プログラミング言語の歴史は、1957年のFORTRANから始まり、約70年で数百もの言語が生まれてきました。本記事では、いま現場で使われている主要言語を中心に、誕生年と時代ごとの流れ、そして言語同士の関係・系譜をコンパクトにまとめます。各言語の詳しい歴史は、言語ごとの解説記事で紹介しています。

あわせて、フリーランスエンジニア向けエージェントのテクフリ(運営会社:アイデンティティー)が保有する募集中案件データから、それぞれの言語が「今」どれだけ求められているかも紹介します。古い言語がなぜ今も使われ、新しい言語がどこまで広がっているのかが、歴史と案件の両面から分かる構成です。

※本記事の案件データは、2026年10月時点でテクフリが募集中の案件(1,234件)を集計したものです。

目次

プログラミング言語の誕生年表

主要なプログラミング言語を誕生順に並べると、次のとおりです。現在の開発現場で主流の言語の多くは、1990年代と2010年代に集中して生まれています。

誕生年 言語 開発者・開発元 主な用途
1957年 FORTRAN ジョン・バッカス(IBM) 科学技術計算
1959年 COBOL CODASYL(米国の業界団体) 金融・行政の事務処理
1964年 BASIC ダートマス大学 初心者向け・教育
1970年 Pascal ニクラウス・ヴィルト プログラミング教育
1972年 C言語 デニス・リッチー(ベル研究所) OS・組み込み
1974年 SQL IBM データベース操作
1983年 C++ ビャーネ・ストロウストラップ(ベル研究所) ゲーム・組み込み・高速処理
1984年ごろ Objective-C ブラッド・コックスら 旧来のiOS・macOSアプリ
1987年 Perl ラリー・ウォール テキスト処理・初期のWeb
1991年 Python グイド・ヴァンロッサム AI・データ分析・Web
1991年 Visual Basic Microsoft 業務アプリ(後にVB.NETへ)
1995年 Java ジェームズ・ゴスリン(サン・マイクロシステムズ) 業務システム・Android
1995年 JavaScript ブレンダン・アイク(ネットスケープ) Webフロントエンド
1995年 PHP ラスムス・ラードルフ Webサービス・CMS
1995年 Ruby まつもとゆきひろ Webサービス(Ruby on Rails)
2000年 C# Microsoft 業務アプリ・ゲーム(Unity)
2009年 Go Google クラウド・Webのバックエンド
2010年 Rust Mozilla 安全性が求められる高速処理
2011年 Kotlin JetBrains Androidアプリ・サーバーサイド
2012年 TypeScript Microsoft Webフロントエンド・サーバーサイド
2014年 Swift Apple iOS・macOSアプリ

※誕生年は初公開・発表の年です。Rust・Kotlinは正式版(1.0)の公開が2015〜2016年になります。言語名のリンクから、各言語の歴史を詳しく解説した記事を読めます。

時代ごとに見るプログラミング言語の歴史

言語の歴史は、「その時代のコンピュータで何を作りたかったか」で整理すると分かりやすくなります。

1950〜60年代:機械語から「人が読める言語」へ

初期のコンピュータは、数字の並びである機械語や、それを記号に置き換えたアセンブリ言語で動かしていました。1957年のFORTRANは、数式に近い書き方で計算を書ける世界初の実用的な高水準言語です。

続く1959年のCOBOLは、英文に近い書き方で事務処理を書けるように作られました。金融機関や行政の基幹システムでは今も現役で、「古いが止められない言語」の代表格です。(→COBOLの歴史)

1964年には、初心者でも使える言語としてダートマス大学でBASICが生まれました。BASICは後にVisual Basic、VB.NETへと受け継がれ、業務アプリの世界で長く使われています。(→BASICの歴史/VB.NETの歴史)

1970〜80年代:C言語とSQLが「土台」を作る

1972年、ベル研究所でUNIXを開発するためにC言語が生まれました。OSを書けるほどの速さと、別のマシンへ移植しやすい扱いやすさを両立したことで、C++・Java・C#など後の多くの言語の文法の手本になっています。(→C言語の歴史)

1974年にはIBMでデータベースを操作するためのSQL(当初の名称はSEQUEL)が生まれ、後に国際規格化されました。どの言語で開発してもデータの出し入れにはSQLを使うため、約50年たった今も「共通語」として使われ続けています。(→SQLの歴史)

