エンジニアとして活躍している方はあるプログラミング言語を用いて開発を行っていきますが、使用するプログラミング言語をどのように決めているでしょうか?

様々な軸があると思いますが、1つ目は需要。プログラミング言語にも需要の増減があり、時代が変化するのと共に、求められるプログラミング言語が変わってきます。例えば、最近だと人工知能系の開発がトレンドとなっているので、人工知能開発に長けているPythonの需要が高まっています。需要があれば仕事は無くならないので、この需要を元にプログラミング言語を決める方は多いでしょう。

他の軸としては年収が挙げられます。開発に使用するプログラミング言語によっては年収が異なってきます。これも需要の増減とある程度相関はありますが、プログラミング言語別の平均年収ランキングでは、平均年収が1位の高いプログラミング言語と12位のプログラミング言語との間では平均年収が約200万円程度も差があります。よって、年収によってプログラミング言語を選ぶ方も多いでしょう。

ここでは、これらの需要や年収といった軸を中心として過去5年間の人気プログラミング言語の推移と、今後の需要を予測していきます。これからエンジニアとして活躍されようとしている方はこの記事を元に、どのプログラミング言語を選ぶべきなのか、また使用するプログラミング言語を変えようとしている方は今後どのプログラミング言語を選ぶべきなのかということの参考にしてみてください。

ここ5年でどのように人気プログラミング言語あるいは年収が推移したか?

過去5年間(2014年〜2019年)でプログラミング言語の人気はどのように推移したのか見ていきましょう。

人気プログラミング言語から見てみる

人気のプログラミング言語を調べるにあたって、「TIOBE Index」という指標が役に立ちます。この指標はオランダにある「TOIBE Software社」が発表しているもので、Google, Yahoo, Bing等の有名検索エンジンでの検索数からどのプログラミング言語がトレンドなのかということを示している指標になります。

この指標によると、2014年ではC言語・Java・Object-C・C++・C#・PHP・Python・JavaScript・Visual Basic.NETが上位に並んでいます。

2016年ではJava・C言語・C++・C#・Python・PHP・Visual Basic.NET・JavaScript・Object-Cと並んでいます。

2019年現在ではJava・C言語・Python・C++・Visual Basic.NET・C#・C#・PHP・SQL・Object-Cと並んでいます。

このようにたった5年でも人気プログラミング言語は大きく変化しています。

特に注目スポットとして1つ目はObject-Cです。2014年では人気プログラミング言語ランキングで3位でしたが、2016年と2019年ともに10位に下がっています。下がった理由としてはiphoneやMac OSでのアプリケーション開発に中心として使用されるプログラミング言語がObject-CからSwiftに移り変わったからだと言えます。

また、注目スポットとして2つ目はPythonです。2012年にディープラーニングという人間が行う手順をコンピュータに学習させる機械学習の一つがトレンドとなったため、その開発に使用するプログラミング言語であるPythonも同時に注目を浴び始めました。2016年にはGoogle社が開発したAlphaGoが韓国の囲碁トップ棋士イ・セドル氏に勝ったことで人工知能が更に注目を浴びました。

よって、これら人工知能の開発に使用されるプログラミング言語であるPythonも時代を経るごとに注目を集めるようになり、2016年には5位、2019年には3位に食い込んでいます。

また、注目スポットとして3つ目はJavaとC言語です。5年間のうちどの年も両者は1位と2位を独占しています。そして、3位以下とかなりの差をつけて1位と2位に入っています。理由としてはJavaとC言語はいつの時代も安定して開発に使用されるプログラミング言語だからです。

IT業界ではインターネット・Web業界、情報処理サービス業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界の4つに分類することができますが、C言語もしくはJavaを使えるとインターネット・Web業界、情報処理サービス業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界の4つどこでも活躍することができます。

この汎用性の高さからJavaとC言語は安定して人気プログラミング言語で上位に入っています。

プログラミング

年収ランキングから見てみる

続いて年収に関してです。プログラミング言語別の平均年収を調べるにあたっては求人検索エンジン「スタンバイ」が発表している「プログラミング言語別 平均年収ランキング」が役に立ちます。このプログラミング言語別のランキングは求人検索エンジン「スタンバイ」に掲載されている正社員求人情報から平均年収を算出し、ランキングにまとめたものです。

