すことも難しくありません。

ほかの言語と比べて求人数が非常に多いことも特徴ですので、転職しやすさを第一に考えるならC言語はおすすめの選択肢となります。確かに習得までの難易度は高いですが、一度身につけてしまえば一生モノのスキルとして活躍できる可能性が高まっていきます。

なお、最近ではC言語の後継として「Go」言語に注目が集まっていたりもします。Go言語はGoogleが開発したコンパイル言語で、「C言語に取って代わる存在になるのでは?」とささやかれることも多くなってきました。

しかしGo言語はWebサービスの開発を中心に使われる言語ですので、OSやハードウェアの制御分野で活躍するC言語とは住み分けがされていると言えます。したがって今後も根強い人気は続き、求人数が多いトレンドも変わることは考えにくいでしょう。

ちなみにGo言語は、Githubのプルリクエスト比率で4.186%を獲得し、第8位にランクしています。気になる方はGo言語についてもチェックしてみるとよいでしょう。

活躍できる業種と年収

C言語を習得していれば、IT業界のあらゆる企業で活躍できるチャンスを手にできます。IT業界には、Web業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界などのいくつかの業界が存在しますが、C言語はいずれの業界でも通用するスキルなのです。

たとえばWeb業界に関して言えば、WebメディアやECサイトを運営している会社が多くなるため、C言語を使って自社サイトの設計・開発を手がけるシーンが多くなります。ただし最近ではC言語よりもRubyやPythonといった言語を採用するところも増えているので、C言語を使ってWebサイトの構築を行う例は少なくなってきました。

ソフトウェア業界では、プログラマーやシステムエンジニアとして、C言語を使ったアプリ開発に携わるケースが出てきます。特にコンピュータ向けのソフトウェアに強いC言語ですが、Objective-Cなどと合わせて習得することでスマホアプリにもスキルを活かすことができます。

ハードウェア業界でも、C言語は大いに活躍します。日本にはものづくり企業が多く、家電や電子機器を扱う会社も少なくありません。そうした製品の製造現場では、ハードウェアを制御するシステムの開発にC言語が使用されることが多く、特に需要の多い業界となるのです。

まとめ

C言語は長い歴史を持つプログラミング言語の1つですが、決して処理速度が遅かったり扱いにくかったりするものではありません。ベスト3やトップ5の人気はありませんが、根強い支持によって今でもさまざまな現場で活躍する言語です。

IT業界でも、特にハードウェアに携わる仕事で大いに活躍しますので、今後のキャリア選びの参考にしてみてくださいね。

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