Pythonは、データ分析の分野で広く利用されているプログラミング言語です。データ分析とは、単なる数値やデータの羅列から、有益な洞察や意思決定に活かせる情報を引き出す手法のことを指します。

この記事では、Pythonを活用したデータ分析の具体的なステップから、スキルを証明するための資格までをわかりやすく解説します。ビジネスや研究などさまざまな分野で必要性が高まっているデータ分析のスキルを、Pythonを通じて効率的に身につけましょう。

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データ分析にPythonが選ばれる理由

データ分析にPythonが選ばれる理由

スプレッドシートやTableauなど、データ分析に使えるツールは数多く存在します。それでは、なぜPythonがデータ分析の現場で広く選ばれているのでしょうか。主に、以下の3つの理由が挙げられます。

  • 豊富なライブラリ
  • 汎用性の高さ
  • コミュニティの活発さ

豊富なライブラリが存在する

Pythonには、データ分析に特化した「NumPy」「Pandas」「Matplotlib」「Scikit-learn」といったライブラリが充実しています。これらのライブラリを活用することで、大量データの効率的かつ高速な処理や、統計分析、可視化、機械学習モデルの構築などが容易に行えます。

汎用性が高い

Pythonはデータ分析だけでなく、Webアプリケーション開発や業務の自動化、機械学習など幅広い分野で活用できます。そのため、習得したスキルをさまざまな場面に応用することができます。

学習コミュニティが活発である

Pythonは世界中で多くのエンジニアや研究者に使われており、オンライン上には豊富な学習教材やサンプルコード、チュートリアルが揃っています。また、ユーザーコミュニティも活発で、エラーや疑問が生じた際も、フォーラムやSNSを通じて迅速に解決策を見つけやすい点が強みです。

データ分析に必須のPythonライブラリ

データ分析に必須のPythonライブラリ

Pythonがデータ分析で広く使われる理由は、強力なライブラリ群にあります。以下のライブラリを使いこなすことが、効率的なデータ分析の第一歩となるでしょう。

  • Pandas: データ操作の中心的なライブラリです。CSVやExcelなどの表形式データを扱うためのDataFrameという便利なデータ構造を提供します。データの読み込み、整形、集計など、前処理のほとんどをPandasで行います。
  • NumPy: 高速な数値計算を可能にするライブラリで、Pandasの内部でも活用されています。大量のデータを効率的に扱うための多次元配列(ndarray)を提供します。
  • Matplotlib / Seaborn: データの可視化に欠かせません。Matplotlibはグラフ描画の基礎的な機能を提供し、Seabornはより美しい統計グラフを簡単に作成できます。複雑なデータの傾向やパターンを視覚的に把握するのに役立ちます。
  • Scikit-learn: 機械学習のライブラリです。分類、回帰、クラスタリングなどのアルゴリズムが豊富に用意されており、データから予測モデルを構築する際に使われます。

Pythonデータ分析の実践ステップ

Pythonデータ分析の実践ステップ

Pythonを使ったデータ分析の具体的なステップを順に解説していきます。大きく分けて以下の4つのステップで行われます。

データの収集と前処理

最初のステップは、分析に必要なデータを集め、使える形に整えることです。データは、CSVやExcelファイル、データベース、Webサイトなど、さまざまな場所から取得できます。

まずは分析対象となるデータを集めます。Pandasの read_csv() や read_excel() といった関数を使えば、ローカルに保存されたCSVやExcelファイルから簡単にデータを読み込むことが可能です。場合によっては、APIを通じてWebサイトや外部サービスからデータを取得することもあります。

読み込んだデータには、欠損値、誤った形式、重複データなどが含まれることがあります。こうした問題に対処するため、Pandasを活用してデータを整理・整形します。具体例としては、dropna() で欠損値を持つ行を削除したり、fillna() で特定の値を埋めたり、データ型を適切に変換したりする方法があります。このステップは、分析結果の精度や信頼性を大きく左右するため、非常に重要です。

探索的データ分析と可視化

データがきれいになったら、次にそのデータの全体像を把握します。この段階では仮説を立てる前に、データにどのような特徴やパターンがあるかを発見することに焦点を当てます。

Pandasの describe() メソッドを使うことで、データの平均値、中央値、標準偏差などの基本統計量を簡単に確認できます。これにより、データの分布や外れ値の有無を大まかに把握することができます。

