開発者体験が良い企業1位は？授賞式の様子をご紹介【Developer eXperience Day 2023】イベントレポートVol.1

日本CTO協会が主催を務め、2023年6月14日・15日に開催された大型カンファレンス「Developer eXperience Day 2023」。「Developer eXperience（=開発者体験）」をテーマとし、その知見・経験の共有とそれに関わる方々のコミュニケーションのために計30以上のセッションが行われました。

本記事では、「Developer eXperience AWARD 2023」のご様子をお届けいたします。

1. エンジニアが選ぶ「開発者体験が良い」イメージのある企業ランキング表彰式

1.1. 5位：株式会社サイバーエージェント

3. 受賞企業さまに伺った「業務委託メンバーの開発者体験」

3.1. 株式会社ZOZO

3.2. Sansan株式会社

4. Developer eXperience Day 2023 イベントレポート一覧

エンジニアが選ぶ「開発者体験が良い」イメージのある企業ランキング表彰式

Developer eXperience AWARD 2023では、企業が「開発者体験」に関してどれくらい魅力的な発信をしているかを示す「開発者体験ブランド力」について、ソフトウェアエンジニアなどの技術者を対象に調査・集計し、ランキング形式での公開・表彰が行われました。本記事では、5位以上を受賞した企業さまのコメントを紹介します。

引用：一般社団法人日本CTO強化．「エンジニアが選ぶ「開発者体験が良い」イメージのある企業「Developer eXperience AWARD 2023」ランキング上位30を発表」．https://cto-a.org/news/2023/06/14/8859/

5位：株式会社サイバーエージェント

受賞理由 / 特徴

・好きな人が集まり、仕事（技術探究）を楽しんでいるイメージ

・カンファレンスの運営、コミュニティ運営の中心メンバーが所属している

・エネルギッシュな若手が組織をリードしているイメージ

など

担当者さまコメント

この度は、素晴らしい賞を頂きありがとうございます。2006年に代表の藤田が「技術のサイバーエージェントを作る」と宣言してから17年が経ち、そこから当社の事業領域や技術組織の規模は著しく拡大しております。それに伴い、技術組織も「時代の変化」「事業ステージ」「組織規模」に応じて常にアップデートしてまいりました。昨今は技術力が企業の競争力に直結する時代になってきていますので、開発総合力を高めるためにさまざまな施策を行っています。社会の変化スピードが早い今だからこそ、当社が強みとする「変化対応力」を武器に、持続的に成長する仕組みに磨きをかけていきたいと思っています。

4位：ヤフー株式会社

受賞理由 / 特徴

・多くの研究的なプロジェクトを行なっているイメージ

・カンファレンスでスポンサーに見ることが多く，登壇や勉強会参加に力を入れているように感じる

・技術力が高いエンジニアが多く同僚から学びが多そう

など

担当者さまコメント

ヤフー株式会社 Developer Relations 部長 / 武居秀和氏

昨年に引き続き、開発者の皆様から支持を頂くことができて大変嬉しいです。当社では2018年にDeveloper Relations（=DevRel）チームが立ち上がり、DevRelメンバーだけでなく社内全体が一丸となって開発者体験向上と技術広報に力を入れてまいりました。定量的に効果測定することが難しく、「これだ！」という正解も見つからないままひたすら走り続けている状況ですが、LINE株式会社さんと一緒になることにより、いっそう開発者体験向上と技術広報に力を入れてまいります。

3位：LINE株式会社

受賞理由 / 特徴

・自社で大規模な技術イベントを開催したり等、技術への投資が惜しみないイメージ

・チャレンジする文化があるので、何事にも主体的に取り組むことができそう

・利用しやすいアプリをいくつも生み出していることから、ユーザー目線に立った開発ができているイメージ

など

担当者さまコメント

LINE株式会社上級執行役員CTO / 池邉智洋氏

当社もDevRelチームを立ち上げて数年が経っている状況ですが、効果測定はやはり難しいです。内部のKPIはもちろんありますが、「それでいいの？こちらが意図したとおりに伝わっているの？」という点で、通知表的に評価してもらうことが難しい領域。そういった点で、このような素敵な賞を作っていただき、素敵な順位をいただくことができて光栄です。来年はヤフー株式会社さんと共に、一つでも順位を上げたいと思っております。

