未経験から何を始めるのか?

未経験からエンジニアを目指す場合は、最初にゴールを明確にすることが大切です。

なぜならWebエンジニアとインフラエンジニアでは同じエンジニアであったとしてもそれぞれの職種で求められるスキルが異なってくるからです。

Webエンジニアにとって有用な経験がインフラエンジニアになった場合も評価されるとは限りません。

またゴールが明確になれば何を勉強するべきなのか、どういう転職活動をすればいいのかが明確になるというメリットがあります。

しかしエンジニア未経験の状態でゴールを明確にすることは簡単なことではありません。

未経験の状態ではエンジニアとして就業している姿に実感が持てないケースが少なくないからです。

ではどうすれば、エンジニア未経の場合、何から始めるべきなのでしょうか。

それは実際にプログラミング学習、ネットワークの書籍に目を通すなど具体的にITの学習を始めることです。

興味がある分野についての勉強をスタートすることで、自分自信が強い関心を持てるかどうかを見極めることができるからです。

エンジニアの職種は適正の見極めも大切であり、エンジニアとして転職ができた後も勉強を続けることが基本的には必要です。

そのため本当に関心を持ち続けることができるのかどうかを調べるためにも勉強を始めることは有用だといえるでしょう。

その他には実際に既にエンジニアとして働いている友人や知人、人材サービス会社のコンサルタントの話を聞くことも大切です。

実際にエンジニアとして働いている人やIT業界に精通している人からアドバイスを受けることで転職活動が速やかになるケースは少なくないため、第三者の意見を聞くこともおすすめです。

目指す方向を設定しよう CTOかPMか他には何がある?

エンジニアのキャリアプランを考える際は、大まかに目指す方向を設定することも大切です。

明確なゴールを決めることができない場合も目指す方向だけは早い段階で設定しましょう。

では具体的に目指す方向性にはどのようなものがあるのでしょうか。

順番に見ていきましょう。

CTOを目指す

CTOとはChief Technology Officer を意味する略語であり、企業内における最高技術責任者を意味しています。

エンジニアとしてキャリアをスタートして目指すことができる、社長などを除けば企業内の最上位のポジションでもあります。

CTOになれば経営や事業戦略を把握したうえでもIT技術の戦略について考えることが求められます。

エンジニアとしてITに関する深い知識が必要になることはもちろん、マネジメントや経営に関しても高いスキルが求められます。

そのためCTOを目指すならエンジニアとしての高みを目指す以外にも、ビジネスマンとしてのスキルを高めていくことも必要となります。

また大企業でのCTOを目指すとなると競争率が高く求められるハードルも高くなりがちですが、ベンチャー企業やスタートアップ企業でエンジニアとしての実績を積み重ねることができれば、社員数がエンジニアの人数から考えればCTOになれるチャンスは大企業よりもあると考えられます。

もちろんCTOは簡単になれる職種ではありませんが、CTOを目指すなら戦略的にスキルアップや就職をすることが欠かせません。

PM(プロジェクトマネージャ)を目指す

PMとはプロジェクトマネージャの略語であり、プロジェクトの計画と実行における責任者として業務に取り組む職種です。

エンジニアのキャリアプランは大きくわけて、ITスペシャリストとマネジメントができる管理者に分かれます。

実際に会社員エンジニアとして一定期間就業するとどちらの方向でキャリアプランを考えているのか、問われることが少なくありません。

エンジニアとしてマネジメントスキルの習得を目指すなら、PMは目標にできる職種でもあります。

また経済産業省の資料「IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果」によると891.5万円。

年収を上げることに重きを置くなら、目指す価値がある職種だといえるでしょう。

参考:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果」

ヘルプデスクのエンジニア

エンジニアはインフラエンジニアやWebエンジニア、組み込み系エンジニアなどの職種以外に、ヘルプデスクのエンジニアも存在しています。

ベルプデスクのエンジニアはパソコン機器の管理や障害対応、または特定のソフトウェアの技術相談のエンジニアとして活躍します。

フリーランスなどの独立を目指すことは難しい働き方ではありますが、長く就業することで特定の分野について突出したスキルを身につけることができるため、安定的に働くことができるという特徴があります。

ヘルプデスクは未経験者の採用を行っているケースも珍しくないため、未経験でもチャレンジしやすいエンジニアの職種の一つでもあります。

目指すべきはフリーランスか転職か?

エンジニアとしてある程度の実力が身につけば、フリーランスとしての独立もしくは転職によるキャリアアップを狙うという選択肢もあります。
ある程度の経験を経た後はその実績やスキルに応じて転職するのか、フリーランスとして独立するのかという選択ができるようになるからです。

またフリーランスか転職か、という課題はエンジニアとして長く就業すれば誰もが一度は考えるものです。
では次に、フリーランスと転職のそれぞれのメリットとデメリットについて見ていきましょう。

フリーランスのメリットとデメリット

フリーランスのメリットは提示される報酬の高さにあります。
実際に高いスキルを身につけている場合は、月単価として80万円以上、さらに100万円を超えるケースもあります。

