「HeartTech Company」として個人が個性を活かし自分らしく輝くける事のできるプラットフォームの創造を使命としオンライン採用、教育のSaaSを提供する株式会社manebi執行役員CTO・岡田大輔さんにインタビューしました。アメリカにギター修行で渡り、形で覚えていくことの重要性、言い換えれば「Don’t think feel it」の精神と抜群のコミュニケーション力でキャリアを築いた人生と「幸せ」を技術者として追求する姿勢にも迫りました。

IT業界に入ったきっかけは何ですか? 

エンジニアというよりも高校卒業した時に友達がアメリカにギター留学していて、当時「カッコいいな」と思いました。それに影響を受けて1年間お金を貯め、アメリカにギターを持って留学しました。

帰国後、親から「今後の人生どうするんだ?」と詰められ「学校行かせてあげるから何か考えなさい」と言われました。僕は人と話すことが好きで、おじいちゃん、おばあちゃんにも好かれるタイプでした。それで介護業界に進もうかと思いました。

え! 介護業界ですか?

アメリカ留学中に日本のアニメ、特に「機動戦士ガンダム」に惹かれ「アムロみたいに機械をいじりたい」と思いました。架空の小型球形ロボット「ハロ」みたいなものを作ったりするのも憧れました。

「せっかく親もお金出してくれるし、介護はいつでもできる」という思いから、機械の専門学校に行こうと思いました。しかし、そこで勘違いしてインフラ系の「機械いじり」ではなく、情報処理科に入りました。もちろん、いつまで経っても「機械いじり」をしませんよね。

当時23歳でしたが、当時の18歳ぐらいの生徒に「ここの授業は毎日プログラムの勉強だけで、機械いじりしないの?」と聞いたら「うちの科じゃないよ」と言われ、やさぐれました(笑)。そして先生が「お前みたいな年齢の奴は絶対IT業界に入れない」と言われ、それが悔しくて「どうにか入ってやろう」と思いました。それがきっかけですね。

最初に入った会社を教えてください 

同期の人はITを勉強した大卒でその時点で差が開いていました。僕は全然わからなくて、研修の時も「エクスプローラーを開いてください」と言われ、IE を開いたりして、同期から「お前バカだね」と言われました。落ちこぼれですね。本当にITが嫌いで毎日「辞めたい」と思っていました。

それでも辞めなかったんですよね?

僕、当時からコミュニケーションを取るのが得意でした。IT系の人はあまり喋らないじゃないですか。そこが強みでした。お陰様で、同期の人が親切で僕を助けてくれました。

わからないところがあって聞くと、コードを書いてくれる人もいました。その点で僕がいつも進捗が一番でした(笑)。人にやってもらって、それで上手くやり過ごしてきました。

いつまでも、それが上手くいくとは限りませんよね?

もちろんです。ある時お客様に「岡田さんはできる人」と勘違いされ、お客様から「Strutsベースのフレームワークを組んで」と言われ、焦りました。「そんなのできない」とは言えません。

その時も同期に手伝ってもらい、自宅に職場と同じような環境を作り、夜中に前日のプログラミングをして、覚えている「そのまま」を書き写すことを1年ほどしていました。それを通してITがやっと理解できた感じです。

「体で覚えた」ということですね?

そうですね。例えばStringの文字列を細かく定義する際、「何で文字列がStringじゃなくちゃいけないのか?」それが気になり、先輩に相談したところ「そういうものだから、考えない方がいい、丸暗記しなさい」と言われ、書き写しながら丸暗記していました。

ギターと同じで体で覚える感じですね。「サーバーのこの辺が悪いんじゃないか」という部分も形で覚えたことで誰よりも早く気づきました。

その会社には何年在籍しましたか?

最初の会社は5年です。それから、その会社の出向先から誘われて、15年在籍し、3,000名ほど社員がいたのでPMを束ねる役職でした。技術に特化しているわけではなくて「技術に強い人を連れてくる」ことが僕のミッションでした。

今の会社に入るきっかけは何ですか?

前職で技術系のマネージャーでしたので「どうやったら生産性が上がるのか」と研究していました。組織論や集団心理学を独自に勉強していく中で「スクラムを取り入れたほうがいい」と思い、スクラムマスターの資格を取りました。

ですが「やっぱり人は満たされていないと生産性は上がらない」という根源的な気づきもありました。「私生活も幸せでないとダメだ」と気づき「俺、何で働いているのか?」という壁にぶちあたりました。僕もいい年(43歳)だったので「それなりの給料をもらえているし、このまま生きていくのか?」と漠然と考えていましたが、せっかく生きるのであれば「技術を持って人のために生きたい」との思いが強くなり、そんな時に今の会社の社長・田島と出会いました。

この会社は「世界縁満」を掲げています。田島は「ITで人を幸せにしたい」と言っていました。僕も強くそれに共感し、半年ぐらい2人で話し合い、田島から「今上場に向けて、技術力を高めたいので、うちで手伝ってくれないか」と言われ、入社を決意しました。

