今回は、株式会社ヘッジホッグ・メドテックでCTOを務める木村 正宏さんのインタビュー記事をお届けします。木村さんは、父親がエンジニアだったこともあり、幼い頃から技術を身近に感じてこられたそうです。SIerやスタートアップ、楽天にて、エンジニアとしてさまざまな経験を積み、現在は株式会社ヘッジホッグ・メドテックのCTOとして活躍されています。そんな木村さんの目標は、「想いのあるプロダクトを作って、人々を幸せにすること」。「医療のDX」という、世の中へ多大なインパクトを与える領域で奮闘されている、木村さんのキャリアと価値観を伺いました。

インタビュー概要

お話を伺った企業さま

会社名   :株式会社ヘッジホッグ・メドテック

設立    :2021年10月

資本金   :10,000,000円

上場市場  :未上場

代表者   :川田 裕美

所在地   :東京都文京区

ミッション :テクノロジーの力で治療効果を向上させる

事業内容  :片頭痛治療用アプリの開発 /PMS治療用アプリの開発 / 緊張型頭痛治療用アプリの開発 / 頭痛AI診断の開発

URL    :https://h-medtech.com

お話を伺ったご担当者さま

部署 / 役職 :CTO

氏名    :木村 正宏

2003年にSIerに入社してサーバ管理やSEを担当。2010年から楽天グループ株式会社にて、エンジニア、PM、PdM、テックリード・マネジャーとして新規事業の立ち上げや楽天市場で開発・運用に従事。

2020年からDXのスタートアップにて、プレイングマネージャーとして従事。

キャリアについて

父親の影響でエンジニアの道へ

私の父親は、大手電機メーカーのエンジニアでした。家でもスピーカーやアンプを作ったりと、技術が身近にある環境で育ちました。その影響もあって、私を含む3兄弟はみんな理系の人間なんです。ソフトウェアによる技術的なイノベーションが起き、中学生くらいからパソコンの授業が始まりました。この当時からプログラムに対する興味が生まれます。プログラムに加えて、経営にも興味があったので、大学ではその両方を学ぶことができる経営工学部に入学。当時は就職氷河期だったこともあって就活はかなり苦労したのですが、卒業後はエンジニアとしてSIerに入社しました。

SIerで基幹システムのサーバー運用を担当

新卒で入ったSIerは、IBMと三菱の子会社でした。当時はプリンター販売がメインでしたが、ITやソフトウェアの勃興もあり、会社としても新しい部門を作って伸ばしていこうというフェーズでした。私はその部門に配属され、富士ゼロックス製基幹システムのサーバー担当。いちエンジニアとして多くの学びを得られたのですが、かねてから「プログラミングをしたい」という思いがあったので、方向性の違いを感じていました。自分のやりたいことをやろうと決意し、3年半ほど働いたあと、知人のスタートアップに転職しました。

スタートアップで徹夜漬けの日々を送る

転職先のスタートアップは、体制が整っていない分何でも挑戦させてもらえる環境がありました。当時のシステムは、Javaで作られることが多かったのですが、PHPが徐々に浸透してきた時代。そのPHPを使って商業施設向けのO2O(Online to Offline:オンラインからオフラインへ消費者の行動を促すこと)システムを作りました。いろんなエンタメ会社と連携を取って、2〜3週間で完成させるという徹夜漬けの過酷なプロジェクトだったのですが、これまでにないやりがいを感じたのを覚えています。その後は、マッチングアプリや名刺管理ツールの開発を担当。最終的には、ヤフーに常駐して地図検索を用いた不動産システムをフルスクラッチで開発するなど、様々な開発経験を積めたことで、エンジニアとしてかなりスキルアップできました。その後、大企業でより大きな挑戦をしたいと思い、楽天に転職しました。