しかし単価が高い報酬の案件を受託できたとしても、それがずっと続くわけではありません。

長ければ複数年に渡って同じ企業から継続的に案件を受託できるケースもありますが、その一方でプロジェクトの終了が業務の終了となるケースもあります。
そのためフリーランス向けの人材エージェントを活用する、もしくは独自の人脈を構築するなどして、仕事が途切れないような環境を自らつくることも必要になります。

このような仕事探しが難なく行える場合、フリーランスになるメリットは大きいといえるでしょう。

ではフリーランスのデメリットとは何なのでしょか。
それは仕事が安定しない可能性が高いこと、そして基本的に自己責任で仕事をしなければならなくなることです。

正社員として雇用される形でエンジニアとして働いていれば、基本的には会社からの指示に従っていれば仕事が途切れることはありません。もちろん業績の悪化によりリストラの可能性がないわけではありませんが、フリーランスよりは安定的に働くことができます。

また会社員として働いている場合、業務上のトラブルなどの責任の所在はその部門の管理者や雇用している会社となり、税金や健康保険の支払いなど面倒な手続きを会社に任せることもできます。フリーランスとして独立する際は、このような会社員との違いを理解して検討する必要があるといえるでしょう。

転職のメリットとデメリット

転職のメリットはスキルに応じた年収アップが狙えること、そして雇用が安定することです。

転職は市場価値が高いスキルを身につけておけば、転職で年収アップを狙うことも可能です。

そして正社員として転職ができれば雇用が安定するため安心感を持って働くことができます。

その一方で転職はフリーランスとしての独立と比較するとどうしても自由度が低くなります。

フリーランスは雇用されるのではなく、あくまでも企業と対等な立場で契約を結び業務をするため、複数の事業を兼務することができます。

またフリーランスエンジニアは都市部であれば単価が高い案件が集中しているため、一定期間働いて稼いだ後にしばらく仕事を減らす期間をつくるなど、柔軟な働き方もしやすいという側面があります。

それに比べると正社員エンジニアは雇用契約で必要な労働時間が定められており、副業が禁止されているケースも少なくありません。

そのため転職して働くことは、フリーランスとして独立することに比べると柔軟性があまりないことが分かります。

近年はリモートワークを導入している企業が増えてはきているとはいえ、柔軟な働き方を望む場合は転職活動をして正社員エンジニアになることは、デメリットが大きいと考えられます。

理想のキャリアプランを描いてみる 20代から50代まで

では次に未経験からエンジニアを目指す場合の現実的かつ理想的なキャリアプランを大まかに見ていきましょう

20代の場合

Webエンジニア、またはインフラエンジニアとして就職

(エンジニアとしての基礎を身につける) 

→ 転職で正社員エンジニアとしてリーダー業務やマネジメントを経験(交渉スキルやコミュニケーションスキルを身につける)

→ フリーランスとして独立(大幅に年収アップ)

30代の場合

Webエンジニア、インフラエンジニアまたはテストエンジニアとして転職

(業務を通してITのスキルを磨いて、独学でプログラミング学習にも取り組む)

→ 一定以上のスキルが身に付いたら、Webエンジニアやプログラマーとしての転職活動を開始 

→ 正社員エンジニアとしてエンジニア業務を経験 

→ フリーランスとして独立

40代の場合

ヘルプデスク、またはテストエンジニアとして転職 

→ スキルを身につけてインフラジニア、またはWebエンジニアとして転職 

→ ITスペシャリストやプロジェクトマネージャを目指す

50代の場合

ヘルプデスク、インフラエンジニア、またはWebエンジニアとして転職 

→ コミュニケーションスキルとマネジメント能力を活かして管理者を目指す

これらのキャリアプランはあくまでも一例ですが、40代以降になると年齢に応じたスキルが身についていなければ転職活動やフリーランスとしての案件の受託は難しくなります。

そのため40代以降から未経験でエンジニアを目指す場合は、なるべく一つの環境に長く身を置いてしっかりとスキルを身につけるか、一つの組織の中でキャリアアップを狙う方が無難で現実的なキャリアとなります。

その一方で未経験でも20代、30代であれば体力がある時期に一定以上のスキルを身につけることができるため、フリーランスとして独立して成功する可能性も高くなります。

フリーランスは適正があるため全ての人に推奨できるわけではありませんが、経営者になることや自分で仕事をつくることに関心がある場合は、検討すべきキャリアプランの一つになると考えることができます。

【まとめ】未経験からエンジニアを目指すならキャリアプランは戦略的に考えよう

ここまで紹介してきたように未経験からエンジニアを目指す場合は、様々な選択をしなければいけません。

しかし一度にすべてのことを決められるわけではありません。

まずはゴールを明確にすることや、自分自身の適正の見極めからはじめましょう。

そしてある程度進みたい方向性が見えてきたら次に考えるのが具体的なキャリアプランです。

エンジニアの求人やフリーランス案件は東京や名古屋、福岡、大阪など都市部や大都市に集中しやすい傾向があるため、キャリア形成の初期は地方在住なら転居を伴うことも検討すべきだといえるでしょう。

また年齢が高くなるほど採用が厳しくなるのはどこの業界でも同じです。

40代以降未経験からエンジニアを目指す場合、自分自身の経験やスキルが少しでも活かせるキャリアプランはしっかりと考えて、転職活動は慎重に進めていくことをおすすめします。

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