1983年には、C言語にオブジェクト指向を加えたC++が登場しました。速度が求められるゲームエンジンや組み込みで、今も中心的な言語です。同じころ、C言語にSmalltalkの考え方を取り入れたObjective-Cも生まれ、後にApple製品の開発言語になりました。(→C++の歴史/Objective-Cの歴史)

1987年には、テキスト処理に強いPerlが登場しました。初期のWebを支え、後のPHPやRubyに大きな影響を与えた言語です。(→Perlの歴史)

1990年代:インターネットと一緒に言語が増える

1990年代は、今の主力言語がもっとも多く生まれた時代です。特に1995年は、Java・JavaScript・PHP・Rubyが同じ年に登場した「当たり年」でした。

  • Python(1991年):読みやすさを重視した設計。登場から約30年後に、機械学習・生成AIの標準言語として主役になった(→Pythonの歴史)
  • Java(1995年):「一度書けばどこでも動く」が合言葉。企業の業務システムやAndroidアプリで普及した
  • JavaScript(1995年):ブラウザの上で動く言語として生まれ、約10日で試作されたという逸話もある。後にNode.jsでサーバー側にも広がった(→JavaScriptの歴史)
  • PHP・Ruby(1995年):Webサービスを素早く作るための言語。Rubyは日本人が開発した言語としても知られる(→PHPの歴史/Rubyの歴史)

2000〜2010年代以降:大手IT企業が「自社の課題を解く言語」を作る

2000年以降は、Microsoft・Google・Appleなどの企業が、自社サービスの開発で生まれた課題を解くために言語を作る流れが主流になりました。

  • C#(2000年):Microsoftが.NETの中核言語として開発。業務アプリとゲームエンジンUnityで使われる
  • Go(2009年):Googleが大規模なサーバー開発をシンプルにするために開発。C言語の生みの親の一人、ケン・トンプソンも設計に参加した(→Go言語の歴史)
  • Kotlin(2011年)・Swift(2014年):それぞれJava・Objective-Cの後継として、Android・iOS開発の標準になった(→Kotlinの歴史/Swiftの歴史)
  • TypeScript(2012年):MicrosoftがJavaScriptに「型」を加えた言語。大規模なWeb開発で一気に広まった
  • Rust(2010年):C・C++並みの速さとメモリ安全性の両立を目指した言語

この時代の言語に共通するのは、古い言語を置き換えるのではなく、「書きやすく安全にした後継」として作られている点です。

言語の系譜図:今の主力言語はどこから来たか

言語同士の影響関係をたどると、今の主力言語の多くは1972年のC言語から枝分かれしています。

プログラミング言語の系譜図。C言語からC++とObjective-Cが生まれ、C++の流れからJava、JavaからKotlinとC#、Objective-CからSwiftへ続く。GoとRustもC言語・C++の系統。PerlはPHPとRubyに影響を与え、JavaScriptはTypeScriptへ発展。FORTRAN・COBOL・SQLは独自の系統で、BASICはVisual Basicへ受け継がれた。

主なプログラミング言語の系譜(横の位置=誕生年、矢印=影響を与えた先)

  • C言語の系統:C言語からC++とObjective-Cが生まれ、C++の流れをくむJavaからKotlinとC#へ、Objective-CからSwiftへと続いています。GoもC言語の考え方を受け継ぎ、RustはC++の置き換えを目指して作られました
  • Web・スクリプトの系統:PerlがPHPとRubyに影響を与え、JavaScriptは型を加えたTypeScriptへと発展しました。JavaScriptとJavaは名前が似ていますが、言語としての親子関係はありません
  • 業務・科学計算の系統:FORTRAN・COBOL・SQLは、ほかの言語に置き換えられずに独自の役割を守り続けています。BASICはVisual Basicを経てVB.NETへ受け継がれました

系譜を知っておくと、ある言語の経験がどの言語で活かしやすいかが見えてきます。

テクフリの募集中案件で見る各言語の今

テクフリが保有する募集中案件を言語別に集計すると、最も案件が多いのは2012年生まれのTypeScriptで183件でした。続くのはPython(156件)、Java(125件)です。

言語別の募集中案件数ランキング

テクフリの言語別の募集中案件数(2026年10月時点)。1位TypeScript(2012年誕生)183件、2位Python(1991年)156件、3位Java(1995年)125件、4位JavaScript(1995年)100件、5位PHP(1995年)67件、6位Go(2009年)64件、7位SQL(1974年)58件、8位C#(2000年)51件、9位Kotlin(2011年)41件、10位Ruby(1995年)39件、11位C++(1983年)25件、12位Swift(2014年)24件、13位C言語(1972年)15件。

