海外のエンジニアの給料・年収って高いの?

「日本はIT技術者の給与が低い。海外ならもっと稼げる」という噂があるのをご存知でしょうか?

その噂について検証してみました。

その前に、前提として、異なる国・地域の愛で給与の安い高いを比較する際は、額面だけ見ても仕方がない、ということを理解しておいてください。

物価が高いことで知られるシンガポールと物価が安いベトナムでは、同じ100万円だとしても、その価値は大きく異なるものです。

変な話、物価が高い国では“生活ぎりぎりの平社員”の年収が500万円で、逆に物価が安い国の“裕福なCTO(最高技術責任者)”の年収は250万円ということもありえるわけです。

上辺の金額よりも、その国の全業種平均の年収・給与に対してエンジニアの年収・給与は多いか少ないかで比較した方が良いかと思います。

ところで、昨今、5G覇権争いで話題の中国企業『Huawei(ファーウェイ)』の日本法人が2017年に新卒採用の募集要項を発表したところ大きく話題になったことをご存知でしょうか?

なぜ、大きく話題になったかというと初任給で月40万円だったからです。

当然、高額ではないかと話題になったのですが、Huawei側が「(ITエンジニアの給与の)世界平均に合わせただけであり、まったく高額ではない」という趣旨の指摘をしたことで、日本国内のIT業界とIT業界で働く関係者の中で、少なくない衝撃を与えました。

実際、中国の人材派遣会社、中智人力資源管理諮詢公司が行った2018年度の新卒採用者の初任給を見ると、全業種平均が約8万2000円だったのに対して、IT関連分野、例えば、人工知能(AI)だと約18万7200円、ソフトウエア開発は約14万6600円と、1.5倍以上になっています。

日本の新卒採用者の初任給が概ね20万円前後であることと中国での業種間初任給格差を勘案すると、確かにHuaweiの初任給40万円は“普通のこと”と言えそうです。

ただし、中国のIT企業では午前9時から午後9時までの勤務を週6日求められる、“996勤務”が問題になっています。

若者のライフワークバランスが崩れるだけでなく、ロイターなどの海外メディアによると、年功序列制度がないこともあり、そういった勤務に体力的についていけないと思われたシニア層は、たとえ管理職であってもリストラされているそうです。

個人的には、あまり中国IT企業では働きたくないです。

中国以外の国はどうでしょうか。

他の国だと、アメリカのエンジニアは高給取りで、中国同様、全業種平均の倍近くのようです。

イギリスやドイツの場合、全業種平均よりも高いものの、中国やアメリカのように突出して高いというわけではないと言われています。

さらにシンガポールやフランスなど、全業種平均とあまり変わらない国もあり、国によってエンジニアの年収は群を抜いて高くなる国もあるが、そうでもない国もある、というのが実態のようです。

海外でオススメの国は?

海外でオススメの国は?

どういった基準でランキングを付けるのかで、おススメの国は変わると思います。

そもそも、どういった国で日本人エンジニアが必要とされているのか、ニーズという話をしましょう。

日本人エンジニアの採用意欲が高い国・地域は大きく分けて二つのパターンに分けられると思います。

一つ目は世界規模で優秀なエンジニアを探している先進国です。

特にアメリカが代表的です。

アメリカのエンジニアの給与が高いのは結局「他のどこの国・地域で仕事するよりもアメリカで仕事をする方が、儲けられるから、アメリカにおいで」ということなのです。

アメリカは給与以外にも、IT業界に日本人を含め外国人が多く、能力さえあれば受け入れてもらいやすいなど、環境面でも恵まれていると言えます。

ただし、アメリカ、特にIT企業が集中する地域の物価は高いので、給与のわりに生活にゆとりがない状態になるリスクもあります。

二つ目は日本からのオフショア開発の多い新興国です。

オフショア開発とは、人件費の安い海外でプログラミングを行うことを言います。

海外のオフショア受注企業で、日本の発注元企業との窓口役としても活躍する日本人エンジニアは少なくありません。

人件費の安い海外で働くので、額面上の年収は安いかもしれませんが、その国・地域の給与水準で見れば高年収でゆとりのある生活が約束されている可能性が高いです。

ベトナムやフィリピンなど東南アジアの国々が主な候補になります。

海外でエンジニアになるにはスキルはどれぐらい必要か?

