そもそもスキルシートとは?

スキルシートとは、これまでの職務経験で身につけた業務に関するスキルがまとまっている書類です。

エンジニアの転職活動ではこれまで携わった開発プロジェクトの詳細や使用したプログラム言語、OSなど詳細の内容を担当者にも伝えなければいけません。

しかし履歴書や職務経歴書では詳しく携わった開発プロジェクトやそれに応じて経験してきたスキルについて記述することができないため、別途スキルシートにまとめる必要があるのです。

またスキルシートはエンジニアの転職活動以外では派遣など、就業先から雇用されない面談において利用されることあります。

一般的に正社員やアルバイトの転職活動の場合、履歴書や職務経歴書の提出が求められますが、派遣の雇用形態やSESの企業で雇用されている場合、就業先から採用されるわけではありません。

あくまでも雇用は派遣元の企業となるため、就業先に提出するのは履歴書や職務経歴書ではなくスキルシートとなるのです。

担当者はここを見ている! 重点的に攻めるポイントは

エンジニアの転職活動としてスキルシートを作成する際は、担当者が見ているポイントを押さえて攻めることが大切です。
ポイントを押さえずにただスキルを記述するだけでは、担当者に響くスキルシートにはならないからです。
では担当者はスキルシートのどこを見ているのか、そのポイントについて見ていきましょう。

・応募条件に掲載されているスキルをアピールする


応募条件に掲載されているスキルを有していることは、書類選考を通過するための最低条件です。しかし担当者が知りたいのはそのスキルを使って具体的に何をしたのか、ということです。

例えばあるJavaを用いた開発経験が応募条件として掲載されていたとしましょう。 そういった求人にエントリーする際は、他のプログラム言語の開発経験が豊富にあったとしても、アピールすべきはJavaの開発経験です。

職務経歴の中でRubyなど他のプログラム言語の開発経験が豊富でJavaの開発経験が一年程度しかなかったとしても、アピールすべき内容はJavaとなります。

ではスキルシートでアピールできる項目はどこになるのか、というとそれは自己PRです。記載例などは後述しますが、自己PRはエントリーする求人案件に合わせて変更することがポイントです。

・5w1hを基本として具体的に記述する

スキルシートを作成する際は5w1hを意識して作成すると、経験が担当者に伝わりやすくなります。どのような立場、メンバー構成、開発したアプリケーションの概要、期間、場所などが具体的であるほど担当者としてもこれまでの開発経験がイメージしやすくなるからです。

担当者と面接する時間には限りがあり、これまでの経験の全てを口頭で説明できるわけではありません。また簡潔に必要な内容がまとめられていることは文書作成スキルを有することの証明にもなるため、スキルシートは自分自身でも読み直しながら伝わりやすく作成することが大切です。

フォーマットを参考にしてスキルシートを作成する場合でも、不足すると感じた場合は項目を追加してスキルシートを作成しましょう。

・使用言語、OS、ツール、データベースの記述

これまでの使用言語やツール、OS、データベースについては応募条件にないものであったとしても記述しておきましょう。

バージョンやビルド番号まで記載できればより丁寧なスキルシートとなります。
基本チェックされるのは応募条件に応じたスキルや経験ですが、特定のツールやプログラム言語の開発経験が面接で評価されることもあるからです。
経験が多岐にわたる場合は、表形式で記述するなど見やすさも意識して作成しましょう。

・時系列に応じたスキルを記述する

エンジニアとしての経験スキルが豊富にある場合、その情報は時系列に応じて順番に書くことも大切です。
時系列で記載することで、ブランクの有無や直近に経験したスキルを伝えることができるからです。

履歴書や職務経歴書と合わせて見ても矛盾がないようにスキルシート作成の際は時系列を意識しておきましょう。

スキルシートの記載例 

~インフラ系の業務経験が豊富な場合~

【期間】

2018年4月~2019年2月(10ヶ月)