このランキングは2016年からの発表になりますが、2016年のランキングでは降順に、Python・Perl・Ruby・C言語・JavaScript・PHP・Scala・Java・Swift・Object-C・COBOL・アセンブラとなります。1位のPythonは651万円、12位のアセンブラは441万円となり、約200万円もの差があります。

2018年のランキングでは降順に、Go言語・Scala・Python・Kotlin・TypeScript・R言語・Ruby・Swift・Perl・C言語となります。1位のGo言語は600万円、10位のC言語は525万円となります。

注目スポットとして1つ目はGo言語です。2016年のランキングには入っていなかったプログラミング言語ですが、2019年では1位となっています。上位に入った理由としてはC言語を代替するプログラミング言語として使用されるようになり、幅広い用途で使用ができるからです。実際に、求人数は2018年の昨年比で1.9倍に増加しています。

また、注目スポット2つ目はPythonとR言語です。この両言語は統計解析や機械学習の研究・開発にて使われるプログラミング言語であり、世界中のデータサイエンティストや研究者が使用しています。人工知能系の開発がトレンドであるので、求人数は2018年の昨年比で1.7倍になっています。

今後のエンジニアの需要を予測する

続いて今後のエンジニアの需要を予測します。

伸びる業界から需要を予測する

IT業界ではインターネット・Web業界、情報処理サービス業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界の4つに分類することができますが、各業界における将来の需要によって、仕事が得られるかどうか、年収が高いかどうか決まってきます。

IT業界は全体として今後も順調に伸び続けるという予測がありますが、その中でも特にインターネット・Web業界とソフトウェア業界が伸び続けるでしょう。

インターネット・Web業界が伸び続ける理由はインターネット・Webサービスはトレンドの移り変わりが早く、様々なプロダクトが出てくるからです。例えば、SNSではMixi→Twitter→Instagramといったように人気のサービスは数年単位で移り変わっています。このように多くのプロダクトが出てくる業界なので、需要は今後も伸びるでしょう。

そして、ソフトウェア業界が伸び続ける理由は最新技術が多く出てくる業界だからです。最近だと、人工知能・ブロックチェーンなどの最新技術がトレンドとなっており、将来的に更に多くのトレンドが出てくると予想されるため、需要は今後も伸びるでしょう。

高い報酬が期待できるプログラミング言語Python/kotlin/swift

今後伸びる業界を見てきましたが、その伸びる業界内で働くことで高い報酬も期待できます。よって、それらの業界で使われるプログラミング言語を見ていきます。

まず1つ目はPythonです。これは人工知能系の開発がトレンドで、このトレンドは暫く続くだろうからです。またPythonは2016年〜2018年のプログラミング言語別年収ランキングでかなり上位に食い込んでいるので、今後も高い報酬が期待できるでしょう。

また、2つ目はKotlinとSwiftです。これらのプログラミング言語はスマートフォン用のアプリの開発に主に使われるプログラミング言語です。2018年ではスマートフォン使用率は80%になっており、スマートフォンアプリは多くの人々に使用されています。今後も多くのアプリケーション開発が行われると予想できるため、今後も高い報酬が期待できるでしょう。

果たしてプログラミング言語を人気や年収で選んでいいのか

今まで、プログラミング言語の人気と年収という軸で見てきましたが、果たしてプログラミング言語を人気や年収で選んでも良いのでしょうか?

結論から言うと、自分自身が大事にしたい軸に依るでしょう。

例えば、仕事が継続的に得れることを大事にしたければ、人気という軸で選ぶべきですし、普段の生活をより豊かにすることを大事にしたければ、年収という軸で選ぶべきでしょう。また、最先端の開発に携わることを大事にしたければ、最先端の開発に使われている技術という軸で選ぶべきでしょう。

このように、自分自身が働く上で何を大事にするかによってどのプログラミング言語を選ぶかということをオススメします。

まとめ:何を大事にするか

プログラミング言語の需要と年収ランキングを元にエンジニアの選択を考えるというテーマで今回はお伝えしました。いかがだったでしょうか? 今回お伝えしたかったことは以下のとおりです。

  1. 高い報酬が期待できるプログラミング言語はPython・KotlinとSwift
  2. IT業界の中でも特にインターネット・Web業界とソフトウェア業界が伸び続ける
  3. 自分自身が働く上で何を大事にするかによってどのプログラミング言語を選ぶかということがオススメ

エンジニアとしてどのプログラミング言語を選択するか迷う方が多いと思いますが、今回の記事を元に選ぶ際の参考にしてみてください。

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