人工知能界隈では知らない人はいないであろう東京大学大学院教授であり、理化学研究所革新知能統合研究センター長の杉山将教授がご登壇する世界最先端のAIの研究内容を知れるイベントをレポートしていきます。 後編は前半のLTの2名の方と杉山教授の3名によるトークセッションです。

3名によるトークセッションの開始

Ryohei_F: 最後のコーナーは3名によるトークセッションです!
LTの登壇者2名と杉山教授とのトークセッションですね。

hyuga: 杉山将教授から、株式会社スカイディスクCTO 伊藤 俊さん、フェアリーデバイセズ株式会社 CEO 藤野真人さんに質問するスタイルで進めていく形でスタートしました。

3名によるトークセッション

hyuga: これを機にAIについての知識をつけたいですね。

Ryohei_F: まずは伊藤さんへの杉山さん教授からの質問です!

Q.どうやって会社のビジネスをスケールさせていくか?

Ryohei_F: やはり人が全てで、日本人は優秀な人が取られていると。海外からどんどん採用しているみたいです。

hyuga: 海外からも積極的に採用して、チームを強化して、そこからスケールさせていく戦略なのですね。

Ryohei_F: 社内の公用語は英語になってる多国籍チームなんですって!

hyuga: 案件数自体は順調に伸びてるみたいですね。

Ryohei_F: あとはお客さんのニーズを理解してソリューションを提案できる人材も重要だと。確かにそういう人が増えれば扱える案件も増えますもんね。
続いて藤野さんへの質問です!

Q.音声の世界のコモディティ化が早いと感じているが、どうやって類似の企業と戦っていくのか?

hyuga: おっしゃる通り音声認識系のAPIをクラウドで提供する事は無料化に向かっていて、コモディティ化していっていると。
その上で縦方向に独占していく分野を見つけていく戦略を取っているようですね。例えば、日本のクリーニング分野に特化するみたいに、特定の分野で戦っていくということですね。

Ryohei_F: 基盤技術を作っていることの特性を活かして、その上に、非常に狭いドメインに対して深く刺さるソリューションを作るみたいなところがポイントだと。

音声の世界のコモディティ化が早いと感じているが、どうやって類似の企業と戦っていくのか?

Ryohei_F: なるほどなー。

hyuga: ある事業ドメインのハード分野から、導入までを一気通貫で行う事もしていくみたいですね。その上で、汎用AIの部分はMSやGoooleのAPIを活用しながら進めていくと。ハードを提供し、汎用AIは他社のを活用し、自社で培った特定ドメインに特化したAIを利用しながら導入支援していくわけですね。

Ryohei_F: 続いて伊藤さんから質問がでました!

Q.メタ認知分野はどこまで進んでいるのかと。

Ryohei_F: 人間そのものの理解がまだわかっていないところも多く、まだまだ中身がないのが正直なところみたいです。
汎用的な人工知能が本当に必要なのかみたいな議論もあるみたいですね。鉄腕アトムみたいなロボットがでてきたとしても果たしてそれがビジネスに繋がるのか?みたいなことですね。
続いて藤野さんから、中国が勢いがあるという話があったが、彼らの強さってなんだんでしょうねーという議題が笑
杉山教授の研究所もメインが中国人だったりするんですって。
とにかくバイタリティーが強いと。
人口が10倍いるから、バイタリティーが強い人の総数も当然多くなるということですね。
でもそれを脅威と感じるのではなく、一緒にやっていくという姿勢が重要ですね。

Q.メタ認知分野はどこまで進んでいるのか

hyuga: 中国や韓国から日本の大学に留学しにきて、そこでいい成績を取り、その大学からアメリカに留学していくみたいなことが起きているみたいですよ。超積極的なんですね。

Ryohei_F: 中国人もめちゃくちゃ元気だけど、若い日本人も少しづつ元気になっていってるみたいですよ!これは嬉しい情報ですね!

hyuga: 40代、50代の世代も大企業からスタートアップに流れて来たりと、徐々に積極的になってきているみたいですね。

Ryohei_F: スタートアップでも若い人だけでなく、世代を超えた活躍が期待されますね。

会場からの質問タイム

Ryohei_F: そしてここから会場からの質問を受け付けていきます

Q.質問: 研究分野とビジネスの分野において、世界に出ていく為のテーマ探しのいい方法はないか?

hyuga: 特化することが大切だという意見がでました。

Ryohei_F: 伊藤さんからの意見ですね。お客さんの業務フローを一回洗い出して、そこから属人化しているところを見つけて、効率化において一番大きなインパクトがでる箇所がどこなのかを見つけてAIに落としていくと。
杉山教授からは、勉強するのは頑張ればできるので簡単だが、アイデア出すには勉強をやめないといけない。という哲学的なお言葉が。
そのなかでアイデアを探す時間をしっかりとることが重要だと。今までと違うことを意図的にやろうとする姿勢が重要みたいですね。

hyuga: 論文(研究分野)は自分が物理的に読めるスピードより早く新しいものがドンドンでてくるので、自分の分野を見つけることが大切みたいですね。

Ryohei_F: 藤野さんは、既存の問題を見つける為に無意識にある制約をできるだけ外して世界を見ていくようにしているんですって!
続いての質問です!

