【エンジニアの年収】高額職種は何?

エンジニアはIT業界の中でも高い年収が提示されることがある職業の一つですが、エンジニアといってもその職種は様々であり、提示される年収にも開きがあります。

ではエンジニアとして高い年収が提示される職種は何なのか、経済産業省の「IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果」を元に見ていきましょう。

プロジェクトマネージャ 891.5万円

プロジェクトマネージャとは、システムやソフトウェアの開発業務でプロジェクトをマネジメントする職種です。

プロジェクトについての理解だけでなく、エンジニアとして一定以上の技術も求められます。加えて責任がある立場なので、高い年収が提示されることが少なくありません。

またエンジニアとしての技術だけでなく、コミュニケーションやリーダーシップなどのスキルも求められることから、ヒューマンスキルが必要とされる職種でもあります。

高度ITエンジニア(基板設計担当・ITアーキテクト) 778.2万円

基板設計担当・ITアーキテクトは主に経営の視点からシステムの設計を行う職種です。

ITに関するスペシャリストとしての技術だけでなく、リーダーシップやマネジメント、経営に関する深い理解など様々な能力が求められる職種でもあります。

「IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果」では就業するために前提条件としてレベル4(部下を指導できるチームリーダーのレベル)が必要とされています。

そのため基板設計担当・ITアーキテクトなどの高度ITエンジニアは、複数年のエンジニア経験を経て目指せる職種だといえます。

IT技術スペシャリスト(特定技術/DB/NW/セキュリティ等) 758.2万円

IT技術スペシャリストは高度ITエンジニアと比較すると、経営への理解やリーダーシップまでは求められませんが、高い技術力を必要とする職種です。

「IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果」では就業するために前提条件としてレベル3.9が必要とされています。

レベル3の条件が(独立して仕事ができる中堅人材レベル)となっているため、中堅人材として認められる以上のスキルが必要となるといえるでしょう。

NWやDBなどある特定の分野で長けていることが前提条件となっているため、IT技術スペシャリストを目指すためには日々スキルアップを目指して経験を積み重ねることが大切です。

【エンジニアの年収】スキル別で調査した結果

職種によるエンジニアの年収の違いは先に述べた通りですが、この違いはスキルに置き換えて考えることもできます。

では高い年収に結びつくスキルとしてはどのようなものがあるのか、順番に見ていきましょう。

プロジェクトマネジメントスキル

プロジェクトマネジメントのスキルがあれば、プロジェクトマネージャとして就業できる可能性が高くなります。

そのためプロジェクトマネジメントスキルは高い年収を目指す際には有用なスキルの一つだといえるでしょう。

プロジェクトマネジメントスキルを身につけるためには、プロジェクトにおけるリーダー業務を通してマネジメントを経験することだけでなく、資格取得も有用な手段となります。

またプロジェクトマネージャの試験としてはIPA(情報処理推進機構)が実施している、プロジェクトマネージャ試験があります。

試験の合格率は14.1%であり、難易度の高い試験ではありますがそれだけに取得していることが評価されるケースは少なくありません。

プロジェクト全体の意思決定に携わるような重要なポジションでの就業を目指す際にも取得を目指しておきたい資格でもあります。

プロジェクトマネジメントスキルを身につけてプロジェクトマネージャになることで目指せる平均年収は891.5万円です。

参考:IPA(情報処理推進機構)「プロジェクトマネージャ試験」

アーキテクチャ設計スキル

ITスペシャリストとして一定以上のスキルを身につけた上でアーキテクチャ設計スキルを身につけることができれば、ITアーキテクトを目指すことができます。

アーキテクチャ設計スキルを大まかに説明すると、システム要件の分析や定義、さらにアーキテクチャ設計における指針の定義などをするスキルです。

このようなアーキテクチャ設計スキルは主には上流工程における業務経験で身につけることができますが、スキルを高めていくためには経営課題の解決をゴールとした具体的な設計の実務経験が必要となります。

アーキテクチャ設計スキルを習得すると、上流工程のスペシャリストとしてのエンジニアを目指すことができます。

スペシャリストになると、一般のエンジニアよりも良い報酬を提示される可能性が高くなるため、エンジニアの年収としてより良い条件を目指すことができるといえるでしょう。

またアーキテクチャ設計スキル以外にも高いコミュニケーションスキルとリーダーシップを身につけることができれば、前述のITアーキテクトを目指すことができます。

ITアーキテクトは平均年収が778.2万円あるため、アーキテクチャ設計スキルはより良いエンジニアの年収を目指すためには有用なスキルだと考えられます。

ITアーキテクトの資格としてはIPA(情報処理推進機構)が実施しているシステムアーキテクト試験があります。

システムアーキテクト試験とはシステム開発の上流工程を指導する立場であり、さらに上級エンジニアを目指す場合に適している試験です。

システムアーキテクト試験に合格することでシステム開発における上流工程の深い知識を有することの証明にもつながるため、上流工程を専門としてエンジニアのキャリアを積み重ねていきたい場合に検討する価値がある試験となります。

