2017年3月、政府の「働き方改革実現会議」で決定された「働き方改革実行計画」では、「副業や兼業は第2の人生の準備として有効である」と言及されています。年々IT人材の需要は高まっており、昨今副業を許可する企業も増えています。そもそも副業を考えているエンジニアはどれくらいいるのでしょうか?
弊社の新サービス「テクスカ」にご登録いただいているユーザーの副業意欲を調査したところ、回答している225名のうち202名が「今すぐ副業したい・機会があれば副業したい」を選択していることがわかりました。
なぜエンジニアが副業を始めるのか
エンジニアいったいなぜ副業を始めるのか調査しました。
エンジニアと副業は相性が良いから
エンジニアの仕事はPCとネット環境があればできる仕事であり、もともとリモートワークとの相性がいいです。最近では、チャットやビデオ会議アプリが一般的になっており、コミュニケーションもリモートでも取りやすいということも後押ししています。
キャリアに対する不安があるから
弊社の新サービス「テクスカ」のユーザー、総勢250名にインタビューをしてきたのですが、少なからずキャリアに不安を抱えている人が一定数いることがわかりました。このような方々が、キャリア形成のために副業に手を伸ばすのではないでしょうか。
副業するメリット・デメリット
なぜエンジニアが副業を始めるのか理由がわかったところで、次はエンジニアが副業をするメリットとデメリットについてお話します。
エンジニアが副業をするメリット
副業を始めることにどのようなメリットがあるのでしょうか。パーソル総合研究所の調査データによると、赤線で示されている「収入」「スキルアップ」「自己実現」が上位3つであることがわかります。それでは詳しく見ていきましょう。
収入:お小遣い稼ぎができる
転職や独立で給料アップを実現することも可能ですが、手軽に始められるのが副業です。プラスアルファの収入として副業をする人も少なくありません。エンジニアの副業は、他の副業と比較しても単価が高いことも魅力的です。
自己実現:やりたいことができる
自分がやりたいものとは別の仕事に就いている人は世の中にたくさんいると思います。そこで副業として、やりたいことをしてお金がもらえたり、誰かの役にたてたら嬉しくなります。また、本業の安定がある中で、自分がやりたいと思うことに、特に自由に時間の使える土日でどんどんチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
スキルアップ:スキルアップにつながる
本業ではなかなか使えない技術を使うことができるケースもあります。現在勉強している技術を副業で実践することができるので、まずは小さな案件から初めてご自身のスキルを研磨していくことをオススメします。
エンジニアが副業をするデメリット
一方で、副業をすることでどのようなデメリットがあるのかをまとめました。
本業が疎かになる可能性がある
もちろん本業が第一!まずは、小さな改修/プログラミングの講師などの、空いた時間や土日に短時間でできる案件を選ぶと良いかもしれません。フルリモート案件もあるので、無理のないようにできることからはじめてはいかがでしょうか。
自由な時間が減る
本業以外の時間にやるので、プライベートな時間の確保が難しくなるケースもあります。副業は自由に自分の時間を使える土日で行なっている人が多いです。自由な時間が減ることでモチベーションが下がる可能性も考えられるので、自由な時間が欲しいという方はプライベートと受注している案件のバランスに注意が必要です。
副業に注力しすぎて体を壊す
軽い気持ちで始めても、お金をもらうとなるとプレッシャーが掛かるもの。ついつい両方頑張ってしまい、体調を壊す方もいます。そうすると、本業の仕事もできなくなり本末転倒になってしまいます。体調を崩さないよう、副業として受注している案件の稼働状況と健康状態のバランスを管理する必要があります。
副業案件の特徴(単価、相場込)・種類・難易度
それでは副業案件の特徴を見ていきましょう。副業案件の単価や相場、案件の種類、難易度にわけてご紹介します。
Webライティング
難易度:★
Webライティングの多くは1文字1円と単価が設定されており、ライティングした文字数に応じて報酬が決まります。1記事あたりの文字数は2000字〜5000字とされています。1文字1円で3000文字のライティングをすると、報酬は3000円。比較的自分だけで完結する仕事のため、土日で行なっている人が多いです。Webライターを本業としている人の中には、月収50万円稼ぐ人もいるようです。
ブログ運営
難易度:★★
ブログ運営の収益は主に広告収入で、クリック型の広告とアフィリエイトがあります。クリック型の場合は10円〜50円程度ですが、アフィリエイトの場合、紹介するものによって報酬単価に幅がありますが、無料会員登録だと1件100円程度、プログラミングスクールの申込では数千円〜10,000円となっています。
スマホアプリ開発
難易度:★★
アプリ開発の副業には、自分で開発をしてアプリストアで公開するか、クライアントに納品するかの2パターンあります。有料アプリの販売で得られる金額は、Android・iOSともに販売価格の70%程度が目安です。クライアントに納品する場合は、依頼内容によって幅はあるものの、バグ修正や機能の追加であれば1件あたり5000〜10000円で募集があります。クライアントワークになるため、平日の返信が求められる案件が多いです。
エンジニアセミナー講師
難易度:★★★
プログラミングの需要が高まっている昨今、エンジニアセミナー講師の需要も高まってきています。初めのうちは無料での自主開催したり、無料で呼んでいただいたり、収益化することは難しいかもしれません。知名度や実力がついてくると、10万円以上で呼んでいただけることもあるそうです。プログラミングスクールではシフト制を導入し、経験年数やスキルレベルに応じて、時間単価2,000~6,000円で副業できるところもございます。
効率よく収入を得るコツ
副業の単価や相場がわかったところで、効率よく収入を得るためにはどうすればよいのでしょうか?案件を受注し、収入アップに繋げる方法を紹介します。
実績を積む
なんと言っても、まずは実績が信頼に繋がります。SNSで自分を売り込み、案件をたくさん受注して実績を積んでいきましょう。実績を積んでいる人ほど、高額な案件が受注できる傾向にあります。
SNSで自分の技術力を発信する
Qiitaなどで自分のアウトプットを世の中に発信していきましょう。それを見た人が仕事を依頼してくれることもあります。SNSを利用して、自分はこんなことができます!こんな案件をこなしてきました!ということをアピールして売り込み、案件を獲得しましょう。
エンジニアが副業をする際の注意点
副業のメリットやデメリット、単価がわかったところで、実際に副業を始める際の注意点を押さえておきましょう。
所属会社が副業禁止でないかの確認
競業避止義務に反している場合は、懲戒解雇の可能性だけでなく、会社が本来得るべき利益を奪っていたとみなされ、損害賠償を求められるリスクもあるので注意が必要です。
副業での収入が20万円を超える場合は確定申告が必要!