Q.異常検知の案件で異常データが集められない場合、無理やりやっても精度がでてこなかったが、いい方法はあるか?

Ryohei_F: 伊藤さんはそのような場合、専門でやってる方の知見を入れて、異常状態をシュミレーションで作るみたいなことはしているとのことですね!
ただ日本のものは非常にクオリティーが高いので5-10年は正常に動くと。その中で異常検知分野が本当にAIでやるのがいいのかがまだわからないのが現状だと。
ただ電力会社とかになると、機会損失が数億円規模になるからニーズとしてあって、それを伊藤さんの会社では支援しているようです。確かに投資対効果に見合わなければ異常検知分野は手を出しづらいですよね。

hyuga: 異常のデータって分野によって集めるのが非常に大変なんですねー。新しい気づきでした。

Ryohei_F: 杉山さん教授から、先ほど説明した正例とラベルなしデータだけを活用してうまくいっているケースもあるとご説明が!
続いての質問です!

Q.未経験者へのおすすめのスキルアップのステップを教えてください。

hyuga: そもそも教えてくださいはよろしくない。という意見が!

Ryohei_F: 笑

hyuga: 自分で実際に何か行動に移していることが大切なんですね。

Ryohei_F: 今はググれば色々出てくるので、その辺りはじぶんで見つけて欲しいと。
やっぱり杉山教授の本を読むのが一番いいですね!

杉山教授からは遠回りに見えるかもしれないが、数学をちょっと勉強して欲しい。とのご意見が。

hyuga: 線形代数、微積、行列、確率分布などの大学1年で勉強するような数学は必要になる。

Ryohei_F: 挫折をくりかえすことも大事だと。
続いての質問です!

Q.少年のような無垢な瞳で「機械学習とかいうのを活用してコスト削減だ!」と叫んでいる上司の夢を打ち砕く方法を教えてください。

Ryohei_F: “このPL脳がっ!” というべきだと。
コストで見るのではなく、投資という見方をすべきだと。

hyuga: BS脳で投資として考えていくことが大切なんですね。

Ryohei_F: 日本だと、事例は?みたいな人が多いがそれもよくないと。中国企業に多いのが “他の人がやっていないのであれば、うちがやる”というスタンスみたいですよ。こういうBSの為の投資のスタンスが重要だと。
そして次の質問です!

Q.ビックデータなどのデータを増やす方向のモデリングがありますが、データを減らすスパースモデリングの応用や活用はどうでしょうか?

Ryohei_F: スパースモデリングは”減らす” というものではない。
世の中の多くの問題はスパースになっているという仮定を背後においているので、今みんながやっていること自体が重要だと。

藤野さんからは、”Googleは音声データを持っているから強いでしょ” みたいな話があるが、実は10万時間あれば精度の差がそこまででなくなるというのが現実という情報が。
なのでデータがあればあるほどいい という人はいるが、本当にそうなのかなーというのが個人的な見解みたいですね。
面白いですねー。

hyuga: 面白い議論ですね!

Ryohei_F: そしていよいよ最後の質問です!

Q.機械学習エンジニアと、データサイエンティストは同じ役割でしょうか?

Ryohei_F: 人数が少ない組織だと、同じ人が二つの役割を担っていることが多いみたいですね。
データを解析するときのドメインの専門性があるかというのがデータサイエンティストなのではないか、という意見もでました。

hyuga: 機械学習エンジニアはモデルのチューニングの力が大切な職種とのことです。

Ryohei_F: いやー刺激的な会でした!

hyuga: 最高でしたね。かなり勉強になりました。

Ryohei_F: 今までぼやーっとしてた機械学習に関して、少し理解できた気がします。
これからはAIという言葉を使わずに機械学習という言葉を使うようにします。

hyuga: AIという言葉をやたら使ってくる人は警戒することにします笑

Ryohei_F: それではありがとうございましたー!

hyuga: ありがとうございました!

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