JASDAQ上場企業の「KSK」のグループ企業として全ての情報システムの基盤となる「ネットワーク・インフラ」領域で着実な成長を続ける株式会社KSKテクノサポート。今回話を伺ったのはヘルスケア部門エンジニアのK.Yさん。現場は救急医療を題材とした人気ドラマのようだった。

入社のきっかけ この会社いいな

入社前はフリーターで、就職サイトから登録してIT系の会社をいくつか受けていました。ITに絞っていたのは大学で情報工学を専攻していたからです。

入社を決めた理由は「研修がいい!」との評判と、当時面接してくれた部長の人柄に魅かれ「この会社いいな」と直感で思ったからです。

研修について 1ヶ月足らずでCCNAの資格を取得

稲城にある会社の研修寮(カレッジ)に泊りながら、毎日研修を受けていました。研修寮の部屋は普通のマンションの1室なので快適でしたが、何せ直前までは自由気ままなフリーターでしたので、いきなり生活が規則正しくなり、毎朝早いとなると、慣れるのに苦労しました。

良い意味で勉強しかできない環境でしたので、とにかく集中できました。そのおかげで1ヶ月足らずでCCNAの資格を取得することができ、これには本当に驚きました。

寮の思い出 同期との絆

一緒に学ぶのは私と同じIT未経験の22歳から27歳ぐらいのメンバーで、また同期でもあります。同じ寮に入り、同じ期間、ゼロからITの知識を習得する同じ仲間として、わからないことはお互い教え合い、絆が深まっていきました。

くじけそうになった時も、仲間に助けられましたね。今はお互い違う部署ですが、連絡は取り合っています。

研修中の食事については昼と夜の2回、お弁当が出ました。自炊しなくてよい点も助かりました。

1日の流れは、7時半から自習して8時半から研修スタート。カレッジは道路を挟んで向かい側のビルです。歩いて30秒ぐらいでしょうか。そんな距離感です。時間にロスがなかったですね。授業は夕方6時まで、その後自習です。講義内容はネットワーク関連がメイン。実際にルーター等の機器を触って演習もしました。初めて触る、しかも高額な機器ばかりでしたので楽しかったですね。

KSK2

配属先について システム設計の橋渡しから簡単なPC操作まで

今の配属先はヘルスケア部門です。某県の救急医療センターで病院情報システムの運用・保守を行なっています。病院の基幹となる電子カルテシステムは患者様の手術管理システムやレセプト(診療報酬請求明細書)といった、色々なシステムと繋がっています。

私はそれらのシステム運用をメインで担当していますが、「これ使いにくい」「この表記が分かりづらい」「こういう風に設定を変えられないか」という先生方や看護士さんなど、実際にシステムを利用する病院職員さんの声を開発者にフィードバックする橋渡し的な役割も担っています。

もちろん私たちで設定を変更できるところは直ぐに対応しています。また、先生方はITに詳しい方ばかりではないので、簡単なPC操作対応や学会発表用の資料や統計データの作成を依頼されることもあります。

配属先について 医療の専門資格「医療情報技師」に挑戦

IT業界というとネットワーク、サーバーというイメージかもしれませんが、私の場合、プラス「医療」です。先生方との会話では当たり前のように医療用語が飛び交うので、私たちもしっかりとそれらを理解していなければなりません。

そこで医療の専門資格である「医療情報技師」の試験を今年8月に受験しました。10月に結果が出ます。年に1回だけの試験で「1.情報処理」「2.医療情報システム」「3.医学・医療」の3科目すべてに合格しなければならず、合格率は約30%のなかなか難しい資格です。

それでもチームの勉強会に参加するなど、合格に向けた努力はしてきたので自信はあります!

配属先について 1日の流れ

月曜日から金曜日の週5勤務。勤務時間は9時から18時です。緊急時には駆けつけることもありますが、他に補助要員のメンバーが2人いるので、いつでもサポートできる体制が整っています。

ちなみに救急病院は1次、2次、3次と救命体制が分かれていますが、私たちのいる病院は3次です。ルールとして、まず患者さまが救急車で搬送されるのは1次の病院です。受け入れられないと2次に、そして手に負えない場合は、我々が勤務する3次の病院に搬送されます。絶対に断れません。そのため緊急性の高い患者さましかいらっしゃいません。

患者さまが救急車で搬送されてくると、病院内にお知らせ音が鳴ります。色々な部門の先生方が「救急搬入口」という場所に一斉に集まり、そこで最初の処置を施し、そのまま手術室に運ばれます。この時に「電子カルテが使えない」「使い方がわからない」「端末が動かない」等のシステムトラブルがあれば、私たちもその場に駆けつけ対応することもあります。

最初の頃は、お知らせ音にビクッとしていましたが、今ではそれが当たり前なので、自分にとってもうイレギュラーではなくなりました。頻度は決して高くはありませんが、手術室にグリーンの手術用ガウンを着て入ることもありましたね。

人の命が近いので、先生方とはチームみたいな感じです。医療の現場にいるという意識は強くなりました。

KSK3

配属先について バレンタインのチョコをもらいました

現場に配属される前は病院がどういうところか、はっきりイメージできていませんでした。実際に働いてみると、職員(先生方や看護師)さんは面白いですし、緊急な時は大変ですが、雰囲気的にはピリピリしたところはないです。

仕事以外の話もします。今まで抱いていた病院に対する硬いイメージがなくなりました。仕事を離れれば、和気藹々している感じですね。職員の方にバレンタインのチョコをもらったこともあります(笑)。

医療とITの課題

病院情報システムのデータは患者さまの個人情報ですので原則的には外部に出せません。閉ざされたネットワークでしかシステムを運用できないのが現状です。そのため病院間の連携(地域連携)が取れません。共有できるのはあくまで同じ病院内、関係者だけです。

処置が難しい患者さんの場合、先生が紹介状を書いて別の病院に郵送します。これでは効率が悪く時間もかかります。しかし情報をクラウド化し、どの病院でも共有できるようにすれば、もっといろいろとできることが増えると思います。

例えばリモートで手術中の画面をみることで、他の先生でも対応できる場合もあると思います。そいうことが実現できれば、もっと人の命を救えると思います。

今後の目標 頼られる人間になりたい

今の仕事に就いて、ITに関する視野が広がりました。パソコンの前に座って作業するだけではなく、病院内を歩き回り、病棟や手術室でも作業することで、病院の一員として病院を支えている感じがします。

今後の目標としては医療情報技師の資格を取得し、チームリーダーとなり、知識や技術力を上げ、頼られる人間になりたいです。

KSK4

エピローグ

パソコンの画面と向き合うだけではなく人の生死にも向き合うK.Yさん。仕事をする上で一番重要なことは何かと私は最後に訪ねた。K.Yさんは「伝えることですね、できるだけ分かりやすく、どう説明すれば理解してもらえるか、常に考えています」と笑顔で答えてくれた。

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