営業という領域にテクノロジーを持ち込み、新たな常識を作ることに挑戦しているベルフェイス株式会社。同社が開発・提供している”営業に特化したウェブ会議システム「bellface(ベルフェイス)」”はリリース3年で導入700社を突破。その勢いは止まることを知らない。
今回、前半では取締役兼プロダクトマネージャー吉本さんに会社の立ち上げから今に至るまでのお話を。後半にはCTOの松田さんに開発チームについて伺いました。(写真 左:松田優作さん 右:吉本猛さん)
第一部:インタビュー・取締役兼プロダクトマネージャー吉本猛さん 世の中に欲しいものがない、だったら自分たちで創ろう
当社は2015年4月27日に創業し、今年で4期目を迎えています。 そもそもの事業の始まりは実は前職で代表の中島が手がけていた経営者のインタビュー動画を掲載するWebメディア「日本の社長.tv」における活動の中からでして、月額制の低単価の料金モデルであったことと、一ベンチャーとして、短期間で圧倒的なシェアを獲得する必要があったことから、各都道府県にある企業の経営者の方に営業活動を実施していく際、1社1社を訪問していくという選択肢はコストとスピードから考えても、最初からありませんでした。
つまり、いわゆるインサイドセールスをせざるを得ない状況だったのです。 加えて、シェアを獲得していくためにはITリテラシーが決して高いとは言えない、地方の中小企業様にアプローチする必要がありました。
オンラインで提案活動を実施していくために当時存在していた複数のWeb会議システムを用いて実際にインサイドセールスを試みました。しかしながら結果としてどれも営業として使用するには必ずどこかでつまずいてしまうものばかりで、これだ! というものはありませんでした。 中島が前職を退任後、「世の中に無いなら自分たちで創ろう」と始まったのが、実は、今のベルフェイス株式会社なのです。
プロダクトはまだない、でも想いと確信はあった
「訪問を超えるインサイドセールスシステムを開発し、ビジネスの可能性を無限大にする」を設立時のビジョンとして設け、活動をスタートしました。
その時はまだ当然ながらプロダクトはありません。 それでも前職時代にお世話になった経営者の方々に営業活動における課題をヒアリングさせていただき、自分たちが前職時代に抱えていた営業課題と融合させていくことで1つ1つを具体化させて行き、2015年7月の初旬、今のモデルとは大きく仕様が異なりますがサービスとして『bellface(ベルフェイス)』をリリースしました。
ただ、この段階ではまだ自信を持って「使える」と言える段階ではありませんでした。高頻度で不具合も発生していたため、ご迷惑をおかけしながらも「お金はいらないです」と言いながら試してみていただく企業様を開拓していました。
今でも当時から応援していただいている方々には感謝してもしきれません。 この時、必死で顧客の声を聞き、利用している姿を観察し、1つ1つ改善を加えていったからこそ、今のbellFaceがあると言っても過言ではありません。
営業に特化した機能で「訪問を超えるインサイドセールス」を実現
導入企業様が増えていく中で、営業に特化した機能として、何があれば訪問営業を超えることができるのか、ということを考え続けました。
訪問営業でまずあるのは「アイスブレイク+名刺交換」。それを超えるために「名刺プロフィール機能」をリリースしました。アイスブレイクって非常にスキルが必要で、どうしても人に依存しちゃうんですよ。だったらそれを仕組み化することで標準化できないかなと考え、プロフィール写真や企業情報はもちろん、生年月日、出身地、出身校や座右の銘、自己PRにつながる写真など、プライベートな情報も交えてプロフィール画面を作成できるようにして、お相手が楽しんで共通点を探し、会話が進みやすくするようにしました。
他には「ビューティーモード」ですね。これはもう訪問営業では絶対にできないことなのですが、「実物よりも営業マンを良く見せる」ということです(笑) 実装するにあたって、オフィスの色んな所で実際にWebカメラ使って、明度・彩度・輝度の微調整を何十回も繰り返して、あくまでビジネスシーンということでやり過ぎにならない、けれどもはっきりと違いが分かるように細く、肌の色も良く見せる、ということを追及しました。
今後の目標と求職者へのメッセージ
実は今期からビジョンが変わりました。 「Technology for Sales 勘と根性の営業を、テクノロジーで進化させる」です。 ここ数十年でMAやCRM、SFAといったテクノロジーによって営業前の取り組み方、営業後の管理の仕方は大きく変わってきましたが、営業、特に商談の場そのものって実は全く変わっていなくて、そこをテクノロジーの力で変えていきたい、という想いがより強くなったためです。
