『保険業界をアップデートする』というミッションのもと、まだまだテクノロジーによる改善余地がある保険業界の創造的な活動の実現を目指しているhokanさん。 昨年には2.5億円の資金調達を実施、今後のInsurTechを圧倒的にリードして行くhokan CTOの横塚さんにお話をお伺いしました。挫折から這い上がった経験や、ストーリーを重視した開発マネジメントは、全エンジニア必見の内容となっています!

挫折から救った、自分が作ったもので人を喜ばせるという体験

ーエンジニアになろうと思った原体験や経緯はどのようなものでしょうか?

小さい頃は数学者になるのが夢でした。とにかく数字大好きっ子でハノイの塔のアルゴリズムを考えるような小学生で、算数が得意でした。
中学の頃、友達3人と日本数学コンクールに出場したんですが、自分だけ表彰されなくて。算数オリンピックでちょろっと成績を残していたので、まあ選ばれるだろうって思っていたので、ショックでした。初めての挫折です。
大学受験でも、落ちてしまって、また挫折…。更に自信を失いました。その後大学へ進学したものの、なんとなくフラフラしていたら、ある日後輩に『起業するからエンジニアやって』と頼まれました。『数学得意だからできるでしょ』という誘いでエンジニアの世界に入りました。これが、エンジニアリングとの出合いです。

ーどのようなプロダクトを作っていたのでしょうか?

クラウドファンディングのプラットフォームを作りました。技術的には、Railsを採用し、独学で学んでいました。
最初は、当たり前に使っているインターネットの仕組みがなかなか理解できませんでした。そのなかなか理解できないことが、めちゃくちゃ面白いと感じていました。
そして、自分が作ったものが動いたとき、みんながすごく喜んでくれて嬉しかったのを今でも覚えています。“自分が作ったもので人が喜ぶ”という体験がエンジニアの世界にどっぷりと浸かった原動力かもしれません。

受託開発に加えて起業、エンジニアリングスキルとビジネススキルの両方を身につけたキャリア

ーそのままエンジニアとしてのキャリアをスタートさせたのでしょうか?

クラウドファンディングプラットフォームを立ち上げたものの、ビジネス経験もなくグロースのさせ方もわからなかったので、うまくいきませんでした。ただ、一定程度のエンジニアリングスキルは身についていました。そして、そのまま個人で受託開発を始めました。
また、フランチャイズの塾経営を手伝った経験から派生して、塾や学童を運営する会社を立ち上げました。小さなコミュニティーや小さな経済圏でビジネスを作るという目的で始めたのですが、この経験はビジネスの視点を養う上でかなり良い経験でした。
しかしエンジニアとしてのキャリアを積みたい気持ちが大きく、自身の会社を経営しながら、個人で受託を受けていた会社に入社しました。

ー副業前提で入社するという最先端な働き方ですね。入社後は、どのような仕事をしていたのでしょうか?

その会社では、お客様の構想や、やりたいことをヒアリングしサービスを立ち上げるお手伝いをする受託開発兼コンサルのようなことを担当していました。
経営者の方と一緒にサービスを作っていく経験と起業経験を経て、エンジニアリングだけでなく、ビジネス視点を身につけました。

イケてる大きなエンジニア組織を作りたい気持ちで、hokanへジョイン

ーhokanにジョインするに至るまで、更にどのような経験を積まれたしたか?

一定期間受託開発を行った後、縁あってリクルートにお世話になり新規事業の開発を担当しました。自身の会社、受託開発の会社に続き、3足目のわらじでした。当時25歳だったんですが、なんとなく一通りできるような気になっていました(笑)。
起業→受託→リクルート と、キャリアを進め、たくさんのエンジニアを見ていると、システムインテグレーションの中で、多くのエンジニアが疲弊しているなと感じていました。
そして、この頃からイケてる大きなエンジニアを組織を作ってみたいと思うようになりました。

ー保険業界ってなかなか選択しづらい業界だと思うのですが、保険業界を選んだ理由はありますか?

創業者である尾花や小坂との出会いもありますが、マーケットの大きさと、データを使って大きなインパクトを与えることができるところはどこだと考えていました。保険業界は巨大な市場ですし、保険ビジネスにおいては大量のデータがあります。ここだと思い、hokanへジョインしました。

常に進化を続けるエンジニア組織

ーhokanにジョインしてからはどのようにエンジニア組織を作っていったのでしょうか?

最初はプロダクトをつくるところから始まったので、コードを書くのがメインでした。この頃は、【すぐ壊せる】と【早く作れる】ということを意識していました。

ー堅牢なシステムを作るという保険業界の慣習と、技術負債を残したくないというエンジニアの特性とは真逆な感じがしますが、どのようにお考えでしょうか?

どんな技術スタックが市場にフィットするか分からなかったので、トライ&エラーの嵐でプロダクトも壊す前提で作っていました。まずは価値あるプロダクトを作ることを考えていました。
入社して2ヶ月間でReactとLaravelとneo4jでシステムを作ったのですが、全然はまらなくてすぐ潰しました(笑)。
次の2ヶ月間では、ReactとRailsとMySQLを使ったシステムをリリースしました。これは所感としては悪くなかったのですが、hokan®というプロダクトと開発方針と組織の状況を考えた時、現在のReactとDjangoに着地しました。最初の潰したシステムがあってこそだと感じています。
(技術選定の背景はこちらをご参照くださいhttps://magazine.techcareer.jp/interview/16224/)

ー組織的な変遷はいかがでしょうか?

