DXの加速に伴ってITプロジェクトの数は爆発的に増加しているなかで、それを成功に導くプロジェクトマネージャー(PM)は非常に重要なポジションです。これまでPMといえば、SIerや事業会社の社員が務めるのが一般的でしたが、近年ではフリーランスのPMがその役割を担うケースも見られます。
本記事ではフリーランスPMを目指す方や既に活躍中の方に向けて、求められる役割やスキル、そして市場価値を高めるための具体的な戦略を解説します。
フリーランスPMのメリット

最大の魅力は、やはり収入のポテンシャルです。
会社員の場合はどれだけ成果を出しても給与テーブルの範囲内に留まる傾向にありますが、フリーランスはスキルと実績がダイレクトに単価に反映されます。
高難度のプロジェクトや大規模案件に携わることができれば、会社員時代の年収を大きく上回ることも珍しくありません。
また、仕事を選べるというのも大きな利点です。
「今回は最新のSaaS導入案件に挑戦したい」
「次回は金融系の堅い案件で実績を作りたい」
といった自身のキャリア戦略に基づきながら、参画するプロジェクトを選択することができます。ライフステージに合わせて稼働率を調整(週3〜4日勤務など)を選べる可能性もあります。
即戦力と判断されるために必要なスキルと経験

フリーランスPMは即戦力であることが前提とされます。教育コストをかけずに成果を出すことが期待されるため、求められるスキル水準は決して低くありません。
必須スキル:QCD管理とコミュニケーション能力
PMの基礎体力とも言えるのがQ(品質)、C(コスト)、D(納期)の管理能力です。計画通りに進まないのがプロジェクトの常ですが、予期せぬトラブルが発生した際に、どのようにリソースを調整してスケジュールをリカバリーするかという手腕が問われます。
そして、それ以上に重要なのがコミュニケーション能力と交渉力です。エンジニアやデザイナー、クライアントの担当者に経営層など、立場の異なるステークホルダーの間に入って調整を行い、合意形成を図る力が必要です。
特にフリーランスは短期間で信頼関係を構築してチームをまとめる人間力が求められます。
付加価値スキル:技術的知見と経営視点
単価をさらに高める要素として、「技術(アーキテクト)への理解」と「経営的視点」が挙げられます。 開発言語やインフラ構成、最新の技術トレンドに精通しているPMは、エンジニアとの対話がスムーズで技術的なリスクなど早期に察知できます。
また、プロジェクトの成功を単なるシステムの完成と捉えるのではなく、クライアントのビジネス利益をどう最大化するかという経営視点を持って提案できるPMは特に重宝されるでしょう。
独立の目安となる経験年数と規模感

一般的に、フリーランスPMとして安定して案件を獲得するには最低でも3年以上の実務経験が望ましいとされています。
特に、10名以上のメンバーをマネジメントした経験や、要件定義からリリース・保守運用までの一連のサイクルを完遂した経験があると、クライアントからの信頼度は格段に上がります。
未経験からいきなりフリーランスPMになるのはハードルが高いため、まずはエンジニアやリーダーとして経験を積みながらマネジメント領域へシフトしていくキャリアパスが王道でしょう。
案件を獲得するためのポイント

フリーランスPMにとって、営業力は生命線です。案件獲得には主に以下のルートがあります。
エージェントの活用
最も効率的かつ安定的なのが、フリーランス専門エージェントの活用です。市場には公開されていない案件も多いため、エージェントが保有する独自情報は貴重です。
また、契約周りの事務代行や単価交渉を代行してくれる点も大きなメリットです。
自身での営業活動が苦手という方や、フリーランスとして初めて案件を探す際にはひとまず登録してみるのもいいでしょう。
人脈・SNS・直営業の組み合わせ
かつての同僚や取引先からの紹介(リファラル)は、信頼関係ができているためミスマッチが少なく、高単価になりやすい傾向があります。
また、近年ではLinkedInやXなどのSNSで自身の知見を発信し、企業から直接オファーを受けるケースも増えています。これらをエージェントと並行して活用することで、リスクヘッジを行いながらより条件の良い案件を探すことが可能です。
フリーランスPMの将来性

フリーランスPMの将来性は、IT業界全体における慢性的な人材不足とプロジェクトの高度化を背景に、非常に明るいと考えられます。
冒頭でも申し上げた通り、DXの加速によりAIやSaaS導入などの専門性の高いプロジェクトが急増していますが、それらを完遂できる経験豊富なPMは常に不足しています。企業は正社員採用に苦戦しており、即戦力のフリーランスPMへの依存度は今後さらに高まる見通しです。
また、PMとしての経験はITコンサルタントやプロダクトマネージャー(PdM)、あるいは経営層へのキャリアパスに直結します。技術とビジネスの両輪を回せるマネジメント能力を磨き続けることで、市場価値は衰えることなく、長期的に高単価を維持できる安定した職種であり続けるでしょう。
フリーランスPM案件の単価相場
テクフリにて掲載中のPM案件の平均単価は108万円、最高単価は198万円となっております。
中でもAI関連の案件やセキュリティ関連の案件は高単価である傾向が強く、非常に需要の高いポジションであることが伺えます。
要件として5年以上のマネジメント経験が求められる案件も多く、やはり確実に実績を積み上げていくことで信頼を得ることが重要ということになります。
フリーランスPMの案件例
| 項目 | 案件例1 | 案件例2 | 案件例3 |
|---|---|---|---|
| 業務内容 | 大手Fintech企業における審査プロダクトの開発推進 | オンライン語学プラットフォームにおけるバイリンガルPM | 大規模サービス開発におけるAI駆動プロダクトマネジメント |
| 単価目安 (月額) | 111万円〜121万円 | 122万円〜132万円 | 155万円〜165万円 |
| 働き方 | フルリモート | フルリモート | フルリモート |
| 必要なスキル |
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プロフェッショナルとして市場価値を高め続けるために
フリーランスPMは自身の腕でプロジェクトを成功に導く、非常にやりがいのあるポジションです。市場からの需要は今後も高まり続けることが予測されますが、そこで選ばれ続けるためには、常に最新の技術やマネジメント手法を学び、自身の市場価値をアップデートし続ける姿勢が不可欠です。
独立は不安も伴いますが、適切な準備とパートナー選びができれば自身のキャリア実現にグッと近づくことができるでしょう。まずはご自身のスキルセットでどのような案件に挑戦できるのか、市場価値を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