楽天で新規事業とマネジメントに挑戦

楽天では、0→1の新規事業を希望して配属されました。エンタメコンテンツ配信のポータルサイトを開発するというプロジェクトで、メインエンジニアを担当。ここでも前職同様土日も寝ずに働き、新人賞も獲得できました。以降は、ポータルサイトだけでなく、楽天市場や他の新規事業の開発にも携わりました。最初は開発業務がメインだったのですが、徐々にマネジメントも任せていただき、良い経験をさせてもらいました。

起業を経てヘッジホッグ・メドテックへジョイン

エンジニアとして一定の活躍ができたことで、「自分でスタートアップをやってみたい」という感情が出てきました。自分が作りたいものを自分の手で作って、世の中に出していきたかったんです。そして楽天を退職後、楽天時代の同僚のスタートアップを経て、起業を決意。一方で、当時から業務委託としてヘッジホッグの開発業務の手伝いをしていました。起業したもう1つの背景として、適切な技術を正しいタイミングで利用し、適切な費用でサービス開発している企業が少ないと感じていたことがあります。これは、DXのスタートアップでの経験を通して感じていました。

例えば、

・IT技術に対する知識が無いために、ユーザーニーズに合ってないシステムが導入され、ユーザーが無理をしながら利用している

・オーバースペックなシステムを導入して費用対効果が悪い技術選択している

・サービスのグロースアップに合わせた適切なアップデートができておらず、古い技術を無理やり運用している

・ベンダーに足元を見られてベンダーの言いなりになっており、手を抜いた開発なのに費用が高くなっている

ということを目の当たりにしたんです。

その結果、最終的にサービスを利用するユーザーにとっても使いやすくて適切な値段のサービスが提供できておらず、企業にとってもユーザーにとっても不幸せな状況になっていると感じていました。そのため、「世の中のためになる良いサービスを誠実に作っている人たちに対して、適切な技術の提供をする。」「正しい費用感でサービス開発をしてもらう。」「サービスの成長タイミングに合わせた適切なアップデートをしてもらう。」このようなサポートをしたいという想いが湧いてきたんです。ヘッジホッグの仕事に関わる中で、この企業はまさに自分の想いを体現している企業だったため、CTOとして参画することに決めました。

当初は開発メンバーが少なかったため、開発に関わるあらゆる業務を担いました。資金調達後は徐々にメンバーも増え、マネジメントの比重も増えてきました。とはいえ、今でも手を動かしてバックエンドを開発しています。当社の事業はビジネスロジックが肝になるので、要件整理とビジネスロジックの対応をスピーディーに実行しています。もちろん将来的には自分がいなくても回る組織にしたいので、メンバーにナレッジを伝えて体制を整えている状況です。

人々が幸せになるプロダクトを作りたい

これまで様々な経験をしてきましたが、エンジニアとして一番大きく成長できたと実感したのは、2社目のスタートアップ時代ですね。正直、今では考えられない働き方をしましたし、エンジニアとしてのあらゆるスキルセットがアップしました。それ以外でいうと、楽天では「意味のあるプロダクト」の作り方を学びました。マネージャーとしてチームを率いる経験もできたので、エンジニアとしての幅がすごく広がったと感じています。

今後の目標としては、自分の経験を活かして “想い” を込めたプロダクトを作り、そのユーザーが幸せになるようなサービスを提供していきたいですね。良いサービスに対して適切な技術を用いて成功させる。これは今まさにヘッジホッグでやっていることなので、なんとか成就させたいと思っています。

考え方・マインドについて

“良いチーム” で “良いもの” を作る

エンジニアとして大切にしていることは、「人」です。当たり前ですが、プロダクトを作るのは「人」ですし、1人ではなくみんなで作る事が多いです。そのため、良いプロダクトを作るためには、メンバーがプロダクトの想いに共感していたり、共通のゴールを目指している状態が理想だと思います。良い人が集まれば、良いものが作れます。これは、プロダクトに限らず遊びでも同じですよね。