ただ訪問営業をインサイドセールスに、ということだけではなく、テクノロジーのおかげでもっと営業が楽しく、カッコ良く、そしてより多くの人が圧倒的な成果が出せるという状態にしていきたいです。
海外展開ももちろん視野にいれていますが、まずは日本でプロダクトの土台をしっかり固めようというのが会社の共通認識です。まだまだ改善できるところもありますしね。とはいえ、当分の間、というのが当社の場合は意外とすぐだったりもしますので(笑)、準備は当然していきますよ。
bellFaceは世の中をガラッと変える可能性があるプロダクトです。今はある意味第二創業期を迎えているわけですが、これからさらに楽しくなっていきます。そのためにはまだまだメンバーが足りていません。一緒に世の中が変わっていくのを見ていきたいという方、ご応募お待ちしております。
第二部:開発者インタビュー・CTO松田優作さん
入社のきっかけはSaaS(Software as a Service)の開発に興味があり、そこに惹かれた部分が強いです。
元々はB to C、C to CをECで扱う会社にエンジニアとして10年ほど勤めていました。具体的に言うと、ゲームや漫画を売るECサイトです。転職にあたって「前職と違うことをやろう」と思っていました。SaaSもそうですが、特に違うところは、ECは手段ですが、自社プロダクトで直接稼ぐという点です。
これはエンジニアとしてやりがいがあると思いました。そして入社前に詳しく話を聞き、最初は商談ツールで毎月いくらもらう、というだけのプロダクトかと思っていたのですが、それもキッカケに過ぎないと気づき、そこから先のビジョンも面白そうだと思い、入社を決めました。
チーム環境について
プロダクト事業部の開発チーム、エンジニアは社員5名、業務委託が数名です。まだまだこれからです。今のメンバーはフロント、バック両方担当しています。
人間、得手不得手がありますので、得意じゃないところも多少強引に担当してもらっていることも認識しています。 小さい規模のチームとはいえ、本来であれば好ましくない状態ではありますので、それぞれの得意なところで注力できるような開発チームにしていくために、もっと人数を増やしていきたいと考えています。
フルリモートについて
作業は基本フルリモートで行なっています。月1回集まりますが、基本的には在宅です。エンジニアが集中できる環境を自分で用意してもらっています。喫茶店でもどこでも構いません。集中できるのが一番だと思います。
もちろん、オフィスで集まって開発していれば「ここはもっと上手くできるんだろうな」と思うことも0ではありませんが、リモートだからこそ「ここが上手くできている」と思うことが多いです。また何時から何時までと縛らず、ある程度個人の都合に合わせて調整しています。
もちろんメンバー間でコミュニケーションを取りながら、互いに助け合うことも率先して行っていますので、夜もフレキシブルに対応できています。各自が好きにやってもらえる結果そういうことに繋がるのは、リモートならではと思いますね。
今後の展開と求職者へのメッセージ
この一年、特に力を入れてきたのが採用です。
開発スピードを上げ、プロダクトの展開スピードを上げるのが目標です。これまで外注に頼る、個人でできる人に頼っていましたが、これからはチームとして開発していくという方向に切り替えていきます。
チームとして成果をあげるにはどうしたらいいのか、どうすれば開発チーム自体がスケールするか、一緒に考えていける人と仕事できたらと思います。
私自身、器用貧乏なので現状、開発以外の業務も行い、必要であれば何でも行なっています。ですが、これからプロジェクトもさらに大きくなり、当然ひとりで回せなくなります。これからはサーバーサイドでもフロントでもAIでもスペシャリストの方に集まってもらい、チームとして動いていきたいと思います。
チームでみれば「なんでもできるじゃんみたいな」そういう開発チームにしていきたいと思います。
エピローグ
構成の都合上、吉本さんと松田さんの話を二つに分けた。実際は、同席して頂き同時に話を伺っている。時には突っ込み、フォローしながら詳細に事業周りから開発まで話をして頂いた。その様子は、営業とエンジニアの理想形をみたような気がする。こうして営業とエンジニアがお互いを理解しフォローしながら”営業に特化したアイデアや機能”が生まれていくのだろうと確信した。