ネットワーク関連の資格は世の中に数多くありますが、その中でもベンダー資格の1つであるシスコ技術者認定は、国際的に技術力を証明できる資格として知られています。国内でも人気が高く、受験者数も決して少なくありません。

そんなシスコ技術者認定は5つのグレードに分かれていますが、その中でも上から2番目の上位資格となっている「CCIE」について、この記事では詳しく解説していきます。

CCIEとは?

CCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)は、シスコシステムズ社によるシスコ技術者認定の一種です。シスコ技術者認定はエントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパート・アーキテクトの5つのグレードからなりますが、CCIEはエキスパートに分類される資格です。

世界でも高水準のネットワーク関連スキルを持つ証明として、非常に人気の資格となっています。国内でもネットワークエンジニアを中心に受験者数が多く、年収アップやキャリアアップを目的に資格取得を目指す人が後を絶ちません。

CCIEは6つの試験コースに分かれており、このうち1つに合格すればCCIE資格に認定されます。具体的な試験コースは以下の通り。

  • ・Routing and Switching
  • ・Security
  • ・Collaboration
  • ・Data Center
  • ・Wireless
  • ・Service Provider

いずれのコースでも試験は2段階用意されており、筆記試験と実技試験が課されることになります。筆記試験に合格することで実技試験に進むことができ、その両方で合格ラインを突破すれば、CCIEの認定を受けることができます。

「CCIEはシスコの下位資格を取得していないと受験できないの?」と思われる方も多いかもしれませんが、実はCCIEを受験するのに必要な条件や資格はありません。18歳以上であれば誰でも受験することができますが、シスコ技術者試験の雰囲気に慣れておくためにも、下位資格からスタートすることがおすすめです。

CCIEの筆記試験は、全国の試験センターのPC端末上で行われます。モニター上に表示される問題に解答する形で試験が実施されます。実技試験に関しては、シスコ支店のラボルームが試験会場となり、合計で8時間のテストが行われます。

CCIEの受験料は、筆記試験が54,000円、実技試験は192,000円となっています。合計246,000円(いずれも税抜)の費用がかかる高額な認定試験と言えるでしょう。CCIEは難易度も非常に高いため、2回、3回と受験を重ねるたびに高額な出費が強いられることになります。

ただしCCIEの取得費用は会社が負担するというケースも多くありますので、まずは勤務先の福利厚生制度をチェックしてみるといいかもしれません。

CCIEの取得で必要とされる英語力

英語力

CCIEの特徴として、出題がすべて英語になっている点があげられます。CCIEの難易度が非常に高いと言われている理由の1つは、英語での読解力が求められる点があげられるでしょう。普段から英語を目にする機会があっても、多くの人はGoogle翻訳などを使って読み解くことになるでしょう。

しかしCCIEの試験会場ではGoogle検索は使えず、自力で読み解いていかなければなりません。さらに実技試験でも英語が使われるので、リーディングのみならず、スピーキングとリスニングの能力も求められます。

試験に求められる英語力を身につけるために、高校生向けの参考書などを購入して勉強するというのも1つの手段です。しかしイチから高校英語を勉強するとなると、CCIEの勉強に割く時間が足りなくなってしまうかもしれません。

人並みの英語力があると自負している方であれば、実際にCCIEの問題を解きながら使われている英語を覚えていくほうが効率的でしょう。英語を学ぶだけでも大変に思えるかもしれませんが、逆に考えればCCIEを取得することで技術力だけではなく英語力もアピールできるということでもあります。

また、シスコ独特の言い回しが使われることでも有名ですので、シスコプレスの公式本を手元に用意して勉強を進めることがおすすめです。

取得すると年収は増えるのか?

CCIEを取得する上で気になるのは、「勉強するだけの価値があるのか?」という点でしょう。CCIEを取得することで、どのくらい年収が上がり、転職で有利に働くようになるのか知りたい方は多いはずです。

まずCCIE取得者の年収に関して調べてみると、シスコ社が公開している「日本におけるCCNA, CCNP, CCIE 認定保有者の需要と給与リサーチ 2013」というデータがあります。この調査によると、CCIE保有者に提示される年収として645〜900万円という数字があります(必要経験年数4年以上)。

日本全体の平均年収が400万円強ということを踏まえると、かなりの好待遇が用意されていることがわかります。ネットワーク全般のエキスパートとして重宝されるため、高い報酬額が提示されるのでしょう。

CCIEはシスコ技術者認定でも上位の資格のため、初心者向けというよりは実務経験を積んだエンジニアがスキルアップのために受ける資格という性質があります。したがってCCIEを持っているというだけで高い評価を受けることができ、年収アップが期待できると予想できます。

また、CCIEはネットワークに関する非常に専門的な知識が身につく資格でもあります。取得するまでに相応の努力が必要にはなりますが、認定されれば一気に仕事の幅が広がることは想像に難くありません。

社内でも昇進・キャリアアップのチャンスが多く訪れるでしょうし、転職でも高い評価を受けやすくなるでしょう。転職においては実務経験も重視されるので、CCIEを持っているだけでは大幅な年収増にはつながらないことも考えられます。

ですがCCIEを生かして仕事の幅を広げ、マネジメント経験やプロジェクトリーダーの経験も積むことによって、希少な人材として好待遇を狙うことができるようになるでしょう。役職や企業によっては、年収1000万円も射程範囲になってきます。

CCIEの取得で有利な職種・業界

CCIEはネットワーク業界で最高峰の資格とされていることもあり、ネットワーク業界の企業への転職には非常に有利に働くことが考えられます。ネットワークエンジニアとしてキャリアアップを果たしたいと考えている人にとって、挑戦しがいのある試験となるでしょう。

一定の英語力を証明できるのもCCIEの利点なので、グローバルに事業展開している企業にも転職しやすくなるでしょう。もちろん国際的にメジャーな資格ですので、外資系企業や海外に拠点を置く会社を狙うことも可能になってきます。

現在ネットワークエンジニアとして仕事をしており、今後はグローバルに活躍できる人材を目指したいと考えている人は、一度公式本を手にとって試験の全体像を把握してみてもいいかもしれません。

まとめ:大きなメリットを享受

シスコ技術者認定の一種であるCCIEは、ネットワーク関連資格の中でも最高峰の難易度を誇りますが、国際的な知名度も高く非常に価値ある資格といえます。

時間的にも経済的にも、取得までに大きなコストがかかりますが、一度取得すれば非常に大きなメリットを享受できるようになります。さらなる高みを目指したいと考えるネットワークエンジニアなら、ぜひ目指してみてください。

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