エンジニアに欠かせないスキルは、“コミット力”

いろんな視点があるので、一言で「価値あるエンジニア」を定義づけるのは難しいですが、「コミット力」は重要だと考えています。私はエンジニアを表現する際に、「職人さん」という表現が好きなんです。職人には、お客様が求めている要件を理解して作り上げるスピードと品質の担保が必要です。

・要件をカバーしたものを作れる

・いろんなことを考慮できるカバー力

・納期を守れるスピード

この3つを満たせるエンジニアは、スーパーエンジニアといっても良いと思います。

フリーランスの方々でもチャレンジできる環境を作る

現在当社では、正社員に加えてフリーランスエンジニアにも参画していただいています。正直会社としては、社員として長く働いていただけることが理想です。しかし、終身雇用の崩壊などが進み、社員になるメリットが希薄化している世の中において、社員のみではリソースがまかないきれません。そのため、フリーランス採用を実施し、彼らにも自分のやりたいことを全力でやってもらえる挑戦環境を提供しています。フリーランスとして関わっていただく中で当社に魅力を感じていただき、社員として入社いただくこともあるので、今後もそれぞれの希望に合わせた働き方を提供していければと思っています。

ヘッジホッグ・メドテックで働きたい方へ

テクノロジーの力で治療効果を向上させる

当社は、片頭痛やPMSなどの治療アプリを開発しています。10年前の薬事法改正で、アプリやサービスも治療効果があるものは「薬」としてみなされるようになりました。薬事承認を得るためには、安全性と効果があることを証明する必要があり、申請から承認までは最低5年ほどかかります。しかし、この10年間で承認されたサービスは、わずか3つしかありません。そのため、この領域はまだまだブルーオーシャンで、ポテンシャルが高いんです。

“最新技術” と “枯れた技術” を用いて社会貢献性の高いプロダクトを作る

当社の特徴の1つとして、「柔軟性」があります。代表含めてすごく柔軟に物事を考えられる人が多いため、メンバーの声でいくらでも環境を変えられたり、チャレンジ可能です。技術に関しては、最新技術を積極的に使いながらも、目的に応じて枯れた技術も活用しています。現在だと、WebはReactとNext.jsで、アプリはFlutterで開発しています。薬事に対するプロダクトのチャレンジということで、古い技術から新しい技術まで携われることが魅力です。

一方で、難しさもたくさんあります。薬事領域でサービスを提供するうえでは、治療効果があることと、サービスとして意味があることをマッチングすることが大前提です。そのため、要件調整や技術選定の難易度がとても高いんです。ただ見方を変えると、工夫次第でいくらでもイノベーションを起こせると捉えられます。そもそものプロダクトを作る楽しみに加え、効果があるものを作ることで、「社会にとって意味のあるもの」を作れることが、当社で働いていただく魅力です。現在当社では、エンジニアを積極採用中ですので、サービスへ共感していただいた方や、やりたい技術に対して無限にチャレンジできる環境を求めている方は、ぜひ一度お話しましょう!

ヘッジホッグ・メドテックの募集ページ

取材を終えて

インタビューを通して、木村さんの「挑戦意欲の高さ」に感銘を受けました。常にご自身が成長するために目標を掲げ、スタートアップや大手企業で挑戦を続けられてこられてきた木村さんだからこそ、ヘッジホッグ・メドテックでCTOを任されるまでになったのだと感じています。今ではあらゆる業界のDXが進んでいますが、医療業界はその難易度が高い分、まだまだデジタル化の余地がある領域です。しかし、数々の困難を乗り越えられてきた木村さんをはじめとしたヘッジホッグ・メドテックであれば、「社会にとって意味のある」プロダクトを私たちに届けてくれるのではと、期待が膨らみます。技術を通して社会に大きなインパクトを与えたいという想いがある方は、ぜひヘッジホッグ・メドテックの門を叩いてみてはいかがでしょうか。

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