テクフリ募集中案件(2026年10月時点)・1案件で複数の言語を求める場合はそれぞれに計上

言語別の単価・フルリモート率・AIツール必須率のランキングは、2026年プログラミング言語ランキングで詳しく紹介しています。ここでは、言語の「誕生年代」と「親子関係」という歴史の角度から、テクフリの募集中案件を見ていきます。

誕生年代別に見る案件数・単価・働き方

言語を誕生年代で分けると、1990年代生まれの言語を使う案件が391件で最も多く、2010年代以降生まれの言語は単価とフルリモートの割合が最も高くなりました。

言語の誕生年代 主な言語 案件数 単価の中央値(万円/月) 月100万円以上の割合 フルリモートの割合 常駐の割合
1980年代以前 C言語・C++・SQL 100件 77.0 12% 33% 31%
1990年代 Python・Java・JavaScript・PHP・Ruby 391件 82.5 25% 38% 28%
2000年代 C#・Go 128件 88.0 22% 28% 27%
2010年代以降 TypeScript・Kotlin・Swift・Rust 219件 88.0 28% 48% 17%

※単価は週5稼働(1人月)あたりの税込金額です。複数の年代の言語を使う案件は、それぞれの年代に計上しています。

親子の言語は、案件でも一緒に求められるのか

系譜図の「親」と「後継」を比べると、後継が親を追い越した言語と、まだ親の方が大きい言語に分かれました。また、後継の案件で親の言語もあわせて求めるのは2〜3割にとどまります。

親 → 後継 案件数の比較 後継の案件で親の言語も求める割合
JavaScript → TypeScript TypeScriptがJavaScriptの約1.8倍 約2割
C言語 → C++ C++がC言語の約1.7倍 約2割
Java → Kotlin KotlinはJavaの約3分の1 約3割

Objective-C → Swiftは、募集中案件のほぼすべてがSwiftで、iOS開発では世代交代がほぼ完了しています。一方でJavaは、業務システムの開発で今も使われ続けているため、Kotlinへの置き換えは一部にとどまっています。

案件での「相棒」は、系譜上の親子とは限らない

案件で一緒に求められる言語を見ると、親子よりも、「役割を分担する別系統の言語」が相棒になっています。

  • Swiftの案件の約8割がKotlinも求める:系統は別々ですが、iOSとAndroidの両方のアプリを作る案件が多いためです
  • Rubyの案件の約6割がTypeScriptも求める:サーバー側をRuby、画面側をTypeScriptで作る構成が定番です
  • Go・PHP・Pythonの案件も、それぞれ3〜4割がTypeScriptと組み合わせ:TypeScriptは、サーバー側の言語が何であっても組み合わせられる「ハブ」の役割を果たしています

逆に、他の言語と組まず「その言語だけ」を求める案件の割合を見ると、言語ごとの性格の違いがはっきり出ます。

テクフリの募集中案件で、その言語だけを求める案件の割合。C# 45%、Go 41%、Python 34%、Java 30%、PHP 25%、Ruby 23%、SQL 22%、C++ 20%、TypeScript 16%、JavaScript 11%、Swift 8%、Kotlin 5%

テクフリ募集中案件(2026年10月時点)・HTML/CSSは言語数に含めない

C#は.NET、Goはバックエンドの小さなサービスなど、その言語だけで開発が完結しやすい領域で使われています。一方、Kotlin・Swift・JavaScript・TypeScriptは、アプリや画面といった「サービスの一部」を担う言語のため、ほかの言語とセットで求められるのが普通です。一緒に求められる言語の組み合わせランキングは、2026年プログラミング言語ランキングでも紹介しています。

歴史と案件データから見えること

新しい言語は古い言語を「消す」のではなく「上に積む」

案件数のトップはTypeScriptですが、その土台であるJavaScriptも上位に残っています。Kotlinが広がった後もJavaは3位で、約50年前のSQLも当たり前のように使われています。

これは、企業のシステムが一度動き始めると簡単には書き換えられないためです。新しい機能は新しい言語で作り、既存部分は元の言語で保守する。その結果、現場では「新旧の言語を両方扱える人」が求められやすくなります。

言語には「第二の全盛期」がある

Pythonは1991年生まれですが、今案件が多い理由は登場当時の人気ではありません。テクフリの案件でも、Pythonを使うポジションにはAIエンジニアや機械学習エンジニアが上位に入っています。AIという新しい用途が生まれたことで、誕生から30年以上たって主役になった言語です。

