「TypeScriptのフリーランスって実際どれくらい稼げるの?」「どんな案件が多いの?」と気になるエンジニアの方も多いでしょう。

この記事では、TypeScriptフリーランスの単価相場・案件例・将来性について詳しく解説します。

TypeScriptとは?

TypeScriptとは

TypeScriptは、Microsoftが開発したオープンソースのプログラミング言語で、JavaScriptのすべての機能を取り込みつつ、静的型付けをはじめとする高度な開発支援機能を追加したJavaScriptのスーパーセットです。2012年のリリース以降、大規模で複雑なアプリケーション開発におけるJavaScriptの課題を解消する技術として急速に広まりました。

TypeScriptの最大の特徴は、JavaScriptに静的型付けを導入できる点です。変数や関数の型を明示的に指定することで、コードを実行する前に型の不整合を検出できます。これにより、実行時エラーの発生を大幅に減らし、コードの信頼性と保守性が向上します。そのため、多数の開発者が関わるエンタープライズ開発や、React・Vue・Angularといったモダンフレームワークを用いたフロントエンド開発の現場で、欠かせない技術となっています。
関連記事:TypeScriptとは?JavaScriptとの違いもわかりやすく解説

TypeScriptフリーランスの単価相場

TypeScriptフリーランスの月額平均単価は75万円前後で推移しており、60万円〜90万円がボリュームゾーンとなっています。単価は案件の質や求められるスキル、そして担当する工程によって大きく変動しますが、エンジニアとして経験を積み実力をつけていくことで高単価の案件を受注できるようになります。

下のグラフはテクフリに掲載されている単価別案件比率を示しています。

TypeScript単価別案件比率

平均単価

テクフリの案件データに基づくと、TypeScript案件の月額平均単価は約73万円となっています。

この金額は、年収に換算すると約872万円となります。正社員エンジニアの場合、TypeScript経験者の平均年収は500万円〜700万円程度であるため、経験やスキル、担当領域によっては、フリーランスに転向することで年収が大きく向上するケースも珍しくありません。

フリーランスが高額な報酬を得られる主な理由は大きく二つあります。一つは、企業が求める即戦力としての高度な専門性や豊富な経験に対し、相応の対価が支払われるためです。もう一つは、報酬に含まれるコスト構造の違いです。正社員の場合、企業が負担する社会保険料の会社負担分や福利厚生費といった人件費が発生しますが、フリーランスではこれらを企業が負担する必要がありません。その分が報酬に上乗せされるため、結果的に提示される単価が高くなるのです。

他のスキルとの単価・案件数比較

ここでは、TypeScript案件を他の主要言語と比較します。テクフリをベースとしたTypeScriptフリーランスの平均年収は約872万円となっており、案件の単価の平均値は他のトレンド言語と比較してやや高い水準となっています。

また、テクフリにおけるTypeScript案件のシェアは全体の案件の約12.6%を占めており、これは非常に高い数字です。TypeScriptは豊富な案件数を備えており、市場で確固たる地位を築いています。安定した案件供給を求めるフリーランスにとって、これは大きなメリットとなります。

単価・案件数比較

TypeScript案件の特徴

TypeScript案件の特徴
ここでは、TypeScriptエンジニアのフリーランス市場の具体的な特徴を詳しく見ていきます。

リモートワークの可否

TypeScript案件は、ITフリーランス市場全体の中でも特にリモートワークの比率が高いことが特徴です。テクフリのデータによると、TypeScript案件の約90%がリモートワークに対応可能となっています。この高いリモート率は、Web開発が中心であること、および型安全性によるコードベースの信頼性が、オフラインでの対面コミュニケーションの必要性を低減させていることに起因すると考えられます。

フリーランスの場合は特に、自身のライフスタイルに合わせて常駐案件やリモート導入案件など幅広い選択肢を持つことができます。

需要が高い業界・分野

TypeScriptの案件は、特に信頼性や複雑なロジックが求められる業界に集中しています。なかでも需要が高いのは、セキュリティとデータの正確性が最重要となる金融業界、そして大規模なユーザーベースを抱え多機能化が進むSaaS業界です。これらの領域では、大規模障害を未然に防ぎ、保守性を確保できるTypeScriptの特性が高く評価されています。

TypeScriptの活躍の中心はWebフロントエンドですが、その応用範囲は年々広がっています。Node.jsを用いたサーバーサイド開発をはじめ、React NativeやNativeScriptによるiOS/Android向けのクロスプラットフォームアプリ開発、さらにはElectronやTauriを使ったデスクトップアプリケーション開発にも利用が拡大しています。

近年では、AIや機械学習を組み込むプロダクトが増える中で、そのフロントエンド部分の実装や、WebAssemblyを活用した高性能アプリケーションのUI層などにもTypeScriptが採用されるケースが増加しています。TypeScriptの需要はますます多様化していると言えるでしょう。

高単価案件で求められるスキルセット

月額90万円以上の高単価案件を獲得するためには、TypeScriptの文法を理解しているだけでは不十分です。特定の技術スタックを深く使いこなし、プロジェクトの上流工程や品質保証まで貢献できるスキルが求められます。