【業務内容】

基幹系システム導入プロジェクト

・システムのインフラ基本設計

・テスト業務

・導入後の運用保守

・サーバー、各種ソフトウェアの手配

・サーバー/クライアント監視

【役割・規模】

メンバー(運用保守担当)

【要員数】

開発8名 インフラ2名

【DB】

SQL Server 2016

Oracle10g

【OS】

Windows server 2016

Windows10

Linux

【ツール】

VMware

IIS

Microsoft Access

Microsoft Excel

【使用言語】

Java

Shell Script

【担当工程】

運用保守、基本設計、総合テスト、結合テスト

【自己PR】
基幹系システムに基本設計から携わったことで、クライアント企業の要望による急な仕様の変更などプロジェクトの変化に柔軟に対応できる知恵を身につけることができました。

またメインに担当してきた業務は主には運用・保守でしたがここ2年ほどはテストや基本設定にも携わる機会がありましたので、今後も状況に応じてエンジニアとして対応できる範囲を広げていきたいと考えています。

またJavaの開発業務の経験は1年程度ではありますが、スキルアップに励みながら御社のプロジェクトに貢献していきたい所存です。

【得意分野】

インフラ構築、保守、運用、セキュリティ管理、セキュリティインシデント対応

【補足】
・上記の他にテクニカルスキルとしてOSやプログラム言語、利用したDBの経験年数やスキルについてまとめることで、より伝わりやすくなり丁寧な印象を与えることができます。

・携わったプロジェクトが複数ある場合は時系列に応じて順番に記載しましょう。

スキルシート例

~プログラマーやリーダー経験が豊富な場合~

【期間】

2017年4月~2019年2月(10ヶ月)

【業務内容】

ログ管理システム開発プロジェクト

・詳細設計

・開発

・テスト業務(テスト仕様書作成含む)

・パッチ開発

・インターフェース設計、開発

【役割・規模】

メンバー(開発担当)

【要員数】

開発11名 インフラ2名

【DB】

SQL Server2008

【OS】

UNIX

【ツール・ミドルウェア】

AWS

IIS

【使用言語】

Java VB PL/SQL Shell

【担当工程】

基本設計、開発、結合テスト

【自己PR】
私はこれまでどうすればより効率的に作業が進められるかを考えて常に業務に取り組んできました。

具体的にはある保険業界の基幹系システムの開発では積極的にフレームワークの導入を提案し、開発サイクルを短縮させることに成功しました。

またリーダー業務を担当した際はメンバーとのコミュニケーションを積極的にとることで、情報を共有しやすいチームの雰囲気づくりにも貢献してきました。

直近の2年ほどはプロジェクトリーダーを経験してきましたが、プログラマーとしての技術にも磨きをかけて御社のプロジェクトに貢献していきたいと考えています。

【得意分野】

Javaの開発,プロジェクトリーダー業務,Shell

【補足】
・上記の他にテクニカルスキルとしてOSやプログラム言語、利用したDBの経験年数やスキルについてまとめることで、より伝わりやすくなり丁寧な印象を与えることができます。

・携わったプロジェクトが複数ある場合は時系列に応じて順番に記載しましょう。

【まとめ】スキルシートは採用担当の視点を持って作成しよう

スキルシート作成のポイントはここまで述べてきた通りですが、最も大切なことは採用担当者の視点を持つことです。

では採用担当者の視点を持つにはどうすればいいかという話ですが、まずは完成したスキルシートを読み直すことが大切です。

スキルシートは完璧に仕上げと思ったとしても、じっくりと読んでいくと気になるポイントがあるものです。

同じ内容が重複して記載されている、求人に合った自己PRになっていないなど、読み直すことでおかしなところを発見できることが少なくありません。

またスキルシートは自分でチェックするだけでなく、第三者にチェックしてもらうことも大切です。

自分自信では気づかなかったおかしな表現などがあれば指摘してもらえる可能性があるからです。

エンジニアとしてスキルシートを作成する場合、書き終えた後に客観的な視点を持ってスキルシートをチェックすることをおすすめします。

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