未経験からIT業界を目指そうと思った場合、就職に有利になる資格を取得しておきたいと考える人は多いでしょう。しかし、IT業界にはさまざまな資格が存在していることから、どれを取得したらいいのか迷うことも珍しくありません。

そこで今回の記事では、初心者向けに取得しておくべきIT系資格について解説します。

IT資格とは

近年では、IT業界はもちろんのこと、さまざまな業界でIT化が進んでいます。どんな業界に携わる会社でも、パソコンやタブレット、スマホを使っていないということはあり得ない時代になっています。

そうした事情を背景に、IT業界でも高いスキルを持った人材を求める傾向が強くなっています。なかにはIT資格を持っていることが必須条件とされている求人もあるほどで、IT資格の重要性はますます高まっています。

しかし変化の激しいのがIT業界の特徴でもあるので、IT業界のトレンドに追いつけていない人も多く、知識や技術はあるが資格は持っていないという人も珍しくありません。ずっとその会社で勤め続けるならそれでも構わないでしょう。

ですが、これからIT業界に飛び込みたいと考える人や、違う企業に転職したいと考えるエンジニアの場合には、自分の実力を客観的に証明するツールとして、IT資格を取得しておくことに越したことはありません。

なお、IT業界には大きくわけて2種類の資格があります。1つは「国家資格」、もう1つが「ベンダー資格」です。国家資格は文字通り国が認定する資格で、ベンダー資格は民間企業が認定する資格になります。

どちらを取得すべきなのかと問われれば、国家資格のほうが知名度が高いため初心者向きといえるでしょう。ベンダー資格には「オラクルマスター」「LPIC」などの種類があり、特定の製品の知識・スキルを証明するために有効です。

まずは国家資格を身につけてITスキルの基礎を固め、仕事で使う製品や習得したいスキルが出てきたら、ベンダー資格に挑戦してみるというのがおすすめです。

初心者向けのIT資格 各資格を紹介

続いて、初心者向けの具体的なIT資格について紹介していきましょう。

ITパスポート

未経験からIT業界を目指すなら、基本的なITスキルを保有していることを証明できる「ITパスポート」試験に挑戦するとよいでしょう。「ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格」がコンセプトなので、IT資格の第一ステップとして最適です。

受験料は5,700円で、試験時間は120分。合格率は約50%以上となっているため、決して難しい資格ではありません。試験は全国各地で受験することができるため、気軽にチャレンジすることが可能です。

基本的なIT知識を問うものなので、ITパスポートの資格を持っていることで就職・転職で大きく有利になるということはありません。とはいえ、未経験からIT業界を目指す人なら多くの人が取得している資格になりますので、保有していないことがマイナスポイントとして見なされる可能性はあります。

IT業界に挑戦するスタートラインに立つためにも、まずはITパスポート試験に合格して基礎知識を固めましょう。

基本情報技術者試験

「基本情報技術者試験」も、ITパスポートと同じく国家資格です。「ITエンジニアの登竜門」とも呼ばれる試験であり、ITエンジニアとして働くなら習得しておきたい知識・技術について問われるものとなります。

ITパスポートがITを利活用するすべての人向けの資格だとすれば、基本情報技術者試験は「IT業界で働くすべての人」向けの資格といえます。その分だけ難易度が上がって合格率も下がっていますが、ITエンジニアになりたいならぜひ取得しておきたい資格です。

こちらも受験料は5,700円ですが、試験時間は午前150分午後150分のトータル300分。合格率は約25%以上となっていますが、独学でクリアできるレベルです。受験会場は全国各地に用意されていますが、受験できるのは毎年春・秋の2回のみなのでご注意を。

応用情報技術者試験

基本情報技術者試験の上位版国家資格が、「応用情報技術者試験」です。基本的なIT知識を「応用できるか」に焦点を当てた資格であり、IT初心者が目指すべき最初のゴールとなります。

応用情報技術者試験のレベルになってくると、就職・転職でも有利に働く可能性が高まります。会社によっては、この資格の取得と給料アップの条件としているところもあり、取得する価値が非常に高い資格といえます。

ただし、試験で問われるのはすでにIT業界で働いた経験がある人向けの問題ですので、初心者やIT業界未経験者が挑戦するには、少しハードルが高いかもしれません。IT企業に入社する前に無理に取得しようとせず、入社後に余裕が出てきてから取得するようにするのが賢明です。

受験料は5,700円、試験時間も午前150分午後150分のトータル300分であることに変わりありませんが、午前の部がマーク式、午後が記述式になっていることが特徴です。合格率は約25%で、こちらも春・秋の2回しか受験できる機会がないので要注意です。

初心者がIT資格を取るメリットは?

IT資格を取るメリットは?

実のところ、IT資格を持っていない人であってもIT業界で働き始めることは可能だったりします。では、IT資格を取得するメリットはどんな点にあるのでしょうか。

まず資格取得全般にいえることとして、自分のスキルを客観的に証明できる点があげられます。履歴書・職務経歴書や面接の場で、どれだけ熱意を注いでアピールしたとしても、信ぴょう性に欠けてしまいます。

しかし履歴書の資格欄に「ITパスポート」などと書かれていれば、一定のITスキルがあることを確実にアピールすることができます。就職や転職で有利になることもあれば、社内でのステップアップにも役立つこともあるでしょう。

業務上の業績だけではなく、特定のIT資格を取得しているかどうかで人事評価が行われるケースも珍しくありませんので、ライバルとの競争に勝って理想の職場で働くためには、初心者であってもIT資格を取得する意義は非常に高いといえます。

取得したIT資格で有利な職種は?

ここで紹介した3つの資格を取得することで有利になる職種としては、「システムエンジニア(SE)」「プログラマー(PG)」が代表的です。どちらもITエンジニアの初級レベルの職種であり、未経験から入社する場合はいずれかの職種に就くことが多くなります。

システムエンジニアは、システムの設計や開発を手がける職種であり、要件定義などの上流工程に携わることが特徴。クライアントとの打ち合わせに参加することもあり、開発力とコミュニケーション力が求められる仕事です。

プログラマーは、文字通りプログラミング作業を専門とする職種です。企業が使うシステムから、スマホ向けアプリ、WEBアプリケーションなどさまざまなソフトウェアの開発を手がけます。

システムエンジニアまたはプログラマーとして経験を積んだら、スマホアプリエンジニアやフロントエンドエンジニアなどの職種にステップアップしていきます。最終的にはプロジェクトマネージャー(PM)やITコンサルタントを目指し、高い報酬を狙うのが大きな流れとなります。

まとめ:就職・転職で有利に

初心者向けのIT資格には、ITパスポートや基本情報技術者試験、応用情報技術者試験などがあります。これらの資格を取得しておくことで、就職・転職で有利になる可能性が高まり、社内での人事評価にもプラスの材料となるでしょう。

未経験からIT業界を目指すなら取得しておいて損はない資格なので、ぜひ挑戦してみてください。

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