常に意識していることは、お客様に価値を届ける組織にしたいということです。その上で、組織の変遷にもストーリーがあります。
最初は、プロダクトがないと始まらないので機能開発チームを立ち上げました。スピードを重視した開発部隊です。
プロダクトがある程度できて、ユーザーが一定数に達したところで、お客様の信頼度の構築をするために、CRE(Customer Reliability Engineering)チームを立ち上げました。
ある程度お客様の信頼が構築できたタイミングで、今度はデータチームを立ち上げました。集まってきたデータを分析し、プロダクトとしてステップアップする目的と、データドリブンな文化を定着させるためです。これが、今に至るストーリーです。

ーでは、将来は組織をどのように大きくしていく予定でしょうか?

今まさに行っているのが、SRE(Site Reliability Engineering)チームの立ち上げです。
システムとしての信頼度を向上していきたいと考えています。
その後は、品質向上のためQAチームを立ち上げて、更にプロダクトとしてもエンジニア組織としても進化していきます。

ー組織を大きくしていく上で大事にしていることはありますか?

仮説検証をして、投資ポイントを見極めてからチームを立ち上げるということです。
立ち上げる前は、試験的にメンバーに新しく立ち上げるチームの動きをしてもらいます。
例えば、CREを立ち上げるタイミングでは、あるメンバーにプロダクト開発をしながらCREの立ち回りをしてもらいました。その中でCREの必要性を見極めてから立ち上げるようにしています。

横塚さんが率いているエンジニアチームの皆さん

夢は『誰もが挑戦したい時に保険が支えとなり、安心して素敵な生活が送れる世の中を創ること』

ー続いて、横塚さんの一個人としての成長経験や大事なことを聞きたいと思います。これまで、成長したなという具体的な経験等はありますか?

意思決定の数と責任を負った数で、人は成長すると思っています。なので、権限譲渡の意思決定はCTOとして大きく成長した機会かなと思います。

ー言葉遊びのような表現ですが、『人に意思決定をさせる』という意思決定が、自分自身を大きく成長させたということですか?

『この人にこれを任せる』という、“任せる側の視点”で、いろいろ考えてしまうんです。もちろん、任せたということは信頼をしているということなのですが、『果たしてその人にとっていいチャレンジだったのかな?』と、不安になったりします。その意思決定は、マネジメントする立場として成長したなと思っています。

ー今後エンジニアに求められることって何だと思いますか?

しっかりとストーリーが見えること。正直、単発の課題解決ってあまり意味がないと思うんですよ。一つの課題を解決しても、次の課題が出てきますし、僕らは次の課題を見つけなければならない。
僕らエンジニアは、明日のリリースを作っているのではなく、プロダクトのストーリーを作っているんです。そのストーリーの中で課題解決をしていく。目の前の課題を解決しつつ、プロダクトでどのようなストーリーをつくっていくのかという視点を持つことが大事じゃないかなと思います。

ー横塚さんの夢はなんですか?

私の夢は、保険業界をアップデートし、自分たちの次の世代が『挑戦したい時に当たり前に保険が支えとなっていて、安心して素敵な生活が送れる世の中を創ってくこと』です。
保険の特性上、多くの人が関わって、それぞれに想いがあります。複数の、人と商品と思いをきれいなデータ構造にしてもっと安心して挑戦できる、そんな世の中にしたいです。

大事なのは技術力ではない!?hokanでは、強い意志を持ってチームで働ける人を募集していています

ーCTOとしてどんなエンジニアと働きたいですか?

技術力も大事ですが、、、強い意志を持ってチームで働きたい人。
保険業界をアップデートするというミッションを明確にもっているので、そこに向かって一緒に走ってくれる人です。ぶっちゃけ、技術よりも大事ですね。
保険という業界は一定量の勉強は必要になりますが、ミッションに共感していただける方であれば保険業界に馴染みがない方でも大歓迎です。

取材を終えて

横塚さんの口から『ストーリー』『チーム』という言葉が、要所要所に散りばめられているのが印象的でした。取材時も、質問に対しご自身の経験や考えをストレートにお話されており、普段から横塚さんがストーリーを意識されていることが伝わってきました。
瞬間的な視点ではなく、物語的にプロダクトを捉える意識。その物語をチームで描いていく姿勢。横塚さんを始めとするhokanさんの、保険業界に対するアプローチとこれからの成長がとても楽しみです。

横塚 出(取締役/CTO)
1991年生まれ。愛知県出身。
東京工業大学社会工学部卒。在学中にシステム開発会社、学習塾経営(現在も継続)。介護業界向けCRMの開発やリクルートにて飲食店向けSaaSサービスのAPI開発に参画。2018年2月に株式会社hokanに参画し、現在の保険代理店向け顧客・契約管理システム「hokan」の基盤を開発し、エンジニアチームを立ち上げる。2019年6月より取締役就任。

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