Norimoto:こんばんは。今回はこちらのイベントにお邪魔しています。
Kishi:前回はCEO、CTOが手放したくないエンジニアの特徴や、エンジニアに求められる0→1思考について、小川さんと森田さんに伺ってきました。
Norimoto:後編となる今回は、「アイデアを形にする⼿順」がテーマです。前回もスピーカーを務めてくださった小川さんが、アイデアを具現化する方法について紹介してくれます。
Kishi:楽しみですね!
Norimoto:それでは早速みていきましょう。
イントロダクション
小川さん:私がこれまで実践してきたビジネスを形にする方法には、次の5ステップがあります。
1.疑問を持つ(気づく)
2.前例を調査
3.要素に分解
4.共通項を抽出
5.味付け
まずアイデアというのは、何かに疑問を持つことからスタートします。その疑問を解決するために、参考になる前例がいくつもあるはずです。それを調査し、いろいろな要素に分解していく。さらに共通の部分だけを抽出して、自分のオリジナルの要素を加えることで、アイデアが生まれるという流れです。
1.疑問を持つ(気づく)
小川さん:具体的にどんな疑問から始まるのかというと、次のようなものがあげられます。
・業界1位のあのサービスはどんなことをやってるのかな?
・なんでスーパーのレジは、あんなに時間がかかるのかな?
・なんであの業界は、別の業界では当たり前のことをなぜやっていないのかな?
・無駄に思えるものが、なんでなくならないのかな?
たとえば私の場合なら、自分がヤフー時代に担当していた飲食系サービスを日本一に成長させるためには、どうしたらいいんだろう? 競合はどんなことをしているのだとう? という疑問からスタートしました。
2.前例を調査
小川さん:次に、自分で抱いた疑問に対して、ソリューションを提供している事例を探していきます。国内で20個、海外で10個くらいの前例を調べていくと、その疑問について語れるレベルに持っていけます。
私の事例でいうと、国内外の「飲食関連のサービス」をひたすら調べまくったりしました。
3.要素に分解
小川さん:続いて、要素に分解していくというステップに入ります。どんな数値が成功に結びついているのかを調べるわけです。
たとえば、
・商品数
・決済⼿段の数
・カテゴリ数
・⼿数料
などがあげられますね。
私が実践した際には、このほかにもクチコミ数やクーポン数などがありました。
4.共通項を抽出
小川さん:要素の分解ができたら、成功例の中で共通する項目はどんなところなのか? を調べていきます。国内20の事例、海外10の事例を調べれば、必ず共通項が見つかるはず。その共通項こそ、「必ず満たさねばならないこと」です。
逆に、この「必ず満たさねばならないこと」に疑問を持っても良いと思います。みんな同じことをやっているけれど、どこも良くないな、違うことができないかな、と考えるのも効果的です。
私の例であれば、世界中の飲食店サービスを調べた結果、各国で最も利用されている飲食サービスの特徴は「クチコミ」だったんですね。
予約サービスで事業が成立している(利益を出せている)のは「高級店予約だけ」ということも判明。
5.味付け
小川さん:最後に、「必ず満たさねばならないこと」に自社の強みをプラスするステップです。そうすれば、アイデアが形になって新規サービスの出来上がりというわけです。
私の場合は、いまさらクチコミを狙っても勝機はなく、高級店向けは既存のサービスがある。というわけで、
(1)ヤフーの集客力を生かしたフラッシュマーケティング
(2)オフラインで決済を握りに行く
のどちらかで一番を目指そう、と考えました。結局、どちらも却下になってしまったんですが、(2)はPayPayで実現しています(笑)。
Norimoto:興味深いお話をありがとうございました!ビジネスのアイデアを考えるにあたって、参考になる5ステップでしたね。
Kishi:私もこの方法を真似てアイデアづくりに挑戦してみたいと思いました。
Norimoto:小川さん、今回はどうもありがとうございました。
Kishi:ありがとうございました!