業界の人材不足

1983年(昭和58年)7月15日、ファミリーコンピュータ発売。
1995年(平成7年)11月23日、Windows95日本語版発売。
2008年(平成20年)7月11日、iPhone 3G日本発売。

現在40代のみなさまは、これらの製品の発売に立会い、そしてそれが社会に与えた影響を目の当たりにしてきました。

始めは単なる電卓やテレビゲーム機器だったコンピュータやITが、しだいに私たちの生活になくてはならないものになってゆく過程をまさに経験してきた世代ということになります。

今や、個人の生活ではスマートフォンでネットショッピングをしたりメッセージのやり取りをしたり、電子マネーでさまざまな決済をしたりするような時代になりました。ビジネスや社会インフラの面においても、ITは欠かせないものとなっています。今後も新たな製品やサービスが誕生し、ITの利用は拡大していくでしょう。

さて、そのように需要の拡大が見込まれるIT業界ですが、業界を支えるIT人材の状況は、近年どのようになっているのでしょう。

2016年に経済産業省が行った「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」から抜粋します。

我が国では、産業界で大型のIT関連投資が続くことや、昨今の情報セキュリティ等に対するニーズの増大を契機に、IT人材の不足が改めて課題となっています。また、ビッグデータ、IoT等の新しい技術やサービスの登場により、今後ますますIT利活用の高度化・多様化が進展することが予想され、中長期的にもITに対する需要は引き続き増加する可能性が高いと見込まれます。
しかし、我が国の労働人口(特に若年人口)は減少が見込まれており、今後、IT人材の獲得は現在以上に難しくなると考えられます。IT需要が拡大する一方で、国内の人材供給力が低下し、IT人材不足は今後より一層深刻化する可能性があります。

引用:http://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160610002/20160610002.html

つまり「現時点ですでに人材が大量に不足しており、今後はさらにその不足が深刻なレベルにまで拡大していく」と予測されているのです。

ここで注目したいのが、「我が国の労働人口(特に若年人口)は減少が見込まれており、今後、IT人材の獲得は現在以上に難しくなる」という部分です。もはや、ベビーブーム時代のような若年労働者の大量供給は起こりません。また、高度なITスキルを持つ外国人労働者を大量に受け入れる制度はまだ十分整っていません。

このように20代や30代のITエンジニアの争奪戦となっている現状は、未経験からでもIT業界にチャレンジするには絶好のタイミングです。現実的には40代では厳しいながらも、可能性はあります。

これから、40代未経験からのIT業界に転職について見ていきましょう。

業界の人材不足

異業種からの転職は可能か?

40代でも転職先や仕事に困らないのが今のIT業界ですが、それは40代にふさわしいシステム開発の上流工程の実務経験がある人の話です。IT業界の40代といえば、普通はプロジェクトを総括するような役職に就く年代なのです。
実績がなかったり未経験だったりする40代では、そういった転職はまず不可能でしょう。

しかし、40代未経験の方のIT業界への転職には、大きく分けて2通りの可能性が考えられます。

ひとつは、現職や今まで経験のある職種を生かす方向での転職です。IT業界への転職は、エンジニアだけではないからです。

例えば営業であれば、扱う対象の商品やサービスが変わるものの、セールスやコミュニケーションのスキルを生かす方向で転職できるでしょう。最低限のIT知識を身につけ、扱っている具体的な商品やサービスについて詳しくなれば、一通りの仕事はできるようになるはずです。

そのほか、管理職や経営企画、事務や経理などの職種での転職という道もありますが、これらはITエンジニアとしての転職ではありません。

もうひとつは、飲食店やドライバーなど、ほとんどITと関係がなく、職種的にも関連性が薄い仕事からITエンジニアとして転職するものです。

この場合はかなり厳しいです。IT業界未経験であれば、とにかくまずはITの基本知識や基本スキルの獲得までは、自力でなんとかしなければなりません。

転職成功の可能性のある職種としては、プログラマが最有力です。そのためには、最低1つのプログラミング言語を身につけておく必要があります。

ではいったい、どうやってプログラミングのスキルを身につけることができるのでしょうか?

