フルスタックエンジニアとは

フルスタックエンジニアとは、一般的に知られるネットワークエンジニアやデータベースエンジニアなど、個々の分野に特化したエンジニアとは異なり、あらゆる分野を網羅してマルチに活躍できるエンジニアを意味しています。

企業によってフルスタックエンジニアは、マルチエンジニアと呼ばれることもあります。

フルスタックエンジニアの特徴は、通常であれば分業するプロジェクトであっても分業せずに一人で担当するところにあります。

フルスタックエンジニアは一人で全てを管理するため、業務量は専門分野に特化したエンジニアよりも多くなりますが短期間で濃い経験を重ねることができるため、スキルアップが期待できます。

またフルスタックエンジニアなら問題が発生した場合でもスムーズな対応が可能です。

サーバーやセキュリティ、データベース、ネットワークなど、通常開発には様々なエンジニアが携わるため、問題が発生した時に問題の特定には時間がかかります。

特に規模の大きい開発となると携わるエンジニアの数が増えていくため、何を改善すればいいのか原因を特定するだけでも時間がかかってしまいます。

例えば近年であればスマホゲームが人気ですが、人気ゲームの中にはネットワーク通信を介してボーナスステージなど特別なコンテンツを提供するものが少なくありません。

こういったネットワーク通信を前提としたスマホゲームの開発には、サーバーサイドとクライアントサイドで、それぞれエンジニアの役割があります。

分業制で問題が生じればサーバーサイド、クライアントサイドそれぞれのエンジニアへ確認を依頼し、さらにプランナーなど仕様サイトへの確認も必要となってしまいます。

ところがフルスタックエンジニアなら、開発の全体像を常に把握して仕事を進めることができるため、問題が発生した際にもすみやかな対応が可能です。

フルスタックエンジニアは通常複数人で対応する業務を一人で対応するため、決して楽な職種ではありません。しかし最適な規模の職場へ転職することができれば、能力を発揮しながら責任ある役割を担うことができます。

フルスタックエンジニアの平均年収はいくら?

厚生労働省が発表している平均年収や賃金の統計情報には、フルスタックエンジニアとう名称の職種は含まれていません。その理由の一つとして、フルスタックエンジニアという名称が日本ではまだ馴染みが薄いということがあります。

フルスタックエンジニアという名称が国内の求人サイトで使われはじめたのは2013~2014年頃からです。またマルチエンジニアと呼ばれることもあってか、フルスタックエンジニアは政府が統計情報として調査する対象の職種ではありません。

しかし賃金構造基本統計調査の一つとして、統計情報をまとめている「e-stat」にはシステムエンジニアとプログラマー、それぞれの平均年収が公開されています。フルスタックエンジニアは会社によってはシステムエンジニアとプログラマー、それぞれの役割を担います。

参考情報として、まず2017年のシステムエンジニアとプログラマー、それぞれの統計情報/平均年収から見ていきましょう。

【システムエンジニアの統計情報/年収】

所定内給与額 3,753,000円

年間賞与その他特別給与額 1,0044,000円

年収(上記合計)13,797,000円

【プログラマーの統計情報/年収】

所定内給与額 2,369,000円

年間賞与その他特別給与額 5,993,000円

年収(上記合計)8,362,000円

上記の平均年収は平均の勤続年数の調査も含めて導き出された数字です。システムエンジニアは勤続年数約11年、プログラマーは6.5年を前提にしています。

フルスタックエンジニアの年収は統計調査されたこれらの職種にも含まれているため、勤続が6年から11年ほど続けば、会社によってはこれらに近い年収を目指すことができるといえるでしょう。

そしてプログラマーもシステムエンジニアも統計情報を見る限りでは、「年間賞与その他特別給与額」が「所定内給与額」を大きく上回っていることが分かります。

フルスタックエンジニアとして高い年収を目指して転職するなら、賞与や諸手当の有無を確認することは重要なポイントの一つだといえるでしょう。

しかし上記の平均年収は勤続年数6年以上を前提としたものなので、必ずしも初年度から年収800万円以上を目指せるわけではないのでその点は注意が必要です。

政府機関以外の情報に目を向けるとITスキル研究フォーラムなど、他の機関の調査結果ではITエンジニアの平均年収502万円として数字を出しています。

また実際にネットで公開されている求人情報を見てみると、初年度は年収400万円もしくは年収300万円からとなっている案件も少なくありません。

その一方で年収の上限として年収800万円や年収1,000万円を掲げているケースもあるため、フルスタックエンジニアとしての転職は、これまでの経験やスキルがマッチすれば、高い年収を目指せる可能性があるといえるでしょう。

サーバーサイドとフロントの言語を使い開発をするエンジニア

フルスタックエンジニアに必要なスキルとキャリア

フルスタックエンジニアはマルチに活躍するエンジニアではありますが、基本的にはいきなり未経験から目指せる職種ではありません。なぜならエンジニアとして、一つの特定領域に強いエンジニアになるだけでも簡単なことではないからです。

フルスタックエンジニアとして幅広く仕事ができたとしても、実力が二流であれば責任ある仕事を任せてもらうことはできません。

フルスタックエンジニアを目指すのであれば、まずはサーバーサイドエンジニアとしてのスキルを身につける、もしくはクライアントサイドの開発スキルを身につけるなど、最初は領域を特定してスキルを身につけることをおすすめします。

まずはサーバーサイドの開発からと決めるなど、段階を経てスキルを磨いていけば、着実にフルスタックエンジニアを目指すことができます。

またフルスタックエンジニアを目指すなら、分業制を基本とした大企業ではなく、ベンチャー企業で働くことを選びましょう。ベンチャー企業であれば、少数精鋭でチームが編成されていることが多く、短期間で幅広い経験を重ねることができます。

開発には「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「稼働&運用」と様々なフェーズがありますが、ベンチャーであれば、より多くのフェーズに携われる可能性が高くなります。

仕事内容はハードになりがちですが、将来的にフルスタックエンジニアを目指すのであれば、ベンチャー企業のエンジニアからキャリアをスタートさせるのもおすすめです。

フルスタックエンジニアの職務内容とは

フルスタックエンジニアの職務は前述の要件定義から運用まで、全てのフェーズを一人もしくは少人数で担当していきます。基本的にフルスタックエンジニアの需要はベンチャーなど少人数の開発現場となるため、業務量は多くなります。

具体的な職務としてはサービス基盤の構築とバージョンアップ、運用最適化など。開発から運用のフェーズまで担当するため、外部業者への作業の発注も業務に含まれることがあります。プロジェクトマネジメントのスキルも現場によっては求められます。

人材エージェントサービスを活用して転職しよう

フルスタックエンジニアは幅広い領域で常にスキルアップしていくことが求められるため、基本的にはベースとなる経験が必要です。

その一方でフルスタックエンジニアは稀に未経験者でも募集がかかる場合があります。しかし数ある求人情報の中から、未経験者可や自分のスキルに見合った案件を見つけることは簡単ではありません。

そこでおすすめは、エンジニアやクリエイターのためのIT/Web業界に特化した転職求人サイト「techcareer」の活用です。求職者の経験やスキルに応じた求人案件が、弊社エージェントから紹介されます。

どれだけ条件がいい会社に転職できたとしても、ニーズが合っていなければ長く働き続けることはできません。

また会社側と求職者側の両方の要望を把握しているエージェントを介した求人案件の紹介なら、ミスマッチのリスクを回避できる可能性は高くなります。

これから転職でフルスタックエンジニアを目指すなら、『techcareer』を是非ご活用ください。

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