ゲームやSNSといったスマホ向けのアプリを手がけるエンジニアを、スマホエンジニアと呼びます。英会話アプリ、メールアプリ、ショッピングアプリなど手がけるジャンルは多岐にわたり、勤務先やプロジェクトによってさまざまなアプリに携わることになります。

大人数が携わる大規模な開発案件に携わることもあれば、ITベンチャーのように少人数のチームで開発を行なうことも珍しくありません。いずれにしてもスマホエンジニアは、スマホ・アプリ・開発言語に関する深い知識が必要とされるポジションとなります。

今回はそんなスマホアプリエンジニアの年収にフォーカスを当て、年収をアップする方法や活躍しやすい業界について紹介していきます。

スマホエンジニアとは?

スマホアプリの開発に携わることがスマホエンジニアの大きな役割の一つです。スマホアプリの開発と一口に言っても、勤める会社や案件の規模によって手がける内容は大きく変わり、それに伴って収入も増減します。

iPhoneやAndroid向けのアプリ開発が主となりますが、特に需要が大きいのは「ソーシャルゲーム」と呼ばれるアプリ。オンライン上で他のプレイヤーと対戦をしたり、ガチャシステムによってレアカードやレアキャラクターを集めていくタイプのゲームです。

スマホアプリ市場では、こうしたソーシャルゲームを通じた売上が大きなウエイトを占めていることから、ゲームアプリ開発の経験を持つスマホエンジニアは重宝される存在でもあります。

メインの開発言語となるのは、iPhone向けのObjective-CやSwift、Android向けのJavaの2つ。もしここにWindows Phone向けのアプリ開発なども入ってくると、C#やVisual Basicといった言語も用いられることがあります。

基本的にはApp StoreやGoogle Play Storeからインストールするネイティブアプリの開発を手がけることになりますが、企業や案件によってはブラウザ上で作動するWebアプリ、あるいはネイティブアプリとWebアプリの両方の性質を備えたハイブリッドアプリの開発に従事することも珍しくありません。

ただし多くの会社や案件では、Android向けアプリの開発担当、iPhone向けアプリの開発担当が分かれているのが普通です。そのためAndroidもiPhoneも、両方の開発スキルがなければ採用されない…ということは考えにくくなります。

もちろん、両方の経験・スキルを持っていて、Androidの開発チームともiPhoneの開発チームとも意思疎通ができる人材は重宝されますので、年収アップに繋がることが予想されます。

スマホエンジニアの平均年収は?

経済産業省が平成29年に発表した『IT関連産業の給与等に関する実態調査結果』では、日本のIT業界に勤めるエンジニアの給与水準が報告されています。同調査の中で、スマホエンジニアは「SE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)」の項に分類されます。

「SE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)」の職種においては、平均年収は593.7万円とされています。同調査における職種の中ではやや低い水準となりますが、それでも600万円近い高年収を手にしていることは変わりありません。

ちなみに同調者の中でもっとも平均年収が高いのは、「コンサルタント」「プロジェクトマネージャー」の2職種です。それぞれ928.5万円、891.5万円という数字が出ています。

ただし、調査対象者がSE・プログラマ(ソフトウェア製品の開発・実装)1123名、コンサルタント214名、プロジェクトマネージャー774名と偏っている点には注意が必要です。というのも、高年収の一部のエンジニアが平均を押し上げ、実情とはやや異なる数字になっている可能性があるからです。

とはいえ、日本のサラリーマンの平均年収は432万円(平成29年度)となっていることを考えれば、全体を4割ほど上回る年収となっていると言えます。コンサルタントやプロジェクトマネージャーへ転職、あるいはフリーランスとして独立することでさらなる年収アップを期待できることも考えれば、夢のある職種となるでしょう。

参考:https://heikinnenshu.jp/

スマホエンジニアの年収が高い業界は?

スマホエンジニアの需要がもっとも高まるのは、スマホアプリ業界、特にゲームアプリ業界です。ソーシャルゲームの分野では、今でも高い収益性が期待できるため、企業からしても即戦力の優秀なスマホエンジニアを採用して、人気作品を作りたいと考えるモチベーションが生まれるからというのがその理由です。

ゲーム

そのほかにもIT業界に属する企業であれば、活躍できるチャンスはあちこちに転がっています。たとえばWebサービス業界でも、自社サービスの一部をアプリ化してリリースするなど、スマホエンジニア求められるシーンは数多くあります。

もしくはどの業界にも属さずフリーランスという立場として、選り好みすることなくさまざまなスマホアプリ開発を経験することで、スキルアップと実績向上につながり、最終的にはトップクラスの年収を手にできる可能性もあるでしょう。

将来的にコンサルタントやプロジェクトマネージャーへ転職してさらなる高年収を得ようと考えるのであれば、できるだけ1つの業界に身を置き続けて専門性を磨くことをおすすめします。

年収が高いエンジニアの特徴は? スキル等

では、稼げるスマホエンジニアにはどのような共通点があるのでしょうか?

高年収のスマホエンジニアの特徴としてあげられるのは、まず「横」に活躍の場を広げていることです。iPhone向けだけ、Android向けだけ、と開発分野を限定することなく、複数のジャンルで開発経験を持つ人であれば、当然高額の年収が提示される可能性が高くなります。

ハイブリッドアプリの開発経験や、UI/UXに関する知識、あるいはプロジェクトマネジメントの経験など、幅広いスキルを持つことでゼネラリスト的なスマホエンジニアとなることが、高年収を得る1つ目の道です。

もう1つ、高年収を稼ぐスマホエンジニアの特徴があります。それが「縦」に活躍の場を広げているタイプの人材です。あえて専門分野を広げていくのではなく、ひたすらiPhone向け開発に独走する、Android開発でトップを目指すという、スペシャリスト的なスマホエンジニアも高い報酬を得やすくなります。

少数の専門分野をひたすら突き詰めることにより、1人で2人分、3人分の生産性を発揮できるようになるケースも珍しくありません。その分だけエンジニア市場では高く評価されますので、平均を上回る年収、時には1000万円クラスの報酬を手にできることもあるでしょう。

まとめ:会社やプロジェクトによって年収は異なる

ゲームを中心とするスマホアプリを開発するスマホエンジニアは、会社やプロジェクトによって手にできる年収は異なってきます。さらに多く稼ぎたいと考えるのであれば、ゼネラリストまたはスペシャリストを目指して活躍の場を広げることが重要になります。

時にはフリーランスとして独立し、1人の個人事業主として働くことでも年収アップにつなげることができるでしょう。今後のキャリアパスの参考として、スマホエンジニアという道も検討してみてください。

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