今回は、ピクスタ株式会社で執行役員CTO/PIXTA VIETNAM代表を務める小張 亮さんのインタビュー記事をお届けします。小張さんは、2人目のエンジニアとしてピクスタに入社後、開発部長や海外事業部長と様々なポジションにチャレンジし、今ではCTOとPIXTA VIETNAM代表を務める経歴をお持ちです。現在に至るまで、エンジニアの経験だけでなく海外展開や移住など多くのチャレンジを行ってきました。日本とベトナムの開発組織をまとめる小張さんは、どのような人物なのか。チャレンジを行う上で大事にしているマインドや考え方はどのようなものなのか。これまでのキャリアと価値観をお伺いしました。

インタビュー概要

お話を伺った企業さま

会社名   :ピクスタ株式会社

設立    :2005年 8月

資本金   :332,437,000円

上場市場  :東京証券取引所グロース市場

代表者   :古俣 大介

所在地   :東京都渋谷区

ミッション :才能をつなぎ、世界をポジティブにする

事業内容  :
・デジタル素材のオンラインマーケットプレイス「PIXTA」の運営

・家族・子ども向け出張撮影プラットフォーム「fotowa」の運営

・法人向け出張撮影サービス「PIXTAオンデマンド」の運営

URL    :https://pixta.co.jp/

お話を伺ったご担当者さま

部署 / 役職 :執行役員CTO/PIXTA VIETNAM代表

氏名    :小張 亮

2007年8月ピクスタ株式会社入社。当初はエンジニアとして、企画開発運用全般を担当。2011年より、開発部長としてエンジニア採用やシステムリニューアルに関わる。2014年海外事業部長となり、2015年にベトナムに移住、2016年5月に初の海外開発拠点となるPIXTA VIETNAM Co.,LTD. を設立し、General Directorに就任。2020年1月に執行役員となり、以後PIXTAのシステムを支えつつ、新サービスの開発や機械学習・ディープラーニングの活用による新たな価値の創出に取り組んでいる。2023年5月より、CTO に就任。

キャリアについて

ピクスタとの出会い

中学・高校時代から趣味程度にパソコンを触っていましたが、当時はプログラミングを仕事にするとは思っていませんでした。しかし、大学在学中に株式会社ガイアックスでアルバイトを始めたことをきっかけに、プログラミングを仕事にしようと考えるようになりました。当時座席が近かった弊社代表の古俣から、事業(後のピクスタ)の立ち上げフェーズで「一緒に作っていかないか」と誘われましたが、最初は乗り気になれず断っていました。しかし、2年後に代表の古俣や当時の役員と話をして「やはり面白そうだ」と感じたこと、少人数体制のためエンジニア以外の経験も積めそうだと考えたことで、2007年にジョインすることに決めました。

エンジニアとしては最初の5年間ほど活動し、2012年のシステム全面リニューアルを機にマネジメントの立場を経験しました。その後、マネジメントをメインにキャリアチェンジしていきました。

海外進出への前向きな姿勢

2015年ごろ、当社が海外展開を少しずつ進める中で、やっぱり現地でプロジェクトを進める必要がある、現地での開発担当者を設置しようという方針に決まりました。当時私は開発部長だったということもあり、新しい環境での開発という挑戦に自ら手を挙げ、立候補しました。同年に初の海外出張を経験しており、ちょうど海外への関心が高まっていたため、タイミングも良かったんです。

その後海外での仕事を通して、「開発方法をどのように現地に最適化していくか」が非常に重要であることを実感しました。当時、日本チームのエンジニア採用課題や、海外でのプロダクト開発に注力する必要があったことから、海外に開発拠点を設ける必要性が生じました。開発拠点の長としての適任が自分しかいないのではないかと感じていたこと、そして、成長の可能性を秘めた海外人材をマネジメントする挑戦がしたいという思いもあって、ベトナム拠点の立ち上げに立候補しました。

日本・ベトナムをまとめるために

日本のエンジニアから仕事を依頼するやり方だと、プロダクトや事業を理解せずにコードを書くことが増えてしまいます。それでは作業が単調になり、ベトナムメンバーのポテンシャルを十分に発揮できないと考えていました。そこで、ベトナムのメンバーが開発から運用まで一貫して責任を持つ環境を目指しました。

この進め方は実現できたものの、新たな課題も生じました。各チームが開発全体を把握し、プロダクトのどの部分を作っているかを理解してもらったうえで役割を細分化しましたが、逆に「自分の担当以外には干渉しない」という姿勢が強まり、基準やコードルールに統一感が欠け、業務効率が下がる結果になったのです。

2023年にCTOに就任したことをきっかけに、それまで別々に開発を進めていた日本とベトナムの開発チームを開発組織として統合していくことにしました。

現在目指しているのは、開発組織全体で共通の文化を作り、ルール化すべきところはルール化しつつ、各拠点の強みを発揮できるように裁量をもたせながらまとめていくことです。また、日本とベトナムのエンジニアが混在するグローバルチームの取り組みも進めており 、事業の推進に合わせて開発チームの役割を最適化できるよう取り組んでいます。