次に、 MatplotlibやSeabornといったライブラリを用いて、ヒストグラムや散布図などのグラフを作成します。ヒストグラムでデータの分布を確認したり、散布図で2つの変数間の関係性を視覚化したりすることで、データの傾向や相関関係を直感的に理解できます。このステップを通じて、分析の方向性や新たな洞察を見つけることができます。

モデリングと分析

データの理解が深まったら、次は分析の目的に応じてモデルを構築します。

まず、機械学習モデルの構築です。予測や分類を行う場合には、Scikit-learnライブラリが非常に役立ちます。例えば、線形回帰を用いて将来の売上を予測したり、ロジスティック回帰によって顧客が商品を購入するかどうかを判定したりできます。データは訓練用とテスト用に分割し、モデルを学習させたうえで、その性能を評価することが重要です。

一方、統計的分析ではデータ間の因果関係を調べたり、仮説を検証したりします。SciPyなどのライブラリを活用すれば、A/Bテストの有意差検定なども容易に実施できます。

結果の解釈と共有

最後のステップは、分析で得られた結果を解釈し、他者と共有することです。どんなに優れた分析も、その成果を正しく伝えられなければ価値は半減してしまいます。

まずは洞察の抽出です。分析結果が示す意味を明確にし、ビジネス上の問いに答えます。たとえば「広告費が売上に与える影響の大きさ」や「解約しやすい顧客層の特徴」といった具体的な示唆を導き出します。

次に、レポート作成とプレゼンテーションです。Jupyter Notebookを用いてコード・グラフ・テキストを組み合わせたレポートを作成したり、スライドにまとめて視覚的に説明したりすることで、非エンジニアや経営層にも理解しやすく共有できます。

Pythonデータ分析に関連する代表的な資格

Pythonデータ分析に関連する代表的な資格

Pythonを活用したデータ分析スキルを証明できる資格はいくつか存在します。ここでは代表的なものを3つ紹介します。

Python 3 エンジニア認定データ分析試験

Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonの基本的な知識に加えて、Pythonを用いたデータ分析スキルを問う資格試験です。試験問題の約7割は、データ分析で頻繁に利用されるNumPy、pandas、Matplotlib、scikit-learnの4つのライブラリに関する内容で構成されています。これらのライブラリを重点的に学習することが、合格への最短ルートといえます。

また、Pythonの基本文法に関する出題や、データ分析・機械学習の背景理論を理解するために必要な高校レベルの数学(統計・確率・線形代数など)も問われます。プログラミングと数学の両面から基礎を固めることが重要です。
「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書第二版」が認定テキストとなっています。

参考:OdysseyCBT【Python3 エンジニア認定データ分析試験】

Python3エンジニア認定データ分析実践試験

Python3エンジニア認定データ分析実践試験は、Python3エンジニア認定データ分析試験の上位資格にあたります。基礎知識を問うデータ分析試験に対し、実践試験ではより実務に近い形でデータ分析スキルを測ることが特徴です。

対象となるレベルは、実際にデータ分析を業務として行うエンジニア層であり、単なる座学ではなく、日常的にPythonを使ってデータを加工・処理している経験があることが望まれます。

出題範囲では、特にpandasライブラリを用いてデータを分析しやすい形に整える実践的なテクニックが多く問われます。
Pythonデータ分析 実践ハンドブック 実務で使えるデータ加工のテクニック」「が認定テキストとなっています。

参考:OdysseyCBT【Python3エンジニア認定データ分析実践試験】

統計検定

統計検定は、データ分析の基礎となる「統計学」の知識を客観的に証明できる資格試験です。4級から1級までの段階があり、級が上がるほど専門性と難易度が増していきます。

入門編にあたる4級は中学数学レベルで統計に初めて触れる人向け、3級は高校レベルの基礎知識を体系的に学ぶ内容です。2級になると大学基礎レベルの知識が求められます。さらに、準1級では2級を前提にした応用的な統計学を扱い、1級は大学専門〜大学院レベルの理論理解を必要とする最難関試験です。

特に統計検定2級以上は、データ分析の実務に直結する水準とされており、データサイエンティストやアナリストを目指す人にとって大きな武器となります。

参考:統計検定:Japan Statistical Society Certificate

まとめ

Pythonデータ分析まとめ

Pythonは、豊富なライブラリと活発なコミュニティに支えられ、データ分析の強力なツールとなっています。基本的なライブラリの使い方をマスターし、実践的なステップを繰り返し経験することで、データ分析のスキルは着実に向上します。さらに、関連資格の取得やフリーランス案件への挑戦は、キャリアアップの大きな一歩となるでしょう。

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