2位：Google

受賞理由 / 特徴

・同僚の技術者のレベルが高そう

・著名なエンジニアが多くいそう

・経営者のエンジニア理解がありそう

など

担当者さまコメント

Google Chrome Developer Advocate / 北村英志氏

13年前、Googleに入社した当時からDevRelチームで技術の啓蒙活動をしてまいりました。当初は日本向けに啓蒙活動をしていたのですが、最近は世界向けの啓蒙活動をしています。世界中のエンジニアリングチームと話していて感じることは、日本の開発者コミニティのレベルは高いということです。言語という大きな障壁があるにも関わらず、活発に技術を学び、また頻繁に勉強会を開催していただいているからこそ、ハイクオリティなプロダクトが次々と産まれているように感じます。

Google Cloud Customer Engineering Manager / 渡辺光一氏

近年、「ノーコード」「ローコード」「サーバーレス」「データAI」などの活用などにより、誰もが「手早く」「簡単に」アイデアを生み出し・作り上げ・育てることができるようになってきています。引き続き、開発者の方はもちろんのこと、幅広い方々に対してお役に立てるような情報やテクノロジーを発信してまいります。

1位：株式会社メルカリ

受賞理由 / 特徴

・エンジニアとして成長できそう

・技術的投資ができていそう

・オープンで透明性の高い文化がありそう

など

担当者さまコメント

株式会社メルカリ執行役員 Group CTO 兼取締役 Managing Director of Mercari India / 若狭建氏

昨年に引き続き高い評価をいただき光栄です。こういった評価をいただけたのも、これまで先人たちが積み重ねてきてくださったことのおかげであると感じています。この度、当社は設立10周年を迎え、グループミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」を新たに策定いたしました。開発組織においても、エンジニアリングの価値を循環させ、エンジニアの皆さんの可能性を広げていくということが大切であると感じていますし、日本のテック業界全体がチャレンジしていくべきことであると感じています。また昨年、インドのバンガロールに開発拠点を設立したということもあり、多様性という点もより重視していきます。特定のエンジニアのみにとっての開発者体験向上ではなく、多様なバックグラウンドを持ったさまざまなメンバー全員の力を引き出せるような開発者体験向上に力を入れていきたいと考えています。

トークセッション

表彰式の後は、受賞企業さまによるトークセッションが行われました。

「開発者体験」や「技術広報」をテーマに、各社の取り組みなどについて語られました。

登壇者紹介

株式会社メルカリ MK Engineering Office / 塩飽泰啓氏

LINE株式会社上級執行役員CTO / 池邉智洋氏

株式会社ゆめみ代表取締役 / 片岡俊行氏

株式会社LayerX 執行役員 / 石黒卓弥氏

エムスリー株式会社執行役員 CTO 兼 VPoP / 山崎聡氏

日本CTO協会理事 / 株式会社レクター代表取締役 / 広木大地氏（モデレーター）

※画像左から順

受賞企業さまに伺った「業務委託メンバーの開発者体験」

テックキャリアマガジンでは、今回の表彰式に参加された受賞企業さまを対象に「業務委託メンバーの開発者体験」について伺いました。

株式会社ZOZO

技術本部技術戦略部 DevRelブロックブロック長 / 諸星一行氏

当社では、雇用形態に関わらず技術者メンバーの開発者体験を向上できるよう取り組んでおります。

参画してすぐにパフォーマンスを発揮できるよう、オンボーディング体制は常にアップデートしています。また、開発者にとってデファクトスタンダードになりつつあるGitHub Copilotも全員が利用できます。

その結果として、今回21位という順位をいただき、大変光栄に思います。来年はさらに順位を上げられるよう、力を入れてまいります。

Sansan株式会社

海外開発拠点支援室室長 / 藤倉成太氏

開発者体験を向上させることは、業務委託メンバーなど、雇用形態に関係なく大切だと考えています。そもそも開発者体験の質の良し悪しは、プロダクトの成長を左右し、ひいては事業成長に直結するものと考えています。そのため当社では、例えば業務委託という形でも、参画初日から高いパフォーマンスを発揮できるような環境整備を行うなど、開発者体験の向上に努めています。