「Design your wellness 〜一人ひとりが、自分らしい豊かな生活を描ける世界に〜」をミッションに、楽しく健康的な生活を実現するヘルスケアプラットフォームを運営するFiNC Technologiesさん。

今回は創業から携わっており1人目のエンジニアであるCTO篠塚さんにお話をお伺いしました。

エンジニアリングとの出会いから、創業期のエピソード、理想的なチーム像など、エンジニアの方はもちろん、スタートアップに関わる方にも必見の内容となっております。

きっかけは、何もできない悔しさ。危機感で本気になったプログラミング

ーエンジニアリングとの出会いはどのようなものだったのでしょうか?

エンジニアリングとの出会いは大学の授業でした。全く得意ではなく、友だちに教えてもらいながらなんとかこなす感じで。一般的なエンジニアと比べると、エンジニアリングとの出会いはかなり遅い方だと思います。

ーエンジニアを志したきっかけはあったのでしょうか?

大学3年の頃にチームで開発を行うプロジェクトがあったのですが、そこで何も貢献できなかった悔しさをきっかけに、エンジニアインターンに参加しました。これがエンジニアリングにハマったきっかけです。

採用というよりも育成プログラムのような形で、前半2週間で基礎を勉強、後半2週間でプロダクトを作りました。

そこでの成果物として、Twitterのフォローやメンションから、関係性を可視化するアプリを作りました。猛烈に勉強しましたし、このときに“ハマった”感覚がありました。

現CEO南野に誘われて本格的にエンジニアリングの世界へ

ーインターン後もエンジニアリングは続けていたのでしょうか?

インターン終了後は、現CEOの南野に誘われる形で共同で会社を立ち上げて、そこでエンジニアとしての第一歩を踏み出しました。その頃は、寝るのを忘れて開発、食事を忘れて開発、という感じでかなり没頭していました。その後、本格的にコンピューターサイエンスを学ぶために大学院に進学しました。

ー二足のわらじですね。具体的にはどのような生活だったんでしょうか?

基本的に学校で寝泊まりしていました。朝7時に起きて授業が始まる9時まで勉強、21時に授業や研究が終わってその後、寝るまで開発をするような生活でした。

土日に家に帰って、一週間分の服をもって研究室に帰るみたいな。笑

教育環境を求めて就職と悩む、それでも自分がワクワクするかどうかでFiNCを選んだ

ーかなりのハードワークですね。そのまま創業されたのでしょうか。

そうですね。当初は、就職しようと考えていました。一方で、南野から起業の道も誘われていてかなり悩みました。選択の軸として意識していたことは、どっちのほうがエンジニアとして伸びしろとキャリアとしての選択肢が広がるか、でした。就職した方が人に教えてもらえるし成長しやすい環境かと考えていたので就職する方に気持ちは傾いていました。しかし、エンジニアとしての成長に関しては、非効率になるけど教わって成長する以上の時間をかけて勉強することでカバーできると考えました。またキャリアの選択肢についてもその後の自分の努力次第だしそちらの方が重要と考えました。その上でどっちのほうが貴重な経験ができるか、平たく言えばワクワクするかで最終的な意志決定としては起業を選びました。

わちゃわちゃした開発の創業期、仲間が増える拡大期

ーまさにスタートアップですね。創業してからはどのような雰囲気だったのでしょう。

創業して最初の2年は南野と作った開発チームがありました。気の知れたメンバー3,4人でサークルみたいな雰囲気で開発していました。この頃もメンバー全員が寝食を忘れるほど開発に夢中になっていました。

ーそこからどのように拡大したのでしょうか?

その後、資金調達などを経てメガベンチャー経験者や外国人採用に力を入れ、10名程度の組織になりました。共感してくれる仲間が増えるにつれて、ヘルスケア業界の課題をテクノロジーで解決できるという自信が大きくなりました。

今は、従来人がやっていたことをデジタルでスケールさせるテックタッチな領域にフォーカスしていますが、この頃は遺伝子検査や、パーソナルトレーニングなどヒューマンタッチな事業もやっていました。

2017年にFiNCアプリがサービスローンチし、2019年には中村アンさんを起用したCMなどかなりプロモーションにも力を入れました。その成果もあってアクセス数も知名度もかなり伸び、現在では1,000万ダウンロードを超えるサービスに成長しました。

技術だけ伸ばしても良いものはつくれないと気づく

ーまさに拡大期ですね。これまでのエンジニア人生で嬉しかったことはありますか?