  • モダンフレームワークの習熟と選定能力
    React、Vue.js、Angularといった主要フレームワークに加え、Next.jsやNuxt.jsなどのメタフレームワーク、そしてサーバーサイドで広く利用されるNestJSといったTypeScript前提の技術を深く理解していることが重要です。単なる実装経験だけでなく、アーキテクチャ選定やパフォーマンス設計まで踏み込めるエンジニアは高く評価されます。
  • クラウドネイティブ開発スキル
    アプリケーションだけでなく、それを支えるインフラの知識も求められます。AWS、GCP、Azureといった主要クラウドでのデプロイや運用経験、Dockerを中心としたコンテナ技術の理解は大きな強みになります。さらに、Node.jsによるバックエンドAPI開発や、MySQLをはじめとするデータベース設計・運用の経験があれば、サービス全体を見通したフルスタックな貢献が可能となり、単価はさらに上がります。
  • 開発プロセスと品質保証への貢献
    高単価案件では、実装力と同じかそれ以上にチームを前に進める力が重視されます。要件定義、アーキテクチャ設計、大規模チームでのレビュー文化の構築、テスト戦略の策定など、開発品質を支える上流工程に関与できる経験は必須条件と言えます。

TypeScript案件・求人例一覧

業務内容 某銀行市場系システムにおけるアプリ開発
単価目安 (月額) 56万円〜66万円
働き方 フルリモート併用
必要なスキル
  • TypescriptでのWEBアプリ開発経験5年程度
  • 基本設計から対応可能な方
  • AWSの知見
業務内容 旅行予約サイト開発におけるPM
単価目安 (月額) 100万円〜110万円
働き方 リモート併用
必要なスキル
  • PM / PL等としての進捗管理経験
  • 要件定義~リリースまでのご経験
  • TypeScript(React.js)を用いた開発経験2年以上
  • 事業会社でのtoBtoC向けサービスの開発経験1年以上
業務内容 アバターやAIを活用したBtoB向けのSaaSプロダクト
単価目安 (月額) 84万円〜94万円
働き方 フルリモート
必要なスキル
  • React, TypeScript, Next.js を利用した開発経験が3年以上
  • ユニットテストのコードを書いた経験
  • コードレビューを利用したチーム開発
  • Storybook を利用したコンポーネント開発

TypeScript案件はこちら

TypeScriptフリーランスの将来性

TypeScriptフリーランスの将来性

長期的にフリーランスとして市場価値を維持し、単価を上げ続けるには、現在の需要を追うだけでは不十分です。重要なのは、技術・ビジネス両面の将来の変化を予測し、それに合わせて自分のスキルセットと提供価値を戦略的に再設計することです。

以下では、今後の需要がどのように変化するかを予測し、その変化に対応して高単価を維持・実現するための具体的なキャリアパスを提示します。

市場需要の動向

TypeScriptエンジニアの市場需要は、現在も安定して伸び続けており、将来性も極めて高いと評価されています。 型安全性と開発効率の向上というメリットから、一度TypeScriptを導入した企業は継続採用する傾向が強く、長期的な需要基盤が確立されつつあります。

特に注目すべきは、急速に普及が進む生成AIと開発自動化ツールが、TypeScriptに非常に大きな追い風になっている点です。

AIを活用した開発プロセスでは、TypeScriptの型定義がAIへの指示文として機能します。型情報を明確に示すことで、AIにプロジェクトの意図やデータ構造を正確に伝えられ、生成されるコードの品質や整合性が大幅に向上します。結果として、誤った型推論によるバグや実装ミスを最小限に抑えることが可能になります。

この技術動向は、コーディング作業がAIによって自動化されていく一方で、エンジニアの役割が設計・アーキテクチャ・品質保証といった上流領域へとシフトすることを示しています。つまり、型定義やシステム全体の構造をデザインできるTypeScriptのエキスパートは、AI時代においてむしろ価値が高まり続けると予測されます。

今後のキャリアパス展望

フリーランスとして長期的に市場価値を維持し、高単価を追求するためには、単なるコード実装者に留まらず、戦略的なキャリアパスを描く必要があります。

  • アーキテクト/リードエンジニアへのステップアップ
    最も高単価を狙える方向性は、フロントエンドリードやテックアーキテクトとして、システム全体の設計・技術選定・品質管理を担うポジションへの転換です。特にTypeScriptでは、ジェネリクスや高度なユーティリティ型を活用した型設計力が重要になります。型を通じてシステム全体の契約を定義できるエンジニアは、AI駆動開発が進むほど市場価値が上昇します。
  • 技術の幅と深さの両立
    フロントエンドが専門でも、Node.js/TypeScriptによるバックエンド実装や、AWS/GCPを扱ったクラウド知識を組み合わせることで、より複雑な課題に対応できるフルスタックエンジニアへ成長できます。プロジェクト全体を任せられる人材は希少性が高く、単価交渉でも強い立場を築けます。
  • 専門領域の確立
    TypeScriptスキルに特定領域の知識を掛け合わせることで、専門性の高いエンジニアとして差別化できます。例として、FinTechの厳密なトランザクション処理、ヘルスケアのデータ管理、AI/MLモデル統合などが挙げられます。領域に特化した知識は代替されにくく、長期的な市場価値の維持に大きく貢献します。

まとめ

TypeScriptフリーランスは、現在のIT市場において高い需要と報酬水準を誇ります。その月額平均単価は約75万円(ボリュームゾーンは60万円~90万円)であり、年収換算では約872万円と、正社員エンジニアの平均年収を大きく上回る水準です。

案件の特徴として、TypeScript案件はITフリーランス市場全体の中でも特にリモートワークの比率が高く、約90%が対応可能です。需要は、信頼性と複雑なロジックが重視される金融業界やSaaS業界に集中しており、Webフロントエンドが中心でありながら、Node.jsによるサーバーサイドやクロスプラットフォーム開発など応用範囲が広がっています。

月額90万円以上の高単価案件を狙うには、単にTypeScriptの文法を理解するだけでなく、Next.js, NestJSなどのモダンフレームワークの深い習熟とアーキテクチャ選定能力、AWSやDockerといったクラウドネイティブ開発スキルが必須です。さらに、要件定義やアーキテクチャ設計、品質保証といった開発プロセスの上流工程に貢献できる経験が強く求められます。

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