ピクスタの向かうところ

会社自体の課題としては会社の成長可能性を十分社会に共有できていない点であり、まずは次の柱となるような事業を見出していきたいです。創業時の事業である「PIXTA」を伸ばしつつ、新しい事業を生み出し作っていくということを体現していかなければならないと感じています。事業の立ち上げや組織の立ち上げなど、新しいことへ抵抗なくチャレンジしていく組織づくりが、特にこだわりたい部分ですね。

考え方・マインドについて

エンジニアとして成長に繋がった経験

ピクスタ入社直後は少人数だったため、インフラ周りからアプリのコーディング、サービスの設計・企画、さらに電話対応やオペレーション業務、契約書の作成まで、何でも担当していました。コーディング以外の業務も多く経験できたことで、ユーザー視点をはじめ、サービス作りに必要な視点が身についたと感じています。プロダクトへの貢献方法や事業の成長を肌で感じたこの経験が、「マネジメントにも挑戦してみよう」と思う土台になりました。

課題解決意識こそバリューを出せる

プログラミング言語は時代とともに移り変わるため、表面的な知識よりも、基礎となるコンピュータサイエンスを理解している人こそ、今後も活躍できるエンジニアだと考えています。また、私自身の経験からも、事業の課題をどう解決するか、プロダクトの成長にどう貢献するかを常に考えている人こそ、バリューを発揮できると思います。ただ技術を使うだけでなく、「課題解決のためにどんな技術が必要で、どう使うか」を理解しているエンジニアは、全く新しい技術が生まれても、チャレンジしながら活路を見出せるのではないでしょうか。

小張さんの芯とは

最初の頃は「自分にできないことでも、まず『やります』と言ってから技術を身につける」やり方が多かったため、新しいチャレンジにもとりあえず挑戦してみようという意識を常に持っています。また、自負している点として、適応能力が高く、海外などの新しい環境にもすぐに慣れる自信があり、抵抗はありませんでした。現在の立場になってからは、自分自身の行動責任だけでなく、メンバーのチャレンジにも責任を持つ必要があるため、メンバーに対して任せ切る覚悟や、忍耐力を持つ「度量」が大切だと感じています。

ピクスタ株式会社で働きたい方へ

「才能をつなぎ、世界をポジティブにする」ための事業

創業から続くサービスとして、ストックフォト事業「PIXTA」があります。これは弊社のメイン事業で、写真、イラスト、動画などのデジタル素材のマーケットプレイスです。PIXTAを基軸に、多くのクリエイターと繋がり、顧客のビジュアルニーズを満たすために事業を拡大しています。

写真素材だけでは対応できない「社員を撮影してほしい」などの法人向け出張撮影サービス「PIXTAオンデマンド」や、「モデルを起用した商品使用写真を撮りたい」といった、カメラマンだけでは完結できない法人向けの撮影トータルコーディネートサービス「PIXTAカスタム」も運営しています。また、「カメラマンはいるがモデルを手配したい」といったニーズに応えるため、モデルキャスティングサービス「PIXTAキャスティング」も提供しています。近年は、PIXTAの写真素材を機械学習のトレーニングデータとして利用したいという声もあり、「PIXTA機械学習用画像・動画データ提供サービス」も展開しています。生成AIトレーニングのニーズが高まっているため、海外からも問い合わせが増えており、グローバルに展開できる事業として進めています。


また、一般消費者向けには、子どものライフイベントの撮影などを行う家族・子ども向け出張撮影サービス「fotowa」も展開しています。

事業成長のために議論ができるエンジニアを募集!

現在、弊社は事業を成長・創出するフェーズにあり、0→1を経験することや、1→10に広げていくといった多様なチャレンジが可能です。その中で、ただ「作る」だけでなく、サービスをどう育てるかに関わりたい方に向いています。事業や開発に疑問があれば、議論を重ね、一つ一つ納得しながら開発を進められる環境を整えています。「誰が言うかではなく、何を言うか」を大切にしており、意見が言いやすい環境であることも魅力のひとつです。

また、ベトナム拠点との連携も多く、海外エンジニアとのコミュニケーションや海外拠点へのチャレンジができる点も、ステップアップにつながります。よりグローバルに働きたい方にはマッチするでしょう。

さらに、今必要なのは既存の枠を超えて新しいことに挑戦する姿勢です。自分の役割を超えて積極的に貢献しようとする方は、求める人物像にぴったりです。新しい考え方で価値を生み出していける方、ぜひ一度お話ししましょう!

ピクスタの募集ページ

取材を終えて

インタビューを通して、小張さんの経験とマインドは事業成長に欠かせない考え方だと強く感じました。エンジニア以外の業務にも柔軟に対応してきたご経験や、海外という新しい環境にも適応できる自信、そして新しいことにも積極的にチャレンジする姿勢があったからこそ、取締役CTO・PIXTA VIETNAM代表という重責を任される信頼を築けたのだと思います。「なぜ作るのか」「どう事業を育てるか」というマインドは、エンジニアだけでなく、一社員としても深く共感できるものでした。

ピクスタの事業は、写真素材や撮影サービスを通じて多くの人に笑顔を届けるものであり、今後は機械学習や生成AIのトレーニングにも活用できるグローバルなサービスへと進化していくと伺いました。小張さんを筆頭に、多くのチャレンジを経て、この新たな挑戦が成功することを楽しみにしています。

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