自分たちが作った組織が大きくなっていくことです。それまで知らなかった人たちが自分たちの考えに共感し、仲間としてジョインしてくれることは、やはり毎回嬉しいです。

もう一つは、自分たちが作ったサービスがユーザーに受け入れてもらえることです。

ーエンジニア人生の中で大きく苦労したことを教えてください。

苦労というか反省に近いですが、ビジネスとしてのスケールを考慮できていないアーキテクチャになっていた箇所があることです。3,4年たった今、そのアーキテクチャがサービスグロースの足かせになっているかもしれないと感じます。

これは設計や技術の勉強だけしていても身につかないスキルで、ビジネスに対する理解が必要になります。以前は要件に対し技術的にどう解決していくかを考えるだけでしたが、現在はニーズの背景など集められる情報をしっかり集めること、カスタマーへの理解、自社の戦略と戦略上の位置付けの把握、ビジネスとしての展開の議論、などをした上で開発すること、そしてしてもらうことを意識しています。

役割に制限がないエンジニアリング集団をつくり、デジタルで健康になるプロダクトをつくり続ける

ーCTOとして大切にしていることはありますか?

弊社のバリューにもある“カスタマーサクセス”は組織づくりをする上で特に大事にしています。カスタマーは誰で、何に困っていて、その課題をどのように解決していくか。そして解決するために、企画、開発運用などの与えられた役割を超えて協力できる組織になるように意識しています。

ーCTOとしての夢を教えてください。

CTOとして、また会社として、予防医療というポテンシャルのある領域で、健康になるための行動変容をテクノロジーを用いて起こしたいです。介入を自動化する、あるいは人が介在したとしてもそのコストを落とすということを実現したいです。健康で働けることが個人の幸せにつながるはずですし、なによりも健康でいることに越したことないじゃないですか。

ーいちエンジニアとしての夢を教えてください。

個人としてはプログラミングを楽しみ続けたいですし、そんなチームを作りたいです。そのためにエンジニアリングをルーティーンにしないことを意識しています。

例えば、同じような問題に何度か直面していると感じたら、問題を抽象化して考えたり、逆に誰の課題かを深く思考し問題を具体的に考えるなどして、別のアプローチをするようにしています。そうやってルーティーンにせず楽しんで書くことが結果として良い解につながると思います。

そういった意味では、自分の専門外、もっというとエンジニアリング以外のことを勉強することも大切だと思います。ビジネス、歴史、経済、マーケティング、経営などに興味を持って調べ続けるとどこかで必ずつながってくるはずです。CTOになり、組織をつくる立場になって気づきましたが、一見関係ないような点が繋がって解になっていくと信じています。

FiNCではバリューに共感できる真の仲間を募集中

ー最後にFiNC Technologiesさんでは、どんな仲間を募集していますか?

弊社では、Over Achieve/Open Mind/Customer Successと3つのバリューを掲げています。技術は入社後も勉強できるので、コアバリューへの共感を最重要視しています。このバリューを共有できる仲間を増やしたいと思っています。

取材を終えて

エンジニアリング以外のことも勉強することが大切で、それがどこかで繋がってくるという一言が印象的でした。様々な勉強をされてからエンジニアリングに出会っている経緯や、CTOとしてビジネス視点でエンジニアリングと向き合っていらっしゃる篠塚さんだからこその言葉だと思います。その上で役割分担のないエンジニアリングチームを目指す篠塚さんが率いるチームで、楽しく健康的な生活を実現するFiNC Technologiesさんの今後がこれからも楽しみです。

■プロフィール

篠塚史弥(しのづか ふみや)

執行役員 CTO

開発本部 第2技術開発部 部長

2012年東京大学工学部システム創成学科卒業、2014年東京大学大学院学際情報学府総合分析情報学コース修了。大学院では分散システムを専攻し、総務省との共同プロジェクト「情報流通連携基盤共通API」の研究に関わる。在学中には医薬品関連のスタートアップを二社創業し技術責任者を務め、大学院修了のタイミングでメンバーと共にFiNCにジョイン。FiNCではエンジニア初期メンバーの1人としてファーストサービスの立ち上げから現在に至るまでのサービス全般の設計、開発、保守、運用に携わりFiNCの成長を支える。他にもエンジニアチームの採用、教育、マネジメントも行う。2020年4月、CTOに就任。

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