AI分野の案件の単価や求められるスキルは、フリーランスAI案件の単価相場で紹介しています。

JavaScriptも、Node.jsでサーバー側へ、TypeScriptで大規模開発へと用途を広げてきました。言語の寿命を決めるのは誕生年ではなく、その時代の新しい用途に乗れるかどうかだと言えます。

新しい言語ほどリモートの案件が多い

誕生年代別の表のとおり、2010年代以降に生まれた言語ほど、フルリモートの割合が高く常駐の割合が低い傾向があります。単価も、新しい年代ほど高めです。

新しい言語はWebサービスやアプリを自社で開発する企業が採用しやすく、開発環境もクラウド前提です。古くからある言語は、組み込み機器や業務システムなど、実機や社内ネットワークに触れる必要がある現場で使われることが多いためです。ただし、1995年生まれのRubyは平均単価・フルリモートの割合ともに高く、Ruby on Railsで作られたWebサービスの開発が多いことが表れています。

歴史を知ると「次に学ぶ言語」が選びやすくなる

多くの言語は前の言語の後継として生まれているため、今使える言語の「後継」を学ぶのがもっとも効率的です。

  • JavaScriptが書ける人 → TypeScript:案件数で親を追い越した後継。サーバー側の言語とも組み合わせやすい
  • Javaが書ける人 → Kotlin:同じ実行環境で動き、Androidとサーバー側の両方に広がる
  • Swiftが書ける人 → Kotlin:系統は違うが、案件では約8割がセットで求められる
  • C・C++が書ける人 → Go・Rust:C言語の考え方を受け継いだ、クラウド時代の言語

文法や考え方が近いため、これまでの経験を活かしながら案件の選択肢を広げられます。

よくある質問

世界で最初のプログラミング言語は何ですか?

実用化された最初の高水準言語は、1957年にIBMが公開したFORTRANとされています。それ以前は、機械語やアセンブリ言語でコンピュータを動かしていました。

古い言語を今から学ぶ意味はありますか?

あります。SQLやC言語は他の多くの言語の土台になっており、言語を跨いで役立ちます。特にSQLは、開発言語が何であっても使う場面が多いため、優先度の高い「第二言語」といえます。

日本人が作ったプログラミング言語はありますか?

Rubyが代表的です。まつもとゆきひろ氏が開発し、1995年に公開されました。WebフレームワークのRuby on Railsとともに世界中で使われています。

これから学ぶなら、新しい言語と古い言語のどちらがいいですか?

誕生年よりも「今どの分野で使われているか」で選ぶのがおすすめです。Web開発ならTypeScript、AI・データ分析ならPython、業務システムならJavaのように、作りたいものから逆算すると迷いにくくなります。

JavaとJavaScriptは関係がありますか?

名前は似ていますが、別の言語です。JavaScriptは当初LiveScriptという名前でしたが、当時話題だったJavaにあやかる形で名前が変えられたという経緯があります。名前の由来はJavaScriptの歴史で詳しく解説しています。

C言語から派生した言語には何がありますか?

C++・Objective-Cが直接の派生で、さらにJava・C#・Kotlin・Swiftへと枝分かれしています。GoやRustもC言語の考え方を受け継いでいます。C言語を学んでおくと、これらの言語の文法を理解しやすくなります。

言語の歴史をもっと詳しく知るには?

言語ごとの歴史記事で、誕生のきっかけや普及の経緯を解説しています。

まとめ

プログラミング言語は、1957年のFORTRANから始まり、1970年代のC言語・SQL、1990年代のWeb系言語、2010年代の後継言語と、時代の課題に合わせて積み重なってきました。

系譜で見ると、今の主力言語の多くはC言語から枝分かれしています。テクフリの募集中案件では、2012年生まれのTypeScriptが最多である一方、1990年代生まれの言語を使う案件がもっとも多く、約50年前のSQLも現役です。案件で一緒に求められるのは系譜上の親子よりも、SwiftとKotlinのように役割を分担する言語同士でした。

言語の歴史と関係性を知っておくと、今の需要がなぜ生まれているのか、次に何を学ぶべきかが見えやすくなります。言語別の単価やリモート率は2026年プログラミング言語ランキング、サーバーサイドの言語別単価はサーバーサイドエンジニアの単価相場もあわせてご覧ください。

テクフリ(運営会社:アイデンティティー)では、本記事で紹介した言語の案件を含め、幅広いフリーランス案件を募集しています。新規登録から参画まで最速2日・平均14日で、ご自身の言語経験を活かせる案件をご紹介します。

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