エンジニアの平均年収は?
平成29年に経済産業省が発表した『IT関連産業の給与等に関する実態調査結果』でエンジニアをはじめとするIT人材の平均年収の実態が明らかになっています。
この調査によると平均年収は約500万円程度で他の業界と比べて比較的高いことが明らかになっています。しかし、スキルレベル別の平均年収で見ると新人・初級者レベルや仕事に慣れ始めたレベルだと約438万円、上位者の指導のもとに仕事ができる若手人材レベルだと約499万円となっています。その後、独立して仕事ができる中堅人材レベルになると、約576万円、部下を指導できるチームリーダーレベルだと約726万円、社内での指導者・幹部レベルで約938万円と続いています。当然のことですが、後進を指導できる立場になれば平均年収が上がる傾向にあるようです。
同じ調査では、1ヶ月あたりの残業時間は25〜30時間程度であるとされています。企業の規模が大きくなればなるほど残業時間も長くなっているようです。
働き方は間違えていないか
上記の経産省の調査によれば、スキルレベルによって年収が変わり、会社規模が大きくなればなるほど残業時間が上がる傾向にあることが分かりました。しかし、エンジニアの中には、過重労働が問題になっているケースがあります。プロジェクトマネジメントの失敗という側面がある場合もありますが、純粋に待遇が適切でない、いわゆるブラック企業のケースもあります。
エンジニア界隈で恐れている状態の一つに「デスマーチ」があります。これは、トラブルなどにより非常に極端な過重労働をしいられる状態を言います。月あたりの残業時間も3桁を余裕で越え、家にも帰れず事務所に泊まりっきりといった状態になり、体調を崩したり精神を病んだりする人も少なくありません。この状態になる理由はマネジメントの失敗やエンジニア不足などさまざまですが、体調や心を壊してまで働くことは健全とは言えません。
純粋に待遇が良くない場合やデスマーチに直面した場合も、エンジニアにとっては非常に負担の大きい働き方です。エンジニアとして活躍するためには、無理なく健康的に働き続けることが必要です。また、このようにできることが新しい才能をIT業界に呼び込むために必要なことだとも言えます。現役エンジニアが適切な働き方をすることは、今いるエンジニアが健康的に働くだけでなく業界の未来にとっても必要なことです。
効率的に働き年収を上げるには?
では、エンジニアが効率的で適切に働き年収を上げるためには、どのようにすればいいでしょうか?経産省の調査結果やデスマーチの事例からみてみると以下のようなポイントが考えられるでしょう。
- ・ブラック企業を避けホワイト企業で働く
- ・スキルアップを目指し勉強し続ける
- ・人に教えられる立場を目指す
- ・独立してフリーランスエンジニアになる
ここからはそれぞれについて解説していきます。
ブラック企業を避けホワイト企業で働く
1つ目はブラック企業を見極めるの一点に尽きます。ブラック企業を見極める基準は色々と考えられますが、外からでも分かるポイントとして、人の入れ替わりが激しいという点が挙げられます。ブラック企業では働いている人が耐えきれず、退職することが多いので一番わかりやすいポイントだといえます。
また、内部にいて分かるポイントとして、精神論がはびこっていることや社長の一強体制といったことが挙げられます。ブラック企業では非合理的なマネジメントが行われており、それが理不尽な要求につながっていることが大半です。
ブラック企業の恐ろしいところは、生産性や年収の問題にとどまらず、働いている人がそのことに対して思考停止してしまう点にあります。これが普通だと思い込んでしまい、新たな一歩を踏み出せなくなることです。こうなってしまう前に、見極めて働き方を変えることが重要です。
スキルアップを目指し勉強し続ける
収入は持っているスキルの高さによって決まるといっても過言ではありません。そのためにスキルアップをして、できることを増やしていくことが肝心です。利便性の高いフレームワークやプログラミング言語を身につけることはもちろん、次々と登場する新技術に目を向けておく必要があるでしょう。特に最近では、セキュリティ関連や機械学習、ブロックチェーン技術、VR/AR/MRといった技術は世界的にもホットになりつつあり、取り組んでおくに越したことはないでしょう。
人に教えられる立場を目指す
エンジニアに限らず、人に教えられる立場にいることは収入にも大きな影響を与えます。事実、経産省が発表している調査でも部下を指導できるチームリーダーレベルになると平均年収が急激に上がっています。
エンジニアが人に教えられる立場になるためには、まず自分自身がしっかりとしたスキルを身につけていることが前提になります。その上で、その技術について深い理解をしておかなければならず、教える相手のレベルに応じて噛み砕く必要があります。
つまり、エンジニアとしてのスキルだけでなく、対人コミュニケーションスキルなどタイプの違うスキルも必要となるので、意識的に身につけられるよう取り組んでいく必要があります。
独立してフリーランスエンジニアになる
独立してフリーランスエンジニアになり活動するというのも1つの手です。もちろん独立するのに必要なスキルレベルは必要ですが、成功すれば自分のペースで仕事をすることが可能になります。
フリーランスで活躍するためには、エンジニアとしての能力以外にも仕事をとってくるための営業力や円滑に仕事を進めるコミュニケーション能力が必要になります。
冒頭取り上げた経産省の調査でも個人事業主として活躍しているエンジニアがもっとも残業時間が少ない代わりに、最も勉強していることが分かっています。効率的に稼げる一方で、しっかりとした勉強が必要です。
まとめ:転職をしよう
今回は、エンジニアの平均年収からどのような働き方を目指すべきなのかについて解説しました。エンジニアは他の業種と比べて平均年収が比較的高めではありますが、職場や働き方によっては適切とは言えない状況も多々あります。
効率よく稼ぐためには、ブラック企業を見極めること、スキルアップすること、人に教えられる立場になること、独立してフリーランスとして働くことといった方法を検討してみましょう。また、そのために転職をしてよりよい環境に身を置いて活き活きとエンジニアとして活躍することも検討してみてはいかがでしょうか。