プログラミング・スキルの習得方法

ITエンジニアとして転職するなら、最低限の知識やスキルを転職前に身につけておくことは必須となります。新卒や20代なら新人研修などを受けられますが、40代未経験の方を技術者として育てていく企業はほぼ皆無といっていいからです。

未経験からITエンジニア(プログラマ)へ転身するためには、プログラミングのスキルが必要です。そこで自主的に勉強するわけですが、独学でプログラミングを習得するのは結構ハードルが高いです。

プログラミングの動作環境を整えるだけで一苦労ですし、プログラムが動かない時に相談する人がいなければ立ち往生してしまいます。

さらに、辛苦の末になんとかプログラミングスキルを独学で身につけられたとして、それが果たして企業からのニーズがあるかどうかわかりません。IT技術は常に進歩しており、特にウェブ方面のトレンドは流行り廃りが激しいからです。

そこで、プログラミングスクールをおすすめします。独学に比べて費用がかかるかもしれませんが、急がば回れです。スクールにはプログラミング習得のためのカリキュラムがあり、効率的にスキルを身につけられます。行き詰ってしまったら質問もできますし、最新のIT業界のトレンドも把握しています。

さらに、転職特化型のプログラミングスクールもあります。これは転職サポートがあるスクールで、プログラミングスキルを身につけた後に転職マッチングが受けられます。スクールによっては、転職が決まれば受講料が無料になるところもあるようです。

このような転職特化型のプログラミングスクールは、ITエンジニアとしてIT業界に転職するための最も有効な手助けになります。

また最近では、どこかの教室まで通わなくても、オンラインで受講できるスクールもいくつか登場しています。場所や時間が自由なので、在職したままでも受講しやすいサービスですし、無料の場合もありますので、利用してみてもいいでしょう。

とはいえ、40代未経験でのプログラミングスキル習得はかなりの覚悟と努力が必要なことは言うまでもありません。

仕事を探してみよう

プログラミングスキルを身につければ、少なくともIT業界への転職の挑戦権は確保できたことになります。次はいよいよ求職活動です。

ただし、現実にはやはり20代や30代の若手のエンジニアのほうが人気があります。

というのも、ITエンジニアの求人を出しているのは若い企業が中心で、社員の平均年齢も低いからです。課長やプロジェクトマネージャーも比較的若い人が多いため、年上の人に対しては指示を出しにくいなど、どうしてもやりづらい面が出てしまうそうです。場合によっては、社長より年上というケースもありえます。
IT業界未経験となれば、現場でさまざまな指導をしなければならず、なおさら採用しにくいでしょう。

とはいえ、40代未経験からのIT業界への転職の門は、完全に閉ざされているわけではありません。

いくつかの転職サイトで求人を探してみましょう。転職サイトはどれも一緒ではなく、「20代未経験での転職実績が豊富」「30代向けの求人が多め」「40代向けの求人も扱っている」などの特徴があります。

具体的には、techcareerというサイトに行ってみてください。
「求人をさがす」ではたくさんの求人が見られます。習得したプログラミング言語を使用する職種で検索すれば、自分が応募可能な求人をかんたんに抽出することができます。詳細では、求められるスキルや待遇などの情報を詳しく見ることができます。

そしてtechcareerでは、専任のキャリアアドバイザが親身に転職の相談に乗ってくれ、さまざまな提案をしてくれます。転職エージェントが持っている非公開案件の中には、40代未経験でも応募可能な要件が少なからず見つかります。
年齢的にIT業界への転職が難しいと感じている方こそ、転職エージェントに相談してみることをおすすめします。

40代での転職は、経験があっても3か月から半年、長ければ数年かかることもあります。未経験での転職は、さらに長期戦になる覚悟が必要です。しかし、転職への希望と意思を持ち続ければ、いつかきっと扉が開くことでしょう。

まとめ

  • ・IT業界は人材不足の状況であり、将来はより不足が深刻化するとみられている
  • ・40代未経験での転職は厳しいが、IT業界なら可能性はある
  • ・スキルを身につけるには、プログラミングスクールを利用するのが有効
  • ・techcareerには多くの求職案件が掲載されており、アドバイザに相談できる

この記事が、未経験からIT業界に転職を考えている40代のみなさまの参考になりましたら幸いです。

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