世の中には200以上のプログラミング言語が存在すると言われています。中にはC言語のように1970年代から使われ続けているプログラミング言語もあれば、2014年に誕生したSwiftのように非常に若いプログラミング言語も存在します。

その中から自分に合ったもの、スキルアップに役立つものを選ぶことは簡単なことではありません。あるサイトで「このプログラミング言語を学ぶべき!」とされている言語であっても、自分が働く業界やこれまでの経歴によって、おすすめのプログラミング言語は異なってくるのです。

そこで参考になるのが、Githubで公開されている「プルリクエスト比率」の統計データです。これはGithub内でどの言語がどのくらい使われているかを示す指標で、第1位はJavaScript、第2位はPythonと、人気のあるプログラミング言語が並びます。

このランキングで上位に食い込むということは、それだけIT業界で使われる頻度が高いと考えることができます。今回紹介するのは、このランキングで第7位に位置する「Shell」と呼ばれる言語です。

Shellとは

Shellはアプリやソフトウェアを開発するためのプログラミング言語ではなく、「スクリプト言語」と呼ばれるオペレーティングシステム(OS)を動かすための言語に分類されます。業界では「シェルスクリプト」とも呼ばれています。Shellを用いることでOSに指令を出すことができ、パソコンを扱う際には欠かせない存在となります。

具体的には、Windowsではコマンドプロンプト、Macならターミナル上でShellを記述することにより、OSに指令を出すことが可能になります。OSに出す指令の内容としては、ファイルの移動やディレクトリの行き来、あるいはインストールされたプログラムの起動・削除などさまざま。

大規模なシステムを開発するシーンで活躍するプログラミング言語というよりは、私たちの暮らしの中で日常的に活躍してくれる言語と言えるでしょう。今ではShellを扱えなくともパソコンを動かすことは可能になっていますが、Shellの知識があることでより柔軟にOSを操ることができるようになります。

ほかにも、普段から行っている処理を自動化して、手作業の負担を軽減するのもShellが得意とする分野です。条件分岐やループ処理を記述することができるため、「Aの場合はBを」「Aが終了するまで繰り返す」といった指令により、作業時間を短縮し、生産性を向上させることが可能になります。

このような自動化プロセスを活かすことで、金融系の業務アプリケーションから官公庁向けのインフラシステム開発、Webアプリケーション開発まで、さまざまな分野でShellが活躍しています。

昨年の順位と比較して考察

そんなShellのGithubプルリクエスト比率は、2018年第一四半期で第5位にランクイン。全体の7.114%を占め、トップ5に名を連ねる人気プログラミング言語となっています。前期からは2.146%アップしており、急激にその人気が高まっていることがよくわかります。

ちなみに第4位には、定番のプログラミング言語と言えるC#がランクしており、プルリクエスト比率は7.195%と肉薄していることもわかります。Webアプリケーション開発や、OSへの指令を出したいときに使われる言語ですので、ここまで人気が高まっていることも納得ですね。

しかし2019年第一四半期になると、Shellはその順位を第7位にまで落としてしまいます。プルリクエスト比率は4.281%にまで落ち込み、4割ほどシャアを失っていることがわかります。2018年は第4位だったC#も、2019年になると4.130%のシェア率で第9位。

この2つの言語が大きく落ち込んだ反面、第4位のC++、第5位のPHP、第6位のRubyなどが順位を上げています。TOP3を占めるのはJavaScript、Python、Javaで変わりありませんが、それ以下の順位で大きく変動があったのが2019年第一四半期のデータでした。

ここまでシェアを落としてしまったのは、Shell自体に魅力がなくなったというわけではなく、PHPやRubyといった言語が人気を集め、相対的に順位が下がってしまったという理由が考えられます。

したがって、順位は低くとも重要性が高いことには変わりなく、今後もShellに関する知識や開発経験は強く求められる時代が続くでしょう。

Shellは転職に強いのか

転職

転職を成功させ、高い年収を得るためにShellを学ぼうとするのは、あまりおすすめできることではありません。というのも、Shellを扱えるエンジニアを求める企業は少なく、求人数もあまり多くないという背景があるからです。

Shellを専門に開発を行える人材というのは多くありませんので、突き詰めてスキルを高めることで企業に求められる人物になれる可能性はあります。ですが広くさまざまな企業から声が掛かるエンジニアになりたいなら、UNIXコマンドやAWK、Rubyといったプログラミング言語も併せて習得しておくことがおすすめです。

Windowsサーバーも扱うとなれば、PowerShell、WSHの知識も必要となり、かなりの情報量をマスターしなければならなくなります。単にShellを扱えるだけでなく、幅広い業務を手がけられるエンジニアであることをアピールすることが、Shellエンジニアとして活躍するポイントです。

ちなみに、Shellを売りにして転職しようと考えた場合、多くの企業ではインフラエンジニアとして入社することになります。インフラエンジニアになりたいと考えるなら、いわゆる「LAMP環境」をマスターしておく必要があります。

LAMP環境とは、Linux、Apache、Mysql、PHPの頭文字をとったもの。ShellはLinuxに属しますので、ウェブサーバーのApache、データベースのMysql、そしてプログラミング言語のPHPと、それぞれを追加で習得しておくとよいでしょう。

これらすべてを習得することは簡単なことではありませんが、その分だけインフラエンジニア不足が深刻になっています。Shellを起点としてインフラエンジニアを目指して学習を重ねれば、高待遇で働けることも多くなることでしょう。

活躍できる業種と年収

IT業界には、Web系、ソフトウェア系、ハードウェア系などさまざまな業界がありますが、Shellを使ったインフラエンジニアが活躍しやすいのはWeb系の業界です。自社で構築するプラットフォームの設計・開発に携わる例が多くなります。

実際のShellに関する求人を見てみると、自社開発案件に携わるものが中心となります。客先に常駐して働いたり、他社の委託開発に従事したりするケースは少なく、比較的安心して働ける職場があると考えられます。

Shellを扱うインフラエンジニアの年収は、500万〜800万円ほど。業界では平均的な水準ではありますが、スキルレベルや経験年数によって1000万円を目指すことも可能な言語となっています。

まとめ:インフラエンジニアとしての道も拓ける

シェルスクリプトとも呼ばれるShellは、OSに指令を出すための重要な言語の1つです。Githubでのシェア率は低下しているものの、その魅力や重要度が下がることはなく、これからも使われ続けることでしょう。

Shellを習得すればインフラエンジニアとしての道も拓けてきますので、今後のキャリアパスの参考としてくださいね。

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