スキルシートとは

スキルシートとは、エンジニアとしての経験や実績を職務経歴書よりも詳細に記載するための書類です。職務経歴書は一般的に人事部門の採用担当者を対象としており、経歴の概要やアピールポイントを中心に記載します。そのため、エンジニアの場合は開発環境やプロジェクト概要には触れるものの、具体的な技術的経験までを職務経歴書に書くことは稀です。

一方で、スキルシートは開発部門の管理者や技術担当者が確認することを想定しており、これまでどのような案件に携わり、どんな技術を駆使してどのような成果を上げたかを具体的に記載することが求められます。スキルシートの提出が求められるのは企業と求職者のミスマッチを防ぐためです。面接でも詳細な確認は行われますが、時間の制約で網羅できる部分には限りがあるでしょう。

したがって、スキルシートは企業と求職者の双方にとって欠かせない重要な書類です。スキルシートの内容や質によっては年収に数十万円以上もの差が生じることもあるため、適切な記載方法をマスターすることが大切です。転職エージェントやフリーランス専門エージェントが、スキルシートの添削を行ってくれる場合もあります。本記事ではスキルシートの具体的な書き方について解説しますので、テンプレートなども活用しながらぜひ参考にしてみてください。

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スキルシートの書き方・見本

プログラマーやSE(システムエンジニア)向けのスキルシートを例に、項目ごとに説明します。スキルシート(職務経歴書)は下記リンクから無料でダウンロード可能です。

ダウンロード(Excel)

スキルシート(職務経歴書)

基本情報

氏名、最寄駅、資格、所属、性別、年齢、学歴を記載します。所属にはフリーランスの場合、「個人事業主」と記載するようにします。

自己PR

スキルや経験からは人柄を知ることはできないので、自分の性格や強み、仕事で心掛けていることを自己PRの欄に記載しましょう。

職務経歴詳細

参画したプロジェクトを新しいものから順に記載します。

業務内容には、担当した分野や習得したスキル、プロダクトへの貢献度などをできるだけ具体的に記載しましょう。「担当工程」は●を記載し、担当した工程がひと目で分かるようにします。

スキルシート作成の基本ルール

フリーランスエンジニアとしてスキルシートを作成する際は、内容についてはオリジナルなものが求められる一方で、書き方には基本的なルールがあります。

ではフリーランスエンジニアがスキルシートを書く際には、どのようなことに注意すれば採用担当者に響くスキルシートとなるのでしょうか。その書き方の基本を順番に見ていきましょう。

「箇条書き」と「体言止め」で簡潔に

スキルシートは、客観的に見てわかる情報を採用担当者の方に伝える手段です。ですので、わかりやすくするために簡潔に見やすく書くことが基本です。箇条書きや体言止め(言い切り)を使ってできるだけ無駄な記述は省きましょう。

A4用紙2〜4枚におさめる

スキルシートは基本的に、2~3枚程度、多くても3~4枚程度におさめます。分量が多すぎると読み手の負担になるので、簡潔にまとめるように意識しましょう。履歴書は手書きで作成することがありますが、スキルシートは一般的にPCで作成します。是非、下記FMをダウンロードし、活用してください。

守秘義務を守る

スキルシートは、例え退職した会社のことであったとしても、守秘義務は守りましょう。企業名を開示できない場合は、「大手自動車メーカー」など、具体的な名称は伏せることが大切です。その他機密事項として定められている情報がある場合も、詳細の記述は厳禁です。

レイアウトを見直す

スキルシートはプロジェクトごとに区切りをつけて、マシン、OS、DB、言語、ツール、担当業務など項目ごとに記載するのが基本です。フォーマットは自由ですが、表を使った方が見やすくなるので、できるだけ見やすさを重視して項目は設定しましょう。スキルシートを少しでも見やすくするために、誤字脱字の修正はもちろん、改行や表の幅など、レイアウトを丁寧に調整することが大切です。

自己PRは具体的に

スキルシートは何ができるのかのみではなく、何をどのようにしてきたのか、過去の実績を整理して記載するものです。「期間」「業務内容」「スキル」はもちろんのこと、何人のチームだったのか、どのような役割だったのか、また具体的にどのような開発環境だったのか、長くなり過ぎない程度で、具体的に書くことがポイントです。関わった案件が多ければスキルシートは長くなりがちですが、多くてもA4用紙4枚以下に抑えておくことをオススメします。

求められるスキルに合わせて作成する

スキルシートはただ自分のエンジニアとしての技術と経験をまとめるだけではいけません。前提として、応募するプロジェクトが求めるスキルに合わせることを考えなければいけません。最近増えてきているWeb系案件の場合、開発環境や習得言語が選考の重要な見極めポイントのひとつとなります。

一方でプロジェクトマネージャーなどマネジメントスキルが求められる案件にエントリーするなら、これまでのマネジメント業務での工夫や、役割を書くことが必要になります。これらは一例ですがフリーのエンジニアのスキルシートは、応募するプロジェクトが求めるスキルを考慮しながら作成することが大切です。

開発・設計については特に詳しく記載する

スキルシート作成においては開発、設計について記述する際も、具体的な内容が求められます。とくにフリーのエンジニアとしてスキルシートを作成するなら、開発、設計の箇所は重要です。

フレームワークの利用、設計方法、担当した機能、そして担当した案件が新規開発だったのか、それともシステム改修だったのか等、開発/設計については詳細に記載しておきましょう。読むだけで担当者が開発環境のイメージができる内容が理想です。

西暦で記載する

履歴書では、一般的に年号を平成や令和などの和暦で記載しますが、スキルシートでは西暦を用いることが一般的です。特に指定がない場合は、西暦で記載するようにしましょう。

スキルシートのどこが評価されやすいのか?

スキルシートを書く際は、どこが評価されやすいのか理解しておくことも大切です。採用担当者が見ているポイントは大きく以下の2点です。

  1. 強みが明確にあるかどうか
  2. キャリアに一貫性があるかどうか

これは応募者が多い案件であるほど、見られるポイントとなります。人手不足でフリーランスエンジニアを急募している場合、書類選考はそこまで厳しくはなりませんが、基本的に採用担当者はこの二つのポイントを重視して見ています。

スキルシートにまったく異なる分野で、短期間のプロジェクトが並んでいると、キャリアとしては一貫性がある印象にはなりません。またジョブホッパーのような印象を持たれてしまうリスクがあります。さらに強みについても、色んなことを書きすぎると何が強みなのか分からなくなってしまうので注意が必要です。

スキルシートを作成する際は、これらのことを考慮してプロジェクトが求めているスキルに関連したものに絞って具体的に書くなど、見せ方を工夫することも大切です。

まとめ

ここまで主にフリーのエンジニアがスキルシートを書く際のポイントについて紹介してきましたが、最も大切なことは案件で求められている経験と技術を把握することです。これを押さえていなければ、どれだけ綺麗に経歴を整えても、採用担当者に響くスキルシートにはなりません。

スキルシートは基本的な部分は共通でも構いませんが、エントリーする案件によって内容を変えていくことが基本です。フリーランスエンジニアとしてこれからスキルシートを作成するなら、まずは雛形とするスキルシートを作成しましょう。そして雛形を元にして、エントリーする案件に合わせた内容に加工すれば、採用担当者に響きやすいスキルシートに近づきます。

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