IT業界では様々な種類のエンジニアが働いており、業種・職種で呼び名が変わってきます。まず、IT業界ではインターネット・Web業界、情報処理サービス業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界の4つに分類することができます。

この中でも、IT業界の中で語られることが多いのが、インターネット・Web業界、情報処理サービス業界の2つです。

インターネット・Web業界では、Webエンジニアと呼ばれる方が働いている場合が多く、Webサービスの設計・開発を行います。また、Web系エンジニアの中でも、インフラエンジニア・バックエンドエンジニア・フロントエンドエンジニアなど様々に分かれています。

一方で、情報処理サービス業界では開発したシステムをお客さん先に導入していく場合が多く、客先常駐の案件が多くなっています。客先常駐で働くエンジニアの方はSESエンジニアと呼ばれており、Web系エンジニアとよく対比で説明がなされることが多いです。

というのも、Web系エンジニアは自社サービスの開発を行い、SESエンジニアは他社のシステム開発をメインで行っていくからです。

今回はWeb系エンジニアに焦点をあてて、オリンピック後の動向を中心に見ていきます。

Web業界を再定義 

Web業界とは、WebページやWebサービスといった、Web上のシステム・アプリケーションを提供する企業が属している業界のことです。

Webには、Eコマース、SNS、ポータル、キュレーション、ソーシャルゲーム、Eラーニング、電子書籍、Web広告など様々なWebサービスがあり、それらのWebサービスを提供している企業の集合をWeb業界といいます。

例えば、コミュニケーションツールのLINE、Eコマースとして有名なAmazon、検索エンジンとして有名なGoogle等もWebサービスと一部になります。

Web系にはこのように普段から使っているような様々なサービスがありますが、開発組織・手法にも特徴があります。まず、Web系の開発では、「フロントエンド開発」「バックエンド開発」と分かれています。

フロントエンド開発では、皆さんが画面越しに見ているホームページやWebサービスの見た目の部分を開発します。文字やメニューの大きさ・色・配置・動きや、全体のデザイン設計等を担当します。

HTML+CSSによってサイトのデザインを構成し、JavaScriptでサイトに動きをつけることでサイトとしてユーザーが使える見た目に構成することができます。

一方のバックエンド開発では、ユーザーが見えない部分の処理の部分を開発します。ユーザーの動作に対してどのような処理を返すかということを実装します。

Java・PHP・Ruby・Pythonなどのサーバーサイドのプログラミング言語を用いて処理を実装していきます。

これらフロントエンド開発とバックエンド開発の双方が共に成されることで、一つのシステムが完成していきます。

Web業界での職種では、「コーダー」「Webデザイナー」「フロントエンドエンジニア」「Webコーダー」「マークアップエンジニア」「プログラマー」「バックエンドエンジニア」「システムエンジニア」などがあり、それぞれの役割は異なってきます。

ただ、Web業界では数人でサービスを運営しているスタートアップやベンチャー企業が非常に多く、これらの役割が分担されていない場合も非常に多いです。そんなエンジニアは「フルスタックエンジニア」と呼ばれ、フロントエンド開発もバックエンド開発もこなすといった場合もあります。

Web業界の現状は?

続いて、Web業界の現状についてです。

Web業界は数多くのWebサービスがあり、GAFA(Google,Amazon,Facebool,Apple)と呼ばれる世界四大企業が提供しているサービスが最も有名であると言えるでしょう。

これらの企業は世界の時価総額ランキングトップ10に入っている企業群であり、Web系のサービスが多くのユーザーに使われ、多くの売上が出ていることがわかります。

Web業界は年々成長しているので、Web系の案件も年々増えていると聞きます。

Web業界では、PCを用いて仕事することが多い業界であるので、リモートワークやフレックスタイム制度による働き方が定着しており、フリーランスや契約社員、正社員など様々な雇用形態で働くことが可能になっています。

Web業界は、成長率の高さ、働き方の多様性があり、おすすめできる業界と言えます。

オリンピック後のWeb業界は?

オリンピック後のWeb業界は?

株式会社野村総合研究所 日本の成長を支える産業「ウェブビジネス」によると、市場規模は2010年の9.9兆円から2020年47.2兆円にまで成長すると予測されており、この10年間で4.5倍もの成長を遂げると予想されています。

かなり成長率の高い業界であることがわかると思います。この成長に伴い、雇用が促進されることも予想されているので、Web業界において多くの案件が生まれると予想されます。

ただ、このような予測がある一方で心配になってくるのが、オリンピック後の景気の冷え込みです。1964年に東京オリンピックが行われた際には、その後に景気が冷え込むということがあったため、今回の東京オリンピック後も景気の冷え込みが心配されています。

景気が冷え込む際は、広告→IT投資の順に企業は経費を削減するという定説があります。IT投資として名前が挙がるのはSIerの企業です。

一方で、Web業界の企業は生活していくのに不可欠なWebサービスを提供している企業も多いので、景気後退の影響を受けにくいと言えるでしょう。

ITエンジニアとして働いている方は、SIerではなく、Web業界の企業にて働くことを考えた方が良いと言えるでしょう。

注目したい業種と職種は?

続いて、注目したい業種と職種です。結論から言うと、運用・保守、カスタマーサービス部門のエンジニアと言えるでしょう。

オリンピック後の景気の冷え込みが予想されていますが、もしそうなると、企業はIT投資を控えるようになります。そうなると、新しいプロジェクトが生まれなくなり、ITシステム案件の発注、新規事業開発は少なくなります。

しかし、既存のシステム、サービスはオリンピック後も運用・保守が必要となってきますし、何か問い合わせがあればカスタマーサービス部門のエンジニアが対応することになります。

ですので、新たなIT投資が少なくなるが、既存のシステム、サービスの運用・保守、カスタマーサービスは変わらずに必要となると言えます。

まとめ

Web業界 今後の動向を大胆予測 オリンピック後はこうなる というテーマで今回はお伝えしました。いかがだったでしょうか? 今回お伝えしたかったことは以下のとおりです。

  1. Web業界とは、WebページやWebサービスといった、Web上のシステム・アプリケーションを提供する企業が属している業界
  2. Web業界の企業は生活していくのに不可欠なWebサービスを提供している企業も多いので、オリンピック後の景気後退の影響を受けにくいと言える
  3. 運用・保守、カスタマーサービス部門のエンジニアは、既存のシステム、サービスの維持をする必要があるという点で今後注目できる

オリンピック後に景気後退が起こると言われていますが、実際のところどうなるかはわかりません。しかし、いずれにせよWeb業界は情報処理サービス業界に比べると、景気後退の影響を受けにくいでしょう。

今回の考察をもとにぜひ自分のキャリアについて考えてみてください。

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