副業先から支払われた給与が20万円を超えた場合には、毎年2月〜3月の定められた期間に確定申告をしなければなりません。クラウド会計ソフトなどを利用して管理することをおすすめします。
単価幅は柔軟に
スキル的に未熟・未経験の案件は安めに受けて、後で上げるという考えをもちましょう。しかし、自分を安く売ることは避けたいですね。業務委託で契約をする場合の給与は、正社員で働いている時の時給単価×1.3倍が目安です。すでに体得しているスキルの案件が前提となるため、副業でスキルを上げたいという場合は、単価が低くなることもありますので、ご注意ください。
副業に対する心構えを持つ
副業のメリットで、「お小遣い稼ぎができる」「やりたいことができる」「スキルアップに繋がる」と紹介しましたが、本業ではないからと軽い気持ちで副業に挑戦することはおすすめできません。
副業を募集している企業は“仕事”を依頼しているわけですから、「本業が忙しいのでできませんでした」「副業だから多少クオリティが低くても良い」というのは通用しません。責任を持ってやり抜くという姿勢を忘れないでください。
副業案件の探し方・探す方法(サイト含む)ウェブサービス・エージェント
友達に仕事を紹介してもらう
エンジニアに限らず、IT業界で働いている友人に紹介してもらうのは1番の近道かもしれません。
クラウドソーシング/求人サイト/SNSで探す
ここで紹介するのは、企業の担当者と直接繋がれるサービスです。自分で直接交渉やりとりをしなければならない面倒な点がある一方でエージェントを介さないためマージンが発生しなかったり、スムーズな取引が可能です。
テクスカ
テクスカは、仕事探しにおける面談などで副収入(Amazonギフト券)を得ることができる新しいカタチの “エンジニア向けスカウトサービス” です。スカウトメールに返信、企業と面談、他エンジニアのスキル評価をする、それぞれのフェーズでポイントがもらえちゃいます!少しでも興味を持ったら、登録してみてください。
CrowdWorks
初心者向けの募集案件が豊富にあり、クラウドソーシングサービス初心者にお勧めのサイトです。また「経験不問」のカテゴリーで仕事を探すことが出来ます。また、案件数が多いのがクラウドワークスの特徴です。また土日でこなせる案件が多いです。
Lancers
日本最大級のクラウドソーシングサービスで、質の高い案件が多いことが特徴です。また、仮払い制度が設けられており、仕事を行う前にランサーズで一旦預かり、仕事の完了後にランサーズから仕事を行ったユーザーに報酬が支払われる仕組みがあります。「仕事をこなしたにもかかわらず、報酬が支払われないという問題を防止します。こちらも土日でこなせる案件が多いです。
YOUTRUST
信頼できる友達もしくは友達の友達から副業・転職のオファーが届くキャリアSNSです。報酬額はオファーがあった友人や「友人の友人」と直接交渉する形をとっているので、案件によって幅があります。知らない人ではないので、気軽に金額交渉ができそうですね。
Wantedly
Wantedlyは、給料や待遇などの条件ではなく、やりがいや環境で求人者と求職者をマッチングするビジネスSNSです。利用者は20~30代の若手ビジネスパーソンが多いとされています。
副業エージェントを利用して探す
ここで紹介するのは、企業と個人の間に入って副業案件を紹介してくれるエージェントです。自分に合った案件を紹介してくれるため、案件を探す手間が省けます。
Flexy
フリーエンジニア・デザイナー向けの、複数社での同時稼働、自宅勤務も可能な案件、フレキシブルな働き方が叶えられるサービスです。また、東急不動産とサーキュレーションの協業により、ビジネスエアポート4拠点(丸の内・東京・青山・品川)の快適なワーキングスペースを利用が可能となっており、非常に魅力的です。
クラウドテック
キャリアサポーターがフリーランサーと企業を人の手で仲介してくれるのがクラウドテックの特徴です。長期契約が中心となっており、常駐案件も多く掲載しています。在宅案件にも力を入れており、常駐とリモートの組み合わせや完全リモートの案件も増えているようです。
Midworks
利用者の層は、高額月額単価60万円以上の案件を目指している技術・スキルの高いエンジニアが多いことが特徴です。また、Midworksに登録後サポーターとカウンセリングが可能です。希望条件とスキルのヒアリングのみならず、キャリア相談にも応じてくれるようです。
まとめ:土日で副業するために押さえておくべきこと
・エンジニアが副業するメリットはお小遣い稼ぎ、自己実現、スキルアップ
・デメリットは本業が疎かになる可能性がある、自由な時間が減る、副業に注力しすぎて身体を壊す恐れがある
・副業で収入を得るためには実績が伴うので、実績を積んだ上で、SNSなどを利用し自分を売り込むことが重要
・副業を始める前に、会社が副業禁止でないか、副業での収入が20万円を超える場合は確定申告が必要など、注意事項を事前に確認する