合格率15.3%となるため難易度の高い試験ではありますが、設計スキルを身につけてエンジニアの年収を高めていきたい場合にはおすすめの試験です。

参考:IPA(情報処理推進機構)「システムアーキテクト試験」

ネットワーク/セキュリティの専門知識

ネットワークやセキュリティの専門知識はインフラ系のエンジニアには欠かせないものです。

インフラ系のエンジニアとして就業している場合はこれらの知識と技術について磨きをかけることでより高い年収を目指すことができます。

またインフラはシステム開発と同様に、今後も一定の需要が見込める分野となります。

エンジニアとして安定したキャリア形成を目指す場合にも、ネットワークやセキュリティの専門知識を身につけることは有用な判断だといえるでしょう。

では具体的にネットワークやセキュリティの技術を身につけるためにはどのようなことをすればいいのでしょうか。

ネットワークやセキュリティの技術を身につける最も有用な手段はインフラエンジニアとしての実務経験を積み重ねることです。

資格試験の合格が一定の評価になることは間違いありませんが、ネットワークやセキュリティは奥が深い分野でもあるため、基本的には実務経験の内容や長さが社内評価や転職活動の際のポイントとなります。

実務未経験から就業した場合、インフラエンジニアは最初から高い年収を提示される可能性は低くなります。

しかし将来エンジニアの年収として高い報酬を目指すのであればまずはエンジニアとしてのキャリアをスタートさせることも検討すべきだといえるでしょう。

ネットワークやセキュリティに関する国家試験としてはIPA(情報処理推進機構)が実施しているネットワークスペシャリスト試験があります。

参考:IPA(情報処理推進機構)「ネットワークスペシャリスト試験」

エンジニアの年収 将来性のある職種は?

エンジニアの年収が高く将来性がある職種の一つは、AIエンジニアです。

AIエンジニアは高度な知識とスキルが求められるため、AIエンジニアとして活躍する際のハードルは高くなりますがある程度のキャリアを積み重ねることができればスペシャリストとしての活躍を目指すことができます。

ではなぜAIエンジニアは将来性がある職種だといえるのでしょうか。

その理由の一つは、AIの活用やRPAのような業務の自動化が昨今のIT業界のトレンドであることです。加えて多くの業界が人手不足となっている状況も自動化の需要の高まりに拍車をかけていると考えられます。

またAI技術の活用は政府が推進する施策の一つでもあります。

総務省の公開資料「次世代人工知能推進計画」では明確に人工知能を推進することが明記されています。

その分野は医療、福祉、教育、防災、生活支援、コミュニケーション、農林水産分野など多岐に渡ります。

実際に近年はあらゆる業界でAIの活用が取組として始められています。

前述のクラウドやセキュリティも将来性があることは間違いありませんが、その中でもAIエンジニアは注目すべき職種だといえるでしょう。

参考:総務省「次世代人工知能推進計画」

エンジニアの年収 将来性のあるスキルは?

将来性のあるエンジニア職種はAIエンジニアであることは先に述べた通りです。

ではAIエンジニアに関連した将来性があるスキルにはどのようなものがあるのでしょうか。

それはプログラミングスキルと機械学習の知識です。

プログラミングスキルはWebエンジニアやソフトウェア開発エンジニアなど他のエンジニア職種にも汎用的に必要となるスキルです。

そのためAIエンジニア以外のキャリアを目指す場合にも無駄になることはありません。

また機械学習の技術は近年あらゆる業界や分野に取り入れられているため、AIエンジニア以外にも、その知識が役立つことが予想できます。

これらのスキルをある一定以上身につけて中堅人材になることができれば「IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果」が示すレベル3のエンジニアになると考えられるため、平均的な年収としても576万円程度は目指すことができます。

【まとめ】エンジニアの年収アップを目指すならスキルアップだけでなく需要についても考慮しよう

ここまで紹介してきたように、エンジニアの年収アップを目指すなら基本はスキルアップが欠かせません。

しかし何も考えずにスキルを身につけたからといって年収がアップするわけではないのです。

なぜならIT業界にも需要の移り変わりがあり、今必要とされている技術が10年後も同じような需要があるとは限らないからです。

そのため長く活躍してエンジニアとして高い報酬を目指すなら、市場の需要の変化についても目を向けることが大切になるでしょう。

参考:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する 実態調査結果」

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