世の中のプログラミング言語には、プログラミング初心者でも習得しやすい言語もあれば、実務経験者であっても習得が難しい言語もあります。習得が難しく難易度が高いということは、それだけマスターしている人が少なくなり、貴重な人材になれることも意味します。
そこで今回は、代表的なプログラミング言語の中で難易度が高いものをピックアップして、その特徴と将来性について紹介していきます。
習得に難しいプログラミング言語 ベスト3
アメリカのTIOBE Software社のホームページでは、全世界で人気のプログラミング言語を集計しています。このサイトをチェックすることによって、今の業界ではどんなプログラミング言語が流行っているのかを知ることができます。
2019年12月の数字をみてみると、人気のプログラミング言語の上位3つは以下のようになっていました。
順位 | 言語 |
第1位 | Java |
第2位 | C |
第3位 | Python |
※参考:https://www.tiobe.com/tiobe-index/
これは人気のプログラミング言語に関するランキングですが、実は習得が難しい難易度の高いプログラミング言語も、この3つが代表的なものとなっています。
人気プログラミング言語第1位のJavaは、1990年代前半にアメリカで誕生したプログラミング言語です。オブジェクト指向型のコンパイラ言語に分類され、企業で使われる業務システムやWebシステム、Android向けのスマホアプリ開発にも使用されています。
非常に幅広い種類のシステム開発に応用できる点が強みで、特定のOSに依存することなく開発を行える点も大きなメリットです。代表的なプログラミング言語の中では、Javaの習得難易度はトップクラス。
さまざまなシステムに応用できる言語なだけあって、覚える知識が膨大で習得に時間がかかってしまう側面があります。逆に言えば、Javaを最初にマスターしてしまえば、他の言語の習得難易度はグッと下がるということでもあります。
しっかりと腰を据えて学習すれば習得できないわけではないので、時間や体力を確保して挑戦してみたい言語です。
第2位のC言語は、1972年にアメリカで誕生した手続き型コンパイラ言語です。機械語に最も近いプログラミング言語と認識されており、機械を制御するシステムを中心にさまざまな開発に用いられていることが特徴です。機械で動くシステムの開発であれば、C言語をマスターしておけば困ることはないといわれるほどです。
代表的なプログラミング言語の中では難易度が最高ランクで、特にメモリの管理や「ポインタ」と呼ばれる概念を理解するのが難しいとされています。習得する価値は高いものの、習得までに膨大な時間と手間がかかることでしょう。
第3位のPythonも難易度は高い部類ですが、上2つと比べるとそこまで難しいわけではありません。1991年にオランダで誕生したPythonは、FacebookやGoogleといったIT企業にも使われている人気言語で、AIや機械学習の用途にも用いられています。
Pythonを使ってできることは多岐にわたりますが、その分だけ覚えることが多くなって難易度が多少上がることになります。とはいえ、プログラミング初心者でも習得できないことはありません。将来性を考えても、積極的に学びたい言語です。
ベスト3の言語の現状は? 需要や年収
株式会社ビズリーチの求人検索エンジン「スタンバイ」が発表した「プログラミング言語別年収ランキング2018」では、各プログラミング言語の求人数と提示年収の中央値を確認することができます。
これによれば、人気1位のJavaの年収中央値は500万円でランクは14位。トップ10には入れない年収ということになりますが、一方で求人数は34,000件とダントツ。年収水準は控えめなものの、一度マスターすれば仕事には困らない言語といえます。
人気2位のC言語は、年収中央値が525万円でランクは10位。最大提示年収は1000万円で、求人数は9,347件と比較的多めとなっています。そこそこの年収が得られて仕事にも困りにくいのが、C言語の現状といえるでしょう。
人気3位のPythonは、年収中央値が575.1万円で3位にランクインしています。最大で1,499万円の提示年収、求人数は9,344件でいずれの数字も高水準となっています。難易度と得られる提示年収を考えれば、非常にコストパフォーマンスのいい言語と考えられます。
※参考:https://www.bizreach.co.jp/pressroom/pressrelease/2018/0807.html
ここで紹介した3つの言語は、いずれも難易度が高めのプログラミング言語ですが、提示年収や求人数をみてみるといずれも高水準になっていることがわかります。特に求人数は他の言語よりも多い傾向にあり、仕事には困らないことが予想されます。
JavaやC言語、Pythonといった言語の難易度が高く、習得できる人が少ないことから需要と供給のバランスが偏っているのでしょう。市場価値が高く、企業から求められる人材になりたいと考えるならぜひともこの3つの言語をマスターしたいところです。
ちなみに、この3つの言語以外に特筆すべきものとして、年収1位のGo言語、年収7位で求人数が圧倒的なRubyがあげられます。
Go言語はC言語の代わりになる言語としてGoogleによって開発され、YouTubeのようなWebアプリケーションでも用いられています。習得難易度はやや高めですが、高い年収を狙うために勉強を始めてみるのもよいでしょう。
Rubyは日本で誕生したプログラミング言語で、「書きやすく、読みやすく」がコンセプトの習得難易度が低い言語です。Ruby on RailsというフレームワークのおかげでWebサービスの開発に強く、求人数が圧倒的に多いため仕事に困りにくいといえます。
ベスト3の言語の将来性は?
次に、各言語の将来性についても考えてみましょう。
最近ではJavaに代わる言語が開発されていることから、Javaの将来性はあまり明るくないと考える人も多いかも知れません。しかし実際には、大手企業のシステムのほとんどがJavaを用いて構築されており、今でも高い需要があることも事実です。
歴史がある言語なだけあって、その安定性と信頼性は他の言語の追随を許しません。安定性・信頼性が重視される大手企業からの案件や、官公庁からの案件は今後もJavaが使われると予想されます。
その意味では、膨大なニーズに支えられてJavaの将来性は今後も高まり続けることでしょう。
C言語も、Javaと同じく安定性・信頼性に定評がある言語です。これまでに開発されてきたシステム資産が膨大に残されているため、そうしたシステムのメンテナンス・機能拡張のために今後も使われ続けるはずです。
C++やC#といったC言語から派生した言語も数多くありますが、これらの習得にもC言語の知識が役立つため、習得しておいて損はない言語となります。
Pythonに関しては、これからの業界で確実にトレンドとなる言語です。AI(人工知能)の開発ではPythonが使われるシーンが非常に増えており、GoogleやAmazonでも使われている言語として知られています。
こうした大企業も使用していることから、AIの分野ではPythonが定番の言語となる可能性があります。これからのIT業界で稼げるエンジニアになりたいなら、Pythonは必ず習得しておくべき言語といえるでしょう。
まとめ
ここまで代表的なプログラミング言語の難易度と、その現状・将来性についても紹介してきました。人気ランキングや年収ランキングなどと合わせてみてみると、習得すべきプログラミング言語が明確になっていくことでしょう。
次に習得する言語はどれがいいか悩んでいる人は、ここで紹介した言語の中から選択してみてはいかがでしょうか。