今回は、トリコ株式会社(以下、トリコ)でCTOを務める喜村 慈英さんのインタビュー記事をお届けします。ものづくりだけでなく、組織づくりやマネジメントが好きだという喜村さん。CTOとしてチームをつくりあげる際に大切にしていることや、チームメンバーに培ってほしい価値観などを語っていただきました。
インタビュー概要
お話を伺った企業さま
会社名 :トリコ株式会社
設立 :2018年4月
資本金 :186,000,000円
代表者 :花房 香那
所在地 :東京都新宿区
ミッション:私らしい美しさで、私をもっと好きになる
事業内容 :パーソナライズビューティケアブランド「FUJIMI」の企画・運営
お話を伺ったご担当者さま
部署 / 役職:CTO
氏名 :喜村 慈英
宇部高専卒業。SIerやベンチャーを渡り歩き、2021年1月にトリコ2人目のエンジニアとして入社。自社ECシステム開発プロジェクトのテックリードを行いつつ、マネジメントや採用、コーポレートIT/情報セキュリティ領域の強化に従事。同年7月からCTO。
キャリアについて
PCとインターネットで食べていくと決めた学生時代
小学校の高学年くらいからインターネットの世界にどっぷりと浸かっており、HTMLやCSSを使ってホームページ制作などを行っていました。高校進学前に自分の進路や将来を考えたとき、「PCとインターネットで食べていく」ということしか思いつかなかったため、情報系の高校に進学しました。
その後編入した高専ではロボコンの大会で優勝するなど、周りの友人にも恵まれており非常に楽しかったです。その時の友人たちの多くがエンジニアを目指しており、自分もエンジニアを目指すことにしました。
前々職の経験を前職で生かして大きく成長
リードエンジニアを務めていた前職での経験が最も成長を感じました。前々職でWeb系のメガベンチャーにいた際に国内トップクラスの技術を学び、前職ではその知見を生かそうとゼロベースで試行錯誤していました。試行錯誤していくうちに前々職でやっていたことがアンラーンされ、自分のものになったと感じることができました。その時の経験が最も成長を感じましたね。
トリコへ入社したきっかけ
転職活動をしていた頃、スカウトをもらったことがきっかけです。
私自身、自信がなかった時にメイクをすることによって少し自信をもらえていた経験があり、トリコの目指したい姿である「美容の力を通して人々が自信を持って輝けるような社会」にすごく共感できたことが理由として大きいです。また、今までの会社より小さなフェーズの会社で0からエンジニア組織を作ってみたいと思っており、その当時のトリコには正社員のエンジニアがいなかったため、バリューへの共感とフェーズへの興味で入社しました。
トリコCTOの役割
CTOとして主に2つの役割を持っています。
1.FUJIMIのリードエンジニア
トリコのソフトウェアエンジニアは正社員・業務委託合わせて15名程度おり、そのピープルマネジメントをしております。またFUJIMI事業を伸ばすために必要なシステム開発における計画や、ビジネスチームからの依頼を技術的な要件に落とし込む業務などを行っています。
2.トリコのコーポレートエンジニア
現在、トリコにはコーポレート専任のエンジニアが1名、アドバイザーが1名います。3人で情報セキュリティや情報システムにおけるロードマップの策定などを行っています。
他薦で就いたCTOのポジション
そもそも、「CTOになりたい」とは考えていませんでした。というのも、私にとってのCTOは「圧倒的な技術力で会社を引っ張る人」であり、技術力にそこまで自信が無い私には適任でないと考えていたためです。むしろ、組織づくりやマネジメントに興味を持っていたため、将来的なキャリアとしてVPoEのポジションを想像しており、代表の花房にもそう伝えていました。が、気づいたらCTOのポジションに立っていました。(笑)
組織づくりやマネジメントが好き
コードを書くことやものづくりも好きなのですが、「技術を使い、どうやってチーム・事業を伸ばすか」といった組織づくりやマネジメントが好きですし、好きなことが強みであると思っています。組織づくりやマネジメントを楽しいと感じたのは前職での経験が元となっています。リードエンジニアを務めていた前職時代、エンジニア未経験メンバーの育成やチームづくりなどにコミットしており、非常に楽しいと感じていました。またそういったスキルを磨くため、勉強会への参加や自己学習を実行していました。
トリコCTOとしての今後
他社にとってロールモデルとなるような組織にしていきたいと考えています。というのも、トリコのような会社で開発エンジニアチームを持っていることは非常に珍しいためです。
・有形商材のみ提供している
・自社でITプロダクト開発をしていない
・ビューティー/ヘルスケア領域
なので、エンジニア組織づくりという観点で、現時点ではロールにできるモデルがおらず、暗中模索で組織づくりをしていますし、今後もそうしていくしかないと考えています。そうすることにより、最終的には私たち自身がロールモデルになるような組織づくりをしていければと思っています。
エンジニアとしての今後
エンジニア経験×ビジネス領域のスキルアップでプロダクトマネージャーを目指す
ビジネス領域のスキルを身に着け、伸ばしていきたいです。
まだまだ未熟ではありますが、エンジニアとしての1つのゴールであるCTOになったことで、見える世界が変わったと感じています。よりビジネス領域を見るようになった結果、「どう作るか」より「何を作るか」に対して興味が強くなってきており、最近はプロダクトマネジメント領域に注力しています。CTOとしての経験があり、プロダクトマネジメントもできるビジネスパーソンは非常に希少性が高いと思っているので、個人としてはビジネス領域のスキルを伸ばしていきたいと考えています。