現在の開発チームを教えてください

日本人は3名、ベトナム人エンジニア8名です。日本にいるチームは6名で3名が日本語も話せるベトナム人です。ベトナム人の5名がハノイオフィス勤務です。今はベトナム・ハノイの開発チームが主体ですが、日本の人材も強化してます。

開発チームのこだわりはDXです。HR分野で強みがあり、我々の提供するプロダクトは「単なる効率化ツールではない」という思いがあります。「どんな企業よりも我々自身がDXじゃないといけない」という思いです。

現在取り組んでいる活動は「データの見える化」や「ディベロップメントを構築できる環境」そして全社一丸となって「ITは効率化のツールじゃなく、生活の一部としてなくてはならないパートナーと認識し、常にTech企業であり続けること」という思いで活動しています。

御社のサービスについて教えてください

現在7つのサービスがございます。メインは「派遣のミカタ」と「Web面接」ですね。Web面接は「zoomでいいじゃん」という話もありますが、面接にとどまらず採用という分野で「プロダクトを拡充したい」と思っています。採用に関して言えば、仕事に就くということは結婚や子供が生まれるぐらいの人生の重大行事だと思います。ですから仕事に就くミスマッチをできるだけなくすほうが人生にとって「ハッピーなんじゃないか」と思います。

そこで企業と応募者のミスマッチをなくすプロダクトを立ち上げようとしています。転職する場合「次も頑張ってね」と企業側も転職者を応援できるようなしかけも考えてます。

卒業証書のように次の会社に行く時に「このデータを使って受けなよ」とか、そういうものがあったら面白いんじゃないかなと思います。日本だと転職すると裏切り者みたいな風潮がありますが、欧米的に次の門出を応援できるものを目指しています。

7つもサービスがあると大変じゃないですか?

運用は特に大変ではないですが、コロナの影響で昨年よりも10倍以上のアクセスがありました。今、Web面接やeラーニングがキーワードですよね。そこで忙しくなっています。

警備業界もeラーニングが昨年の夏からOKになったので「警備のミカタ」も始動しています。今は問い合わせが殺到して大変ですが、課題としてお客様が「どういう風に使っているか」CSがお客様からヒアリングして「データから分析できるような基盤を作るべき」と思っています。その辺が少し苦労している部分ですね。こちらは「円満」で送りたいです。

岡田さんの考える今あるべきエンジニア像とは何ですか?

少しだけ考えていることがあります。前職の会社はインフラはインフラエンジニア 、プログラムはプログラマーと区切りがありました。しかし今はSaaSモデルになりユーザーの利便性を上げるのが重要で、技術者がそれを理解していないと「ユーザーのエクスペリエンスを高めるのは難しいのでは?」と思います。

ユーザーの感覚を聞き、グロースハックして、マーケットの全動向をみれる、つまりトータルバランスが優れている人材が今後求められていくと思います。

エンジニア は一点集中する傾向がありますよね?

尖り切れればそれでもいいと思います。前職で目の当たりしたのが、高齢の方でJavaを業務でずっとやってきました人が、若手に業務を取られてしまうことです。若手の方が早いからです。そうなると若い時から「この項目を追加するとマーケットに及ぼす影響は?」など理解していないと、お客様に提案ができなくなります。やはり全体を見れる必要性があると思います。

それができる人は現場に少ないですね。日本の文化なのでしょうか? 「Sierとして仕事受けるという文化がそうさせているのかな?」と思います。必要な時だけSiに委託して、必要な時だけ別の仕事をするような。「製品を育てる」という意識が「日本では低いのかな?」と思います。

岡田さんの「大切にしていること」「信念」を教えてください

僕は独自に幸福論があります。人間の能力ってそんなに変わらないと思います。5つのレーダーチャートがあってスキルや性格等がありますよね、そんな人たちを宇宙から見たら「大差ないんじゃないか」と思います。

だから僕が一番大切にしたいのはスキルや性格ではなくて「この人と仕事をしたい」と思える人間性を身につけることが大切です。それが「信念」ですね。

仕事もプライベートも充実させないといけません。仕事が上手くいかないとキャンプ行っても仕事のことを考えてしまいます。逆にプライベートでも悪いことがあると仕事に集中できません。だからトータルで幸せになれるように考えています。「自分が幸福でないと周りも幸福になれない、だから幸福でありましょう」というのが信念です。

今後の目標と野望について教えてください

会社としては「時価総額2兆円企業を目指そう」です。それはパナソニックやイオン規模の企業ですね。ですが2兆円稼ぎたいというわけではなく「イオンのような日常の中で求められる商品に付随する幸せを届けたい」というようなことを目指しています。

僕自身は技術に携わっているので技術の力で「自分の手の届く人を幸せにしたい」という思いがあります。僕の手は小さいので今は僕の周りしか助けられませんが、この手を世界に伸ばせば「世界の人を助けられんじゃないか、幸せになれんじゃないか」という決意です。「世界に幸せを技術で届け、実現していく」これが僕の野望です。

告知

「誰かを幸せにしたい」「仲間を大切にする」そんな技術者を募集しています。

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好きな人、自らわくわく、色々な事を試して、一緒に成長できる人を大募集しています。

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