業界初心者でも大丈夫、というサイトもありますが、私はそうは思いません。

現地人ではなく、日本人をわざわざ雇い入れるには、それなりの理由、もっというと雇う側の期待が込められているはずです。

その期待に応えられそうにない業界初心者は、選考のパスも厳しいと思います。

無事、採用されても、現地人と同等の仕事・給与水準で日本から来たことを後悔するか、ポテンシャル採用されて、過剰な期待をかけられるかの二択だと思います。

担当者として一人作業できる程度のスキルは身に着けておくべきだと思います。

海外でエンジニアになるには英語力は必要か?

「海外で働きたいけど、英語力に自信がなくて、海外へ飛び出す勇気がない」と不安に思っている方や、「そもそも、英語力って必要なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?

結論から言うと、語学力はやっぱり必須です。

なぜならば、ビジネスパートナーとコミュニケーションを取ることができないと、ビジネスを進めることはできないからです。

語学力がなくコミュニケーションができない人を雇いたいと思う会社なんてないです。

ただし、“語学力が必要=英語が堪能でなければいけない”ということではありません。

片言でも、仕事を進めるうえで言うべきこと、言いたいことが伝えられれば十分です。

テレビ番組『イッテQ』の人気企画“出川はじめてのおつかい”をご覧になったことのある方であればお分かりかと思いますが、単語レベルでも案外伝わるものです。

番組内で出川哲朗さんが“外国の方に「千円、誰?」って質問されたら、千円札の肖像画の人物を聞かれているのだ、ってわかるでしょう”という趣旨の発言をしていました。

私はすごく納得しましたが、みなさんはどうでしょうか?

特にIT用語のほとんどは、英語をそのままカタカナ読みして日本語にしているものが多いですし、ソースコードはどこの国の人が書くかによって、異なるようなものではありません。

そういう意味では、「中学英語レベル」という方でも、海外で働くことは可能だと思います。

ただし、やはり“より責任のある仕事”を任せてもらうためには、ある程度、流暢な英語が話せないと難しいように思います。

レストランなどで、イマイチ日本語が不完全な外国の方に接客されると、「本当に注文伝わったのかしら?」と不安になることがありますが、不完全な英語力で海外に出てしまうと、逆に自分は思われる側になってしまいます。

結果、クリティカルな業務は任せてもらいにくいです。

重要な仕事を任せてもらいたいのであれば、海外で働きながら、ITエンジニアとしてのスキルアップだけでなく、語学力のスキルアップも意識するべきでしょう。

実際のところ、海外で勤務しているエンジニアの多くは遅くても、1、2年でネイティブの方と普通に会話できるようになるようです。

海外エンジニア求人は何で探す:転職サイト、エージェント等

基本は海外の求人を紹介してくれる転職サイトやエージェントの活用です。

海外に拠点を持つ日本企業が増えていることもあり、海外拠点に配置予定の人材を、日本の転職サービスで募集するのも普通になってきています。

ただ、自分の周りのエンジニアの話をすれば“知り合いの紹介”が一番多いように思います。

FacebookやGitHubなど、SNS・コミュニティーサイトで国外のエンジニアと繋がって、海外で働くきっかけを掴んだ方もいます。

あるいは、過去に一緒に仕事をしたことがある方から、「海外に拠点を移したけど、興味はないか」と誘われた、という方もいます。

まとめ:海外転職に興味がある方は相談してみよう

なにごともそうですが、自分1人で悩んでいるだけでは、ものごとは前に進みません。

海外で働きたいという思いのある方は、まずは誰かに相談してみましょう。

周りに経験者がいればベストですが、なかなかそういう方もいないと思いますので、まずはノウハウのある人材エージェントに相談するのが良いかと思います。

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