自分のスキルを使い、社会貢献をしたい
明確に決まっているわけではないですが、自分のスキルを使って社会貢献していきたいという思いもあります。自分が携わったプロダクトによって誰かの人生が良くなることをモチベーションとして生きているため、その規模を大きくしていけたらなと考えています。
事業へのコミットメントなどの観点から、正社員として働くほうが個人的には好きですが、いろいろな会社を見てみたいという思いもあるため、副業をしたり、フリーランスとして働くのもアリだと思っています。
考え方・マインドについて
ビジネス思考を持っているソフトウェアエンジニアでありたい
特に弊社のような非ITプロダクトの事業会社において、技術力があるだけでなく、ビジネス思考を持っているソフトウェアエンジニアは価値があると思います。
ビジネスパーソンとして生き残るため、そういったソフトウェアエンジニアにならないといけないと考えていますし、先程述べたとおり、私自身もスキルを磨き続けています。要件や設計に従ってコードを書くだけでなく、技術を使ってどのように事業貢献していけるかを常に考え、行動していかなければならないと思っていますし、弊社で働くにあたってはメンバーたちにもそうなってほしいと伝えています。
「ビジネス思考」を持つと、技術を用いた事業貢献について思考できる
「ビジネス思考」とは、技術を用いることで、いかに事業貢献ができるかについて考えることだと思います。
例えば、「1秒で処理が行われるコード」を、「0.1秒で処理が行われるコード」に書き換えた場合のコストとリターンを算出でき、それをエンジニア以外の人にも説明できるような思考です。
もちろん、これを考えることがソフトウェアエンジニアのマネジメントレイヤの仕事だとは思いますが、「いくら投資して、いくら利益が出るか」について、自分の言葉で語れるようになっておいて損はしないと考えています。
楽しく働くことがモットー
楽しく働くことを最も大切にしています。マネジメントする上でも、どうやったらメンバーが楽しく働くことができるかを常に考えるようにしています。メンバーが100%のパフォーマンスを発揮できるようにするためには、モチベーションを高く楽しく働ける環境づくりができていることが前提だと思っており、、マネージャーとしてそこは担保したいと考えています。
子供が産まれ、考えが一転
以前は40代くらいで人生をまっとうし、短く太い人生を送りたいと考えていました。しかし、子供が産まれてからは考えががらっと変わりました。少なくとも子供が20歳になるまでは生きて育てなきゃと考えていますが、あと20年この業界で生き残るために具体的に何をしないといけないかは日々模索中です。
トリコで働きたい方へ
トリコについて
「私らしい美しさで私をもっと好きになる」をミッションとし、パーソナライズビューティーケアブランド「FUJIMI」を運営しています。「私らしい美しさ」とは、「一般論的な美しさ」ではなく、「その人がなりたいと考える美しさ」のことを指しており、その実現のためにパーソナライズにこだわっています。主軸である「パーソナライズプロテイン」をはじめ、「パーソナライズサプリメント」や、「パーソナライズフェイスマスク」「パーソナライズスキンケア」の4種を展開しており、すべての商品が分析をもとにパーソナライズされ、ユーザーのもとに届けられます。
トリコ開発チームの業務
トリコ開発チームの業務は、主に3種類あります。
自社EC開発/運営
FUJIMIの商品をオンラインで購入いただけるように、パーソナライズ分析やその後の購入ページ、マイページや管理画面、裏側の定期購入の仕組み等をフルスクラッチで開発しています。
店頭用システム開発
ルミネ新宿 ルミネ2にあるFUJIMI店舗にて、弊社独自の体験を提供していただくためのiPad用のシステムをフルスクラッチで開発しています。
各種データ分析
事業成長のためのデータ分析を中心として、まだFUJIMIを知らないお客様や、すでに使っていただいているお客様に新しい体験を提供できないかを模索するために、データ分析基盤を構築しています。
トリコだからこその魅力
主な業務内容で述べたとおり、現時点でのトリコでは技術的に難しいことをしているわけではありません。しかしながら、ビューティ/ヘルスケアのリアルプロダクト×Webテクノロジーという世の中になかなか前例がない領域において開発チームメンバーとして働くというのは、この領域が好きな人にとっては堪らない体験かと思います。我々は、FUJIMI以外にもビューティ/ヘルスケア領域のブランドを続々と立ち上げていく予定ですので、この領域が好きな方こそ来ていただきたいと考えています。
求める人物像
「価値あるエンジニア」のところでも述べましたが、ビジネス思考がある方を求めています。技術的に難しい課題を抱えている会社ではなく、非IT事業を行っている会社だからこそ、今ある技術を使って会社を伸ばしていくにはどうしたら良いかを考えられる方を求めています。また、「トリコだからこその魅力」でも述べましたが、この領域が好きな方の応募は大歓迎です。
取材を終えて
非常に他己的で、またお人柄の良い方でいらっしゃると感じました。ITプロダクトを提供していない会社の開発チームであっても、メンバーに楽しくやりがいを持って働いてもらうために試行錯誤されていらっしゃったり、「トリコの開発チームは、喜村さんをはじめMTG中も楽しそうだし、明るい方が多いため他部署の人間も仕事がしやすく、一緒に働いていて楽しい。」という広報担当者様のお話からそのご様子が伺えました。喜村さんの下で働きたいという方や、他社にとってロールモデルとなるべく成長中の組織で働きたいと感じた方は、ぜひトリコの募集に応募